人生を変えるゴール設定の方法をプロコーチが具体的に徹底解説

こんにちは。

プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!

この記事では脳科学的に正しいゴールの設定方法と実践を具体例を交えながら解説します。

また”ゴール設定”一般的な”目標設定”の違い、コーチングの正しいゴール設定が出来た時の感覚についても解説していきます。

目標設定は学校や会社で、個人または組織で日常的に行なわれているのではないかと思います。

 

ただ、注意して欲しいのが目標のスケール(大きさや期間)でアプローチ方法がまったく違ってくるということです。

  • 今月の営業成績を5%改善したい
  • ヨガを始めて7キロのダイエットを成功させたい

という目標と、

  • 会社を退職して好きなことで独立起業したい!
  • 時間とお金に縛られず家族と自由な人生設計をしたい。
  • 今の自分では想像できないくらい素晴らしい家族関係を作りたい。

という人生レベルの変化を望むゴール設定は考え方、アプローチ方法がまったく異なります。

 

これからお伝えするゴール設定の方法は最新の脳科学、認知科学をベースにした最新のコーチング理論を元にしており、主に後者の”今の自分を変えたい人”、”生き方を変えるような変化を起こしたい人”に採用してほしいアプローチ方法です。(比較のために一般的な目標も解説します)

ゴールとは文字通り目的地のことで、変化を起こす上でもっとも重要な概念です。

さらに脳の仕組みや特性を理解し、うまく使うことで”今の自分にはできそうにないこと”に対しても積極的にアプローチできるようになります。

 

逆にいうとゴール設定が正しくできていないと、大きな変化を起こすことはできません。(一時的に成功したかに見えても必ずリバウンドします)

なぜなら”今の自分にはできそうにないこと”つまり生き方を変えるような変化を起こすには努力や根性だけでは難しく、知識とコツを踏まえた実践が欠かせないからです。

 

目次

1.ゴール設定でもっとも重要なこと

”自分を変えたい”、”生き方を変えたい”など人生レベルの変化を求める人にとって意識的なゴール設定ほど強力なものはありません。

ただ、注意が必要なのは正しく機能するゴール設定でなければならないということです。

 

あまり知られていないことですが、ゴール設定には2つのゴールが必要になります。

それは例えば”仕事と趣味のゴール”ということではなく、一つのゴールに対して2つ必要ということです。

それが”目的地のゴール”と”あり方のゴール”です。

1-1.目的地のゴール

まず目的地のゴールから解説します。

目的地のゴールとはその名のとおり本来のゴール、私たちがイメージするまさに目的地設定のことです。

子どもの頃に夢見た『プロサッカー選手になる!』、最近だと『YouTuberになる!』もこの目的地のゴールにあたります。

もちろん大人が戦略的に考えた『好きなことで起業して成功する』『最高のパートナーと出会って幸せな家庭を築く』なども目的地のゴール設定といえます。

そしてコーチングでよく言われている”現状の外のゴール”もほとんどが目的地のゴール設定です。

 

ですから、この目的地のゴールが設定されるとそのゴールが機能すると私たちは考えてしまいます。

しかし実際は違うのです。(すべてではないですが多くのゴールが機能不全を起こすのです)

よくある相談に『ゴール設定したのですが行動できません(何も変わりません)』というものがありますが、これが機能不全です。

では、目的地以外に何のゴールが必要なのかといえば”あり方のゴール”です。

1-2.あり方のゴール

あり方のゴールがなぜ必要なのか?そして重要なのか?というとゴールのスケールに関係しています。

冒頭に書いた、

  • 今月の営業成績を5%改善したい
  • ヨガを始めて7キロのダイエットを成功させたい

という目標であれば”あり方”などを考える必要はありません。

今の自分のままでも工夫や効率化で達成できるスケールの目標だからです。(とはいえ相当の努力は必要ですが)

 

一方でゴールのスケールが大きくなってくると深刻な問題が見えてきます。

それは『今の自分では無理だろう』という否定的な推測です。

残念なことですが、このネガティブな心の声やイメージによって多くの人はゴールを取り下げてしまいます。

 

では、どうすればいいのかというと『今の自分では無理』と思ってしまうのだから『それを成功させる新しい自分になればいい』ということになります。

ここであり方のゴール、すなわち”ゴール側の自分のあり方”を設定する必要性が出てくるわけです。

あり方のゴールとは”理想的な未来の自分”であり、”目的地のゴールを達成している自分”ということです。

先述した”目的地のゴール”と”あり方のゴール”が2つそろって、はじめてゴールとして起動(機能)します。

ちなみにあり方のゴールを今の自分へ定着させるもっとも強力な方法がアファメーションです。

 

【参考記事】
アファメーションとは何か?〜心理学から見た正しいやり方と言葉の意味〜

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アファメーションとは何か

2.ゴール設定は特別なことではない

突然ですが、あなたは現在の自分にどのくらい満足ですか?

今の自分の人生全般を思い返してみて下さい。

  • 仕事
  • 趣味
  • 家族
  • 人間関係
  • 健康
  • 地域貢献

などそれぞれについてです。

『趣味は思いっきり楽しめてる!』『仕事は何となくやっている感じが強いな』『ストレスのかかる人付き合いを見直したいな』など思うところがあると思います。

2-1.今の自分はどこから来たのか

なぜこのようなことを聞いたかというと、『今のあなたは過去のゴール設定の結果』だということをお伝えしたかったからです。

 

『いやいや、自分は過去にゴール設定なんてしてませんよ!』と思われたかもしれませんが、実はしています。

たしかに自分から意識的に『どんな自分になりたいか・・・?』と考えて能動的には設定していないかもしれません。

 

ですが親や友人、学校の先生などから『あなたって〇〇なタイプだよね』という言葉を受け取った記憶はあると思います。

また、しつけや親の考え方に多大な影響を受けていると思います。

それらがあなたの中に降り積もることで『自分は〇〇だ』、『男は(女性は)こうあるべきだ』などの信念が出来上がってしまうのです。

 

一度出来上がってしまうと意識的に変えようとしない限りはその状態をキープしようとする機能が私たちにはあります。

つまりずっとこのまま、この価値観のまま生きて行こうという、ある意味でのゴール設定がされてしまうのです。

これが一般的にいう”他者からの刷り込み”というものですね。

仕事を選ぶ際も『あなたって〇〇が向いてるよね』という言葉やそれによって出来上がった自己イメージが大きく影響しています。

また変わりたいのに変われない、もっと本当の自分で自然体で生きたいのになかなか変わることができなくて苦しむ理由も他者からの刷り込みやこれまでの環境が大きく影響しています。

 

もし現状に対して、

  • まだまだ満足できない!
  • 自分はこんなもんじゃない!
  • 一刻も早く自由な人生を手に入れたい!

と思われていたら未来を変えるために意識的なゴール設定をする最高のタイミングかもしれませんね。

もし仮に今の自分に納得できないとしても闇雲に今の自分を否定したり変えようとする必要はありません。

なぜなら過去のゴールの結果が今の自分なわけです。

ということは今の自分を変えようと思えば未来の設計図を理想的なものに再設定すればいいのです。

3.ゴール設定したいときの心理ときっかけ

私たちがゴール設定をしたいと思うのはどのような時でしょうか?

私はプロコーチとしての活動の中で数多くのクライアントさんのサポートをさせて頂いていますが、皆さんそれぞれに真剣な思いを持ってご依頼いただいています。

具体的には『今の自分を変えたい』、『今の生活を変えたい』、『パートナーとより良い関係性を構築したい』など、さまざまな理由や動機をお持ちですが、大きく分けて以下の3点があります。

  1. 現状に大きな不満がある
  2. 今の自分に違和感がある
  3. 叶えたい夢がある

順番に見ていきましょう。

3-1.現状に大きな不満がある

現状に大きな不満があることはゴール設定の大きなモチベーションとなります。

仕事の問題やプライベートの問題、目の前に不満があれば取り除きたいですし、やるべき課題が見えていれば解決したいと思います。

今の自分や自分の現状に対して不満を抱えるのをネガティブに捉える人もいますが、その必要はありません。

むしろこれは基本的に良いものです。

『もうこんな仕事は嫌だ!』『こんな自分と決別したい!』という思いは新しいステージに行くために重要なエネルギーになるからです。

3-2.今の自分に違和感がある

”今の自分に違和感がある”という悩みを抱えている人は多いです。

  • 自分を抑圧している感覚がある
  • 周りを過剰に意識して自分が出せない
  • 他人の言動に大きく影響される自分が嫌い

これらはゴール設定の中でも”ゴール側の自分のあり方”を正しく設定することブレない自分を作ることができます。

また今の自分では難しいと思える夢を持っている人は『その夢(ゴール)を叶えるにふさわしい自分』を設定することでゴール達成の確信度が飛躍的に高まります。

 

詳しくは後述していますが、理想的な自分でありたいという”あり方のゴール”はあり方だけではなかなか機能しません。

”目的地のゴール”とセットで使いたいですね。

その理由は今の自分で問題ない環境の中でもっと良くなろうとするのは意志力と努力が必要です。

ですが、私たちはこれがとても苦手です。

ここに目的地のゴールを設定することで新しい自分になる必要性が生まれます。

つまり新しい環境の中でも理想的な自分で振る舞えるようにしていく。

これが自分を意識的に変える上でもっとも重要なコツです。

3-3.叶えたい夢がある

”ゴール達成=夢を叶える”というイメージがあると思います。

とくにコーチングにおけるゴール設定は”自分ができそうだと思える範囲”を超えたものでなければいけません。(現状の外ですね)

ただ、このように言葉で書くと『とにかくスケールの大きなゴールがいいんだな!』と思う人もいるかと思います。

それはそのとおりなのですが、あくまで ”自分にとって”ということがポイントです。

自分にとってというのは『そのビジョンにワクワクできるか?』『ゴールに興奮できるか?』ということです。

ただただスケールだけ大きなゴールは自分の気持ちが乗らず(ついて行けず)にまさに絵に描いた餅になりがちです。(ゴールがあるのに動けない人に多い状態ですね)

 

先述したとおりゴール設定の半分は目的地設定です。

つまり自分が今いる場所から別の場所へ移動する、そして新しい自分になるということを意味します。

ですから、現状に不満が溜まり、ウンザリしているのはいいことです。

そして自分の頭の中にある未来のイメージに心からワクワクしたり、本気で興奮しているのはゴール達成のために最高の状態といえます 。

4.ゴール設定は現代人に必須

私がプロコーチをしているからというわけではなく、現代に生きる私たちにとってゴール設定は必須だと考えています。

その理由は

  1. 多くの人が情報に溺れている
  2. 『なんとなく生きる』ということが通用しなくなっっている

の2点です。

4-1.ゴール設定は生き方を本気で考えること

繰り返しますがゴール設定の半分は目的地設定です。(もう半分はあり方でしたね)

ではゴール設定をしていない時の私たちはどこ目指しているのでしょうか?

 

所謂やりたいことがない時の私たちは現状維持、もしくは現状の中でできることを探してしまいます。

これは過去を基準に自分の未来を決めているということ。

あえてネガティブに言えば”過去に囚われながら生きる”ということです。

 

もちろん私たちは意識していないものも含めると無数のゴールを抱えて生きています。

自分で設定したものもあるでしょうが、多くのゴールはメディアや周りの人からの刷り込みで設定されていると言っても過言ではありません。

例えば数年前のデータで子供が将来就きたい職業の1位は正社員(会社員)というものがありました。

これはどう考えても家庭の中で親が刷り込んだものです。

 

私の母親も結構ひどくて、私が小学生の頃から『あなたは国立大学に入って、銀行員か公務員になるのよ』と繰り返し言っていました。

皮肉を込めて言うと、私の母親の脳の中には私が小学生の頃から息子が銀行員になってバリバリ働くビジョンがあったのかもしれません。w

ですがそれは自分のゴールに対してやることであって、子どもであっても他者のゴール(未来)に介入してはいけません。(それは定義上洗脳です)

もちろん私の母親は子どものためを思って、このような情報を私の脳に投げ込み続けていたわけです。

 

詳しくは後述していますが、繰り返し投げ込まれた情報は信念を作り、私たちの中で生き続けます。

ある特定の職業、例えば『医師や公務員こそ素晴らしいんだ!』という情報が歪んだレンズとなり、自分が心からワクワクすることに出会うチャンスや掘り下げる機会を奪い続けることになります。

怖いのは大人になったからといって子供時代に受け取った情報が無効になるわけではということです。

『私って〇〇はダメなタイプだから…』といって自分を制限している人って多いですよね。

自分の特性を理解するのは大切なことですがゴールに必要だと腑に落ちれば、時間はかかってもほとんどのことはできてしまうものです。

個人的にはその成長が楽しく、人生を広げてくれるものだと思っています。

 

これらの過去に受け取った情報や信念を自分に必要なものなのかどうかを見極めるために有効なのが、なりたい未来の自分の視点から取捨選択することです。

それがすなわちゴール設定です。

積極的なゴール設定とは自分の常識や制約に縛られない未来の視点から自分に向き合う作業でもあります。

4-2.『なんとなく生きる』が通用しなくなった

今となっては遠い昔のことのように思えますが、以前はやりたいことがなかったら何となく就職して、何となく結婚して・・・ということができていました。

『大きな企業、優良企業に就職すれば安泰だ』 と世間一般に認識されていた時代がありました。

 

しかし現在はということ、AI などのテクノロジーによって、いわゆる”誰にでもできる仕事”は減り続けています。

平均年収は下がる一方ですし、なんとなくでできる仕事からすごいスピードで消滅して行っています。

 

つまり仕事のゴールにおいては『やりたいことが見つからなくて』というのは通用しなくなっているということです。

働き方はもちろん、生き方を含め『何をしたいのか?』を自分で意識的に選択する必要に迫られているわけです。

4-3.多くの人が情報に溺れている

またインターネット革命、SNS の普及によって私たちが普段の生活の中で触れる情報量が爆発的に増えました。

あらゆる情報に一瞬でアクセスできる、または常時接続されているわけですから、必要な情報を探すのは簡単。

でもその中で自分に必要な情報を選別することができず溺れているような状態です。

 

例えば生き方や仕事の悩みを検索すると膨大な情報にアクセスできる一方、今の自分に本当に必要な情報はどれか?が見えないのです。(決められません)

これはすなわち『結局自分は何がしたいのか?』というゴールの部分が見えていないことによって起こります。

 

またこの超ネット社会は自分の好きなことに集中し辛い時代ともいえます。

自分の中でゴールを立て、『〇〇を成功させる』と集中して取り組んでいたとしても、勝手に新しい情報が私達の脳に投げ込まれてきます。

YouTube のおすすめ動画などがまさにこれにあたりますね。(検索さえ不要になりつつあります)

他の成功例に目移りしたり、『もっと上手いやり方はないだろうか?』と本来は自分が好きなこと実践していく中で見つけるべき方法を安易に検索によって手に入れようとしてしまいます。

でも、だからこそ意識的なゴール設定によって、自分の心と向き合い人生の設計図と主導権を持ち続けることが重要になってきます。

5.そもそもゴールとは何か

私たちが何かを成し遂げたいと考える時、ゴールには2つの意味があります。

  1. 未来の設計図
  2. 未来の自分の設計図

先述したとおり”自分が望む理想的な未来のビジョン(目的地)”と”ゴール側の自分のあり方”ですね。

つまり自分が何者になって、今とは違うどんなステージで活躍して幸せを感じているのか?その全ての情報がゴールということになります。

そして注意したいのが、私たちが受け入れている価値観や思い込みという形で他人から投げ込まれたゴールも多数あるということです。

 

また先述したとおり、『過去のゴール設定の結果が今の自分』です。

ですから、”今の自分を変えたい”と思っている人ほど、今の自分へのアプローチより未来の自分の設計図を書き換えるゴール設定にまず取り掛かるべきです。

5-1.ゴールはいくつあってもいい

そもそも私たちは膨大なゴールを抱えて生きています。

  • 今週末は〇〇というレストランに行く
  • 今月中にあの人に想いを告げて恋人になるぞ
  • 今やっているプロジェクト何としても成功させる

これらもすべて私たちが当たり前に設定しているゴールです。(コーチングの定義ではゴールとは言いませんが…)

5-2.自分のゴールを意識に上げてみる

自分の中に何としても達成したいと思える夢がある人にとっては、それがまさにゴールになります。

しかし、まだそのような明確なゴールがない人、今の自分や現状に不満があるものの、どうなりたいのかよくわからない人は今持っているゴールを意識にあげるとイメージがつかみやすいです。

例えば今自分がやっている仕事に強烈な不満がある人であれば、

  1. もうこんな仕事嫌だ!明日にでも辞めたい!!
  2. 自分はどんな仕事がしたいんだろう?
  3. 辞めたいと思うばかりで、次の目的地を真剣に考えていなかったな…
  4. そもそも仕事って何だ?
  5. 自分の仕事に誇りを持っている人って、どんな気持ちで取り組んでいるんだろう…
  6. 自分の大好きなことで世の中を良くする仕事ができたら最高の気分だろうなぁ
  7. でも今の自分は仕事に対して相当ネガティブなイメージを持っているな

などなど。

自分の持っているゴールや仕事のイメージや定義などを掘り下げて考えます。

すると今の自分には分からないことや必要な情報が見えてくる。

行動しながらそれを採用してまた『自分のやりたい仕事は?働き方はどんなスタイルか?』などを意識に上げて考えることでゴールが洗練されていきます。

ただ漠然と思い描いたものや不満でさえ、正しく掘り下げることでコーチング的なゴールへアップデートされます。

 

ちなみに『お金がすべて!』『〇〇がいないと生きて行けない』などの執着や思い込みの激しい人は自分の中のゴールがかなりアンバランスになっています。

短絡的な行動によって失って気付くということになりますので注意が必要です。

そういった意味でも自分のゴールと向き合う時間を作ることは大切ですね。

5-3.ゴール設定でしかできないこと

一般的な目標設定では不可能で、ゴール設定にしかできないことがあります。

それは『今の延長線上にない未来へ行く唯一の手段』だということです 。

例えば『まったく音楽活動の経験がない人が1年後にプロ歌手として生計を立てる』というゴールを立てたとしましょう。

仮にこれを私たちが慣れ親しんでいる目標設定の視点で考えると、おそらくほとんどの人はできない理由しか頭に浮かばないのではないでしょうか。

 

その理由はシンプルで今の自分基準でその目標を観ているからです。

また多くの人は世間の常識を自分の常識として採用しています。

 

ではコーチングはどうなのかというと、『今の自分は〇〇だから』という自分視点や世間一般で共有している常識など徹底的に排除して『ただそれをやりたいのかどうか?』という視点のみで考えます。

 

私はこの理論TPIE というセルフコーチングプログラムで知ったのですが、思わず目頭が熱くなった記憶があります。

というのも私はそれまで『自分は〇〇なタイプじゃないから』という自分への言い訳をして、やりたいことをやりたいと言えずに生きていました。

『そうか!今の自分を変えて行けばいいんだ!それができるんだ!!』と理解できました。

そんな言い訳や本音に蓋をする必要はないと分かったのです。

 

自分の持っているものや得意なこと、特性などを理解しておくことは生きていく上でとても重要なことです。

ただ、いつのまにか受け入れてしまったネガティブな情報による思い込みなどは、自分が本当に望む未来の視点から見て不要であれば手放していいのです。

『自分が望む未来を何よりも大切にして優先したらいいんだ』と腑に落ちた瞬間に心が軽くなったのを今でもよく覚えています。

5-4.時間の流れからゴールを理解する

ゴールとは何かを理解して、ゴール設定からゴール達成すためにはイメージで捉えておくことが重要です。

ゴールをイメージで捉えるためには私たちの生活の中にある当たり前の出来事を時間の流れとともにゴールを使って意識することが大切です。

 

では早速イメージしてみてください。

  1. あなたの家で出てくる今晩の夕食はカレーです。
  2. そのカレーを作ったのはあなたのお母さんです。
  3. お母さんが前日に買い物に出かけ、材料を購入して、作ってくれたからあなたの家の今晩の夕食はカレーライスです。

どうでしょうか、なんとなくイメージできましたか?

これをそのまま言葉通りに理解すると、

  1. 昨日お母さんがカレーを作った
  2. だから今晩の夕食はカレーライスだった

と解釈されているはずです。

つまり『過去の出来事があった結果、今がある』という過去から積み上がっているようなイメージ、そのような世界観ということになります。

 

でもこの理解は本当に正しいのでしょうか?

私の答えとしては『間違ってはいないが正解とは言えない』です。

もちろん私の答えをごり押しするつもりはありませんが、コーチングを使ったりゴール設定を学ぶにあたってはこの視点がとても重要です。

 

『間違ってはいない』というのは物理世界で実際に起こったことだけを見れば、まさに『過去の出来事があったから今がある』と思えてしまいます。

この世界観のよくない点は『〇〇があったから自分は今苦労している』というように過去にとらわれるリスクが高いことです。

また過去に起こった出来事のみを見ているため『過去は絶対に変えられない』という思いがどうしても強くなってしまい、これもまた過去にとらわれるリスクとなります。

 

ではコーチングやゴール設定を使いこなす、すなわち未来の視点から考えて自由に生きるためにはどのようにすればいいかというと、脳の中の情報も物理世界と同じように観る必要があります。

カレーライスの例に戻りましょう。

 

前日にあなたのお母さんが買い物に出かけ、材料を購入して料理をしてくれたから今日の夕食がカレーライスだったわけです。

これを物理世界の出来事だけ見ると『昨日という過去があったから今日の夕食がカレーライスになった』と言えるわけですが、お母さんの頭の中の情報を見ると見え方が180度変わります。

 

つまり前日のお母さんの頭の中に『明日の夕食はカレーライスにしよう』というゴール設定がされていたと考えてみてください。(実際されています)

すると過去に買い物に行ったから、料理をしたからではなく、『明日の夕食はカレーライスにしよう』というゴール(頭の中の設計図)があって、その通り未来(明日の夕食)が決定したといえます。

これはすなわち『過去の〇〇という出来事があったから今がある』という世界観ではなく、『過去に〇〇というゴール設定をしたから今という未来が選択された』ということです。

そしてゴール設定を成功させる上で最も重要な時間感覚・世界観が『過去のゴール設定が今という結果をもたらしている。だから未来を変えたいと思えば、今自分ができる最高の未来のゴールを設定する』です。

5-5.一般的な目標設定とゴールの違い

ここではゴールをより深く理解するために一般的な目標設定と比較していきます。

基本的に目標設定というのは”現状の最適化”です。(現状の中で行います)

1981年にアメリカのジョージ・ドーラン博士が提唱した「the S.M.A.R.T way」という目標設定によりますと、

  1. Specific:具体的に
  2. Measurable:定量的に
  3. Attainable:達成可能な範囲で
  4. Realistic :現実的に
  5. Time-bound:〆切を意識して

これらに注意して設定します。

 

まさに学校や会社で採用されていて、私たちになじみのあるものですよね。

これらの現状の目標設定は現状の最適化、つまり大きな変革をすることなく無駄を省いて、生産性を最大化させる上で有効な方法です。

一昔前の日本の会社では、この方法が大きな成果を上げていました。

高度経済成長期の大量生産、大量消費の時代です。

モノが足りず、如何に大量のモノを効率良く、長期的かつ安定的に生産するかが重要だったからです。

 

しかし、もはやこのような時代は終わってしまいました。

時代の変化はとてつもないスピードですし、価値がモノから情報へ移行しています。

 

私もサラリーマン時代やプライベートで日々のタスク処理の最適化のために現状ベースで考えることはよくありました。

しかし残念ながら、この目標設定は個人、組織にかかわらずスケールの大きなゴールには使えません。

なぜなら”今の状況から脱したい”、”もっと素晴らしい人生にするために自分を変えたい”、”組織を根本から見直して改革したい”と思っている人がこの目標設定をしてしまうと、ますます現状に縛られてしまいます。

現状の最適化ですね。

 

自分や組織を変えたいと思っている人は現状に不満があるから変えたいと思っていますよね。

現状というのは過去のゴール設定の結果です。

その現状を変えずに何とかしようというのは過去のプログラムを採用し続けるということになります。

簡単なアップデートや最適化で対応できるのか、仕組み・システムから見直す必要があるのかを見極める必要があります。

 

現状からの積み上げ式やカイゼンだけでは現状を大きく変えることはできませんが、ゴールがあってのカイゼンはとても有効です。

なりたい自分、理想の未来があって、今どんな自分であるべきなのかが決まります。

 

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6.正しいゴール設定をするための制約

ここでは実際にゴール設定をする際に守るべき制約とコツをお伝えしたいと思います。

その制約とは、

  1. 心から大好きなこと
  2. 今の自分の現状の外であること

の2つです。

順番に見ていきましょう。

6-1.【制約1】心から大好きなこと

ここで言う大好きなこととは、

  • 想像しただけでワクワクしてくる
  • 想像しただけで興奮してくる
  • 疲れていたり、周りから止められてもついついやってしまう

など、まさに言葉通りの大好きなことです。

 

自分でコール設定をする際に大好きなことをゴール設定するというのは当たり前のことのように思えます。

もちろん趣味のゴールやプライベートなゴールであれば大好きなこともイメージしやすいと思います。

ですが、この”大好きなこと”が仕事の中で、つまり仕事のゴールになるとどうでしょうか?

うまくイメージできるでしょうか?

 

過去のクライアントさんで多かったのが『大好きなことで仕事のゴールを設定しました』と言っているにも関わらず、『週に2日しか働きたくないです』などと言っていることです。

もちろん働き方も含めて、その人のゴール設定なのですが『それ、本当に好きなことですか?』と思ってしまいます。(自己矛盾は指摘します)

 

仕事のゴール設定の方法はシンプルで『自分の大好きなことで社会に機能を果たす』です。

ただ注意が必要なのは、『仕事をして心から満足感を得たり、喜びを感じた経験があるかどうか?』です。

ここは自己採点してみてください。

 

もちろんなければ今後経験していけばいいことなのですが、”仕事=生活のためにするもの”という情報しか持ってなかった人にとって『大好きなことでやりたい仕事を見つけましょう』と言われてもなかなか臨場感が上がらないものです。(ピンと来ませんよね)

ちなみに私の場合は当時の自分のゴールに使うためだけにコーチングを本気で学んでいました。

その過程で『これはヤバイな!これを自分と同じところで停滞して苦しんでいる人に提供できたらすごいインパクトだろうな!!』という思いが爆発してプロコーチの道を選択しました。

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6-2.【制約2】今の自分から見て現状の外であること

ゴール設定が現状の外側でないといけない理由は4つあります。

  1. 現状の外へ出てみないと本当に望むことは見えてこない
  2. 現状の中にゴールを立てるとますます最適化を促進してしまう
  3. 無意識を最大限活用するため
  4. 過去から自由になるため

順番に見ていきましょう。

① 現状の外へ出てみないと本当に望むことは見えてこない

私はセミナーなどで『ゴールは設定するというより、出会うものです』という話をよくします。

もちろんこれまで述べてきたとおり、ゴールは自発的に設定するものなのですが、感覚としては”出会い”なのです。

 

例えば、恋愛経験のまったくない人に『半年以内に生涯の伴侶を見つけてください』と言ってもかなり難しいと思います。

もちろん出会えるかどうかは確率の問題ですが、それ以前に、

  • 自分がどういう相手を望んでいるのか?
  • どういうパートナー関係が望ましいのか?
  • どういう家庭を築きたいのか?
  • どのような結婚生活を送りたいのか?

これらが見えていない状態でパートナーを探すというのはかなり無理があります。

 

そしてこれらを決定するための情報は現状の中で手に入れることはできません。

当たり前ですが、自分の部屋で一人考えても検索しても分かりません。

これはさまざまな出会いの中で見つけるしかありません。

 

ではどうするかというと、はじめに設定すべきは『新しい人との出会いをとことん楽しみながら自分にふさわしいパートナーを見つける』 というゴールがおすすめです。

これは何をやっているかというと、 『一足飛びにゴールを目指すのではなく、自分の現状を少しずつ広げ、それを楽しみながらゴール達成を目指す』というゴール設定になっています。

自分の設定したゴールというのは最大級の願望なわけですから、それを早急に手に入れたいと思う気持ちは分かります。

でも繰り返しますが、”ゴールは出会い”です。

出会うまで、そして出会ってから自分と周りの人達がどのように変化・成長していくかの方が重要です。

その変化や成長を楽しめている人の方がはるかに早く大きな結果を手にしています。

 

そして自分の現状を広げていくこと、つまり現場の外へ出て行くことによって自分が今までいた現状のおかしなところや良かったところが初めて見えてくるものです。

その時にゴール側の自分から見て『必要な考え方だな』『これは素晴らしい習慣だ』と思えるポジティブなものは大切に残す。

反対に『これは自分にふさわしくない考え方だ』『この習慣は今後必要ない』と思えることは積極的に捨てていけばいいのです。

 

これができるのも現状の自分を俯瞰できたからです。

現状の自分を俯瞰するためには、現状の中にいたのでは分かりません。

ですから、より心から望むゴールを達成するため、またその過程で自分を成長させるためにも現状を広げたり、現状の外側へ積極的に出ていくアプローチが欠かせません。

 

ただ難しく考える必要はなくて、『ゴール側の自分だったらこれやってるよね』という今の自分にはない、手を伸ばしそうにない情報(体験)を気軽にインプットしていけばいいのです。

② 現状の中にゴールを立てるとますます最適化を促進してしまう

現状の中にゴールを設定することで現状を最適化してしまいます。

いわゆる自分を変えたい、新しい自分になりたいというゴールに対しては向きません。(避けるべきです)

 

一方で大きな仕組みの変化を起こすことなく無駄をカットすることでパフォーマンスの向上が期待できます。

一般的な目標設定ですね。

ただ、あくまでこの方法論では現状のリソースしか使うことができないため大きなゴール達成は期待できません。

また現状視点で考え、アプローチすることになるので、その先のゴールや可能性などがさらに見えにくくなるというデメリットもあります。

先述したとおり、私たちがゴール設定する際は、

  1. 現状に大きな不満がある
  2. 今の自分に違和感がある
  3. 叶えたい夢がある

という理由・動機がほとんどだと思います。

ですから、そのゴールが自分の現状をしっかり超えているのか?というチェックはしておきたいですね。

 

個人で、またはチームでゴール設定する際、自分たちが何を期待しているのか?を明確にすることでどちらをチョイスするのか決まります。

よく相談される問題で『今まで努力してきたが、どうしても〇〇がクリアできない』というものがあります。

 

詳しく話を聞いてみると現状の外側のゴールであるにも関わらず、現状を最適化するアプローチを取ってしまっているのです。

これはすなわち、現状の中の情報やシステムでは解決できない課題に対して、現状内で何とかしようとゴリ押ししてしまっているという状況です。

 

こういったケースでは”ゴールを極端に大きくしてみる”というアプローチが有効になります。

『これはさすがに今のやり方では…』と思れば自分を変えるしかないと思えます。

逆に言うと『この目標なら今のまま何とかできるだろう』と思い込みが私たちを現状で停滞させる大きな要因なっているわけですね。

③ 無意識を最大限活用するため

私たちが自分を変えるためにはゴールを現状の外に設定する最も大きな理由は無意識を最大限活用したいからです。

ここでいう無意識とは”意識して使えない不思議な力”というフワフワした定義ではなく、恒常性維持機能(ホメオスタシス)のことです。

恒常性維持機能とは文字通り一定の状態をキープするサーモスタットのような機能です。

例えば、

  • 暑い時に汗をかく
  • 激しい運動すると心拍数が上がる
  • 緊張すると心拍数が上が利、ドキドキする

などの身体の反応です。

これは意識してできるものではなく、環境の変化に合わせて反応・ 対応するようにホメオスタシスが自動調整してくれています。

 

また私達人間は脳が発達しているために物理的な環境の変化だけでなく、情報的なものに対してもこのホメオスタシスが機能しています。

例えば、

  • 生活水準
  • 金銭感覚
  • 学校や会社での成績・評価

などです。

 

生活水準や生活形態が大きく変わるようなことが起こるとホメオスタシスが元の状態に戻そうと一気に働き始めます。

収入が大きく下がれば、何とかして元の状態に戻そうと脳がフル回転し始めます。

それまで重要性が低く認識していなかった副業や資産形成のための情報が急に意識に上がり、気になって仕方がなくなります。

 

また、自分らしくない振る舞いや成績・評価を受けた時も『自分は〇〇ではない』という思いから居ても立っても居られなくなります。

つまりホメオスタシスとは私たちの脳が認識している自分の基準に対して状況が大きくずれた時に、それを元の状態に戻そうと爆発的な力を発揮する自動調整機能といえます。

 

ではこれをコーチングにどのように活かすかというと、”私たちの脳が認識している自分の基準”を理想の自分にアップデートします。

つまり今の自分がイメージできる最高の自分を基準にする、そこに対してホメオスタシス(恒常性)を働かせるということです。

すると、どのようなことが起こるかというと、それまで当たり前だった自分がいる現状や自己イメージ、自分のあり方や振る舞いに対して強烈な違和感を感じ始めます。

『こんなの自分らしくない』『自分をもっと〇〇なはずだ』『仕事に文句ばかり言って生産性が低いなんてありえない』と未来の自分、すなわち理想的な自分視点から現状の自分を俯瞰できるようになります。

 

ここで感じるギャップや違和感が慣れ親しんで現状を離れたり、変えていくための強力なエネルギーになります。

ここで私達が発揮できるエネルギーは現状の自分基準のまま努力したり、頑張ったりして出すことのできるエネルギーとは比べ物になりません。

④ 過去から自由になるため

普段不自由さを感じていない人も含めて、私たちは過去に採用した自分の基準や常識によって思考や行動に制限・制約をかけてしまっています。

私たちは幼少期からたくさんのものを学んで成長します。

その中には全く科学的でなかったり、他者の価値観の刷り込みが当たり前のように入っています。

もちろん、それらすべてがネガティブなものというわけではありません。

社会生活を送る上で必要な常識、しつけ、危険を避けるために必要な恐怖心なども含まれます。

 

ただ、これらは普段の生活の中では役に立つものでも、新しいチャレンジをする際に手かせ足かせになるものも少なくありません。

例えば私の場合は、『男は無駄口は叩かず、寡黙な方がいい』と言われて育ちました。

ですから、初対面の人と話すことや雑談がすごく苦手でした。(学生時代は深刻に悩んでいました)

 

また、そのせいで人前で自分をさらけ出すことにすごく抵抗があったので大好きな音楽活動でも不自由な体験を繰り返していました。

幸いコーチングに出会い、自由にゴール設定することで克服することができましたが、そうでなければ未だに不自由な想いをしているかもしれません。

 

このように私たちは自分の性格を形成しているようなこと、『これが自分だ!』と思っているようなことも実は他者からの刷り込み(しつけや何気ない言葉)の結果、そうなっているケースがかなりあります。

そしてそれは普段の生活では支障を感じなくても、現状の外へ出ていこうとした時に急に邪魔をしてきます。

中には真剣に悩んでいるコンプレックス(と思っているもの)も、何気ない大人たちの言葉由来ケースが多々あります。

親しい人からの善意の『あなたは〇〇だよね!』という言葉は要注意です。

私たちは過去ではなく、理想的な未来に縛られたいのです。

 

ですから今の自分が常識と思っているもの、すなわち自分の現状の外側に出て、俯瞰する必要があるのです。

繰り返しになりますが、現状の中からでは現状の自分の常識を疑うことは出来ないからです。

自分の生まれ故郷の魅力を雄弁に語っている人が一度も故郷の町の外で暮らしたことがなければ説得力がないですよね。

 

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現状の外

7.良いゴールと悪いゴール

セミナーやセッションの中で『自分の設定したゴールをチェックしてほしい』というリクエストをよく受けます。

実は良いゴールと悪いゴールを分ける明確な基準があります。

それは『ゴール設定した結果、動けばれ良いゴール、動けなければ悪いゴール』です。

すなわち思いっきり主観だということです。

 

先ほどゴール設定の解説をした際、制約について詳しくお伝えしました。

ただ、その制約さえ守っていれば設定したゴールが機能するというのは早計です。

7-1.行動できれば良いゴール

ゴールというのは目的地とあり方です。

目的地を設定するのはそこへ行きたいからですよね。

にもかかわらず、何も変化を起こせなければ、それはただの空想・妄想になってしまいます。

空想や妄想は楽しいですが、イメージを膨らますだけではゴール設定とは言えません。

 

具体的に良いゴールの特徴いくつかご紹介します。

  • 思いついたりイメージした瞬間にやる気になる
  • 自分の中で重要なもの、優先順位が大きく変わるのを感じる
  • ゴール世界やゴール側の自分に恋焦がれる
  • 現状に違和感や不満を感じ、気持ち悪くなる
  • それまで見えなかったものが見えてくる

これらの体感は個人差があり、感じ方は様々です。

 

ですが共通しているのは『ソワソワして居ても立っても居られなくなる』という感覚が起こることです。

これは現状の外に正しくゴールが設定されたから、すなわちゴール視点から現状を俯瞰した結果、イメージと物理的現実の解離によって感じる感覚です。

 

つまり今まで慣れ親しんでホームだと思っていた現状がゴール設定によって新たな基準を獲得した。

その結果、『自分のいるべき場所はここではない』と一気にアウェイ感を感じた結果、そわそわしていてもたってもいられなくなったというわけです。

7-2.変化を起こせなければ悪いゴール

反対に悪いゴールというのは『設定したにも関わらず、何も変化が起きない…』というゴールです。

例えば、

  • コーチングの書籍を読んで、とにかく抽象度の高いゴールを設定した
  • 自分で望んでいるのは事実だが、スケールが大きすぎて臨場感が持てない
  • 自分で設定したゴールなのにワクワクしない、興奮できない
  • ゴール設定したのに自分の中の重要性に変化が起きない
  • フワフワして実体性・手触りがない

などです。

これらも感覚や体感なので、かなり個人差があります。(個人セッションなどでは詳しくフィードバックを取り、伝えます)

 

これは私の主観ですが、ゴールが見えた瞬間というのは多幸感に包まれるケースが多いです。

ゴールの世界、そこでバリバリ活躍する自分にある意味、酔いしれる感じでしょうか。

ただ、良いゴールは次の瞬間には『やばい、こんなところでこんなことしてる場合じゃない!!』となります。

つまり夢から覚めても、その臨場感が残っている。

だから『やばい!!』となるのです。

7-3.ゴールがあるのに動けないときの対策

『ゴール設定したんですけど、なかなか行動できません』という質問はよくいただきます。

もちろんここで『そのような時に〇〇をやってみるといいですよ』と直接アドバイスしたいのですが、それはなかなか難しいです。

なぜなら”それが本当にゴール設定の問題なのか?”、”動けない直接の原因は他にあるのではないか?” など、しっかり向き合ってチェックしないと判断できないからです。

 

またゴール設定をはじめ、コーチングを使うということは”座学で知識を学んだから使いこなせるようになる”というものではありません。

技術ですから、相応の修錬が必要になります。

 

それらを理解した上で、

  • 良いゴールと悪いゴール
  • 自分の中でワクワクできているのか?
  • 現状の外に正しく設定できているか?
  • ゴールを意識した瞬間、自分の中で変化が起きたか?

などをチェックしてみてください。

そして楽しみながら、自分のゴール(未来)と向き合い、現状を変えるようなアクションにつなげるアプローチを取ってみてください。

 

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ゴール設定の期限

 

それでも『ゴール設定に関して不安を感じる』、『上手く設定する自信がない』という人は信頼できるコーチのセッションを受けてみることをお勧めします。

自分の盲点やマインドブロック、行動できない理由についてはその特性上、自分で見抜くのは難しいものです。

そういった時はプロの第三者視点から自分のつまずいているポイント指摘してもらうのが有効です。

 

ゴールが自分の中で正しく機能するようになった時の感覚は感動的です。

私もセッションの中で『自分の中にこんなエネルギー感を感じたのは初めてです 』という嬉しいフィードバックをよくいただきます。

でも実際はこの状態が本来の私たちですからね。

8.様々な大きさのゴールを持つ

ゴールは”達成方法が分からないくらい大きな方がいい”のは事実です。

しかし数年かけて追いかける大きなゴールに常にロックオンし続けるのは難しいです。(その必要もありません)

『3年前に立てたゴールに向き合い続け、ついに達成した』という話を聞くと私たちはついつい『強い思いを持ち続けた結果、夢が叶ったんだな』と感動します。

初志貫徹に魅力を感じる人は多いと思います。

 

ですが、実際はそのゴールだけにロックオンし続けたというよりはゴールを階層で捉えています。

8-1.ミドルゴールの重要性

そこで大切になってくるのが1週間、1ヶ月、数ヶ月などのミドルゴールの設定です。

このミドルゴールは大きはゴールに対して逆算して作ったり、必要性に応じて設定していきます。

  • 数年後にいるポジションから考えればこの現状はおかしい、1ヶ月後にはこうなっているべきだ!
  • この分野で活躍するためには〇〇のスキルを早急に身につけなければ!

という具合です。

 

どんなゴールに対しても言えることですが、”達成方法がわかった時点で現状”です。

つまりコーチング的なゴールとは呼べなくなるということです。

もちろん呼べなくなるだけでなく、ゴールとして機能しなくなります。

ゴールがあると『ヤバい、こんなことしてる場合じゃない!』と思えて生産性も高かったのに、達成できそうだと思った途端『もう少しゆっくりしよう』と思ってしまい失速します。

 

脳は新しい刺激は大好きなくせに手抜きの天才です。

手を抜かせないためにも、さっさと更新してしまいましょう!

それがミドルゴールなら一つ上の階層のゴールにロックオンし直しましょう!!

 

もちろん更新の際には、『ゴールを達成した自分は最高だ!』というポジティブなセルフトークもしっかり行ってくださいね。

成功体験がゴール達成をさらに加速してくれます!

8-2.自分勝手なゴールをどう考えるか?

コーチング真面目に学んでいる人ほど”世の中のために”・”世界の環境問題を”など、いわゆる抽象度の高いゴールを設定しがちです。

もちろんこれは素晴らしいことですし、私達がゴール設定する際には日本全体や次の世代のことくらいのスケールのゴールが望ましいです。

 

ですがここに関しても、”自分の現状の外側かどうか?”と”そのゴールに心からワクワクできるか?”という二つの視点でチェックしてもらいたいと思います。

どういうことかというと抽象度の高い、すなわち社会を良くするようなゴールを設定するだけなら誰にでもできます(言えます)。

自分の中に『世界に貢献したい』という尊い思いが芽生えたのは本当に素晴らしいことです。

ただこれはあなたの人生、生き方を変えるためのゴール設定でなければいけません。

 

ですから、抽象度が高すぎたり、スケールが大きすぎたりして、自分でそのゴールに臨場感を持てなければ空想や妄想と変わらなくなってしまいます。

先述したとおり、良いゴールは自分を変えてくれるゴールです。

 

ではどうするかというと、2つの方法をおすすめします。

  1. 自分の現状を少しだけ超えたところにゴールを設定する
  2. 最高にスケールの大きいゴールの中にミドルゴールを設定する

これら2つのゴール設定に共通しているのは『自分勝手なゴールでも全然OK』ということです。

 

ゴールはその特性上、設定と行動とフィードバックと更新を繰り返して行きます。

仮に仕事のゴールの中に自分勝手な欲望や願望が入っていたとしても、自分の成長とともにゴールを更新していくわけですから、その過程で洗練されていきます。

反対に初めから洗練したゴール、抽象度の高いゴールばかり意識して設定してしまうと、そもそも行動ができないという本末転倒な結果になってしまいます。

 

これからビジネスを始めたいという人で、『ついついお金を儲けることにロックオンしてしまう』という悩み相談を先日受けました。

ですがこれはある意味で健全です。

社会的・経済的に成功したいというゴールはあっていいですし、はじめの一歩を踏み出す段階で『自分の商品で社会に貢献する』と思えている必要はありません。

最低でも誰か一人をハッピーにすることにロックオンしていれば仕事のゴールとしては大丈夫です。

実際ビジネスをスタートさせてみれば自分の利益にロックオンしていると上手くいかないことを身をもって経験するでしょうし、そこで自分の視点が上がり、ゴールの抽象度も上がります。

ゴール設定が無意識にインストールできる動画⇩

9.ゴール設定よりも重要なゴールの更新

ここまでゴール設定の基本的なことをお伝えしてきました。

では実際どのように設定するのか?というと、とりあえず設定するというのがおすすめです。

なぜなら本当のゴールはそう簡単には見つからないからです。(変わってもいいですし)

恋愛経験ゼロで結婚相手を探そうとするようなものです。

不可能ではないですが、可能性は低いですよね。

 

とりあえず設定して、行動、その後更新という流れです。

そもそもなぜゴール設定が必要なのでしょうか?

これを機能的な側面から見てみると、『ゴールは常に現状の外に出しておく』必要があることがわかります。

9-1.手が届かなくてソワソワしているからエネルギッシュ

私はよく恋愛に例えるのですが、気になる人がいるからその人を求めるのです。(強烈なwant toです)

手が届かないと余計に欲しくなり情熱的になります。

自分を見直したり、努力を厭わなくなります。

コーチング的ゴール設定ではこのエネルギーを使いたいのです。

それを正しく発揮させるのがコーチングであり、正しいゴール設定です。

 

ですから、ゴールを設定したら行動します。(したくてたまらなくなります)

 

次にすることは行動によって現状がゴールが側に動いてゴールが現状に入ってしまっていないかチェックすることです。

入ってしまっていたらすぐに更新する必要があります。

ちなみにゴールが現状になったというのは達成されたという意味ではなく達成方法がわかった時点で現状とみなすということです。

9-2.コーチングにおける無気力の原因はゴールの機能不全

なぜこれが重要かというと『もうゴールが見えたから大丈夫だな』と思った途端、脳はサボり始めます。

クリエイティブな思考をしなくなります。

つまり失速してしまうのです。

 

『なんか最近やる気が起こらないな』、『情熱が冷めてきたな』というときはゴールの道筋、方法が見えて安心したときです。(安心・安定すると脳はサボります)

 

つまり現状の外だと思っていたゴールが現状になっていたということです。

ここも感覚的には最後まで気を抜かず・・・なのですが、コーチング的にはさっさとゴールを更新してしまいましょうということです。

意識的に頑張るのではなく、『こんなことさっさとできていて当たり前だよね!』というゴール側の自分でいるためです。

 

恋愛においてもゴールの更新は重要です。

憧れている状態から友達、恋人になる。

ここでゴールは達成されています。

 

この瞬間、大きくゴールを更新する必要があります。

例えば恋人関係になるゴールの次は、

  • どれだけ二人で楽しむか?
  • そのためにどんなことを体験したいのか?
  • 何が必要か?
  • お互いにとってどんな存在でありたいか?

などをイメージしておくことは重要です。

新たなゴール設定と共有ですね。

長く良好な関係を続けているカップルや夫婦はこのゴールの更新・共有が上手く出来ているからです。

10.正しいゴール設定が出来た時の感覚について

私のセミナーや体験コーチングに来られた人からよく受ける質問に『このゴールは正しく設定できていますか?』というものがあります。

もちろんゴールはその人のオリジナルなのでゴール自体は良いも悪いもありません。

またコーチはクライアントさんのゴールに対してそのようなこと(ジャッジ)を伝えることもありません。

 

ですが、コーチングを使っていく上で正しく設定できているかというのはとても重要なことです。

なぜなら先述したとおり、正しく設定できていないと全くゴールとして機能しないからです。

 

ここでは正しいゴールが見えた時の感覚をお伝えしたいと思います。

一言でいえば『現状の自分に変化があったか?』ということです。

  • 見える世界が変わった(明るくなった)
  • 現状の不満が一気に込み上げてきた
  • 過去のことが気になっていたのにどうでもよくなった
  • 目つき、顔つきが変わった
  • いい意味で現状に疎外感を感じた
  • 新しいこと、行動せずにはいられなくなった

などです。

10-1.良いゴールは私たちを導いてくれる

良いゴールというのは『心からそうなりたい』『そこへ行きたい』と思うものです。

出来そうかどうかの確率や可能性を考える前に『とにかくやりたい』と思うのです。

もちろんここにブロックがあったり、ブレーキが効きっぱなしの人もいます。(プロコーチのセッションをお勧めします)

 

ですが基本的には『とにかくやりたい』というwant toが発火します。

私の体験コーチングでもよくありますが、さっきまで過去のことばかり口にしていた人が未来を観るようになったのです。

 

瞳孔が開き、キラキラした瞳になって子どものような笑顔になります。

一方でソワソワし始める人もいます。

現状に絶望する人も・・・

これらはどれもゴールが観えた、設定できた時のポジティブな変化です。

 

子どものように笑顔になったのはそれまで過去に囚われていたからです。

ソワソワするのは1分でも早く行動したいと反応している証拠です。

また現状に絶望しているのは文字通り現状、現状に適応していた自分に強烈な違和感を感じているからです。

 

感覚的にはしんどいものもありますが、全て良い変化であり、内部表現が書き換わったということです。

観ている景色、世界が変わったということですね。

良いゴール、正しいゴール設定はこのような明確な変化が起こります。(時間差で後日起こることもあります)

プロコーチだと微細な変化を拾ってフィードバックしてくれると思いますが、セルフコーチングにおいても出来るだけ自分の変化を敏感に感じ取る必要があります。

 

新たなゴールが見えた時のマインドの変化、見える世界がどのように変わったか?

その変化をスコトーマに隠さず感じ取れたら積極的に、そして継続的に起こし続けるということが重要です。

ゴールを更新し続けるということですね。

それがゴールをゴールとして機能させ続ける重要なポイントです。

11.心からワクワクするゴールの見つけ方

では具体的に『心からワクワクするゴール』はどのように見つければいいのでしょうか?

実はこの答えはとてもシンプルです。

 

それは『動きながら、走りながら見つけましょうね』ということになります。

 

そもそも”心からワクワク”といってもそれはその人の感じ方です。

ほとんどの人は体験済みだと思いますが、未体験、もしくは忘れているなどして感覚が分からないこともあります。

そういう時はまずワクワクすることを片っ端からやってみることです。

 

思い出す、感覚を呼び覚ますことが重要です。

 

例えば人を好きになる、恋に落ちる感覚は多く人にとって嬉しくて楽しくて、そして切ないものだと思います。

では、なぜそう思えるのかというとその体験、経験して体感があるからです。

 

もし忘れていたら映画や小説でもいいので、ぜひ思い出して下さいね。コーチングにおいてかなり重要です。

 

ゴールも同じように、心から欲しているものが今現在なければ楽しいと思えること、それも今までの自分ではやらなかったようなことを実際体験してみることです。

最愛のパートナーと結ばれている人は最愛の人に出会おうとして出会っていないと思います。

多くの人と出会う中で『あっ、この人だ!!』と思われたのではないかと思います。

 

先ずは出会うこと見つけること、そしてハマること(夢中になること)です。

心からワクワクするような状態は何かといえば所謂ハマっている状態です。

考えただけで楽しい、つまりそのことで頭がいっぱいなのです。

 

最高にハッピーですよね?

 

それは大好きな人のことが頭から離れないような感じ、まさにゴールに恋しているのです。

本気で恋するためにはゴールに出会う必要があります。

そのためには行動ですよね。

 

自分の部屋の中で『私に相応しい最愛のパートナーって・・・』と考えても答えは出ませんし、たぶん出会えないでしょう。

行動していろんな人と出会うことで、

  • この人といると落ち着くし、自分らしくいられる
  • この人といるとお互いに刺激し合って成長できているな
  • 気に触ることも多いけど、この人が気になって仕方ない

など自分の求めている人、どんな関係を望んでいるのかがクリアになってきますよね。

 

ゴールも同じですね。その場で考えているとすぐに行き詰まってしまいます。

先ずは気軽に行動、動いて出会うことです。

気軽に、そして積極的に現状を広げてきましょう。

 

【参考記事】
>> 人生の目標の見つけ方と恋人の見つけ方はほぼ同じ

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まとめ

ゴール設定の方法|脳科学的に正しい設定方法と実践

  • あなたの現状は過去のゴール設定の結果
  • 現状に満足出来ていないのであれば、未来を変えるために、今ゴール設定が必要
  • ゴール設定の条件は『想像しただけでワクワクして笑顔になるくらい大好きなこと』かつ『現状では達成方法が分からないくらい大きなもの』
  • 1週間、1ヶ月、数ヶ月などのミドルゴールを設定する
  • 更新の際には、『ゴールを達成した自分は最高だ!』というポジティブなセルフトーク
  • やり方が見えた時点で現状、ゴールを常に現状の外に出し、ゴールに恋い焦がれるように追いかける
  • ゴールを設定して自分にどんな変化が起こったか自己観察する
  • 感覚的にはしんどい変化でもすべて現状が揺らいだ良い変化とみなす
  • 心からワクワクするゴールは動きながら見つける
  • ゴールに出会うために気軽に行動する

 

ゴール設定とは一言でいうと『理想的な未来の自分になること』です。

理想的な未来の自分を設定、設計するのに今の自分をベースに考える必要はありません。

むしろ想定していない自分になろうとするから人生が豊かに広がっていきます。

理想的な未来を先に設定して、それに相応しい自分にアップデートします。

 

私が体験コーチングなどでクライアントさんに『思春期の誰かを求めるエネルギーをゴールに使えたらどうですか?』と聞くとみなさん『それはすごいですよね!』『大変なことになりますね!w』と言われます。

正しくゴール設定をすることで抽象的な概念である『理想的な未来の自分』に対してもこのwant toのエネルギーを使えるようになります。

 

この記事が正しくゴールが設定された際の世界が変わる瞬間を観るきっかけになれば幸いです。

この記事を読まれた方は、ぜひ下記の記事も読んでみてください