こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
無気力な状態が続くと辛いものです。
無気力状態、無気力症候群そのものが辛いというよりは結果的に、生活(家族も含めて)に多大な影響を与えてしまうでしょう。
今回の記事では『深刻な無気力の原因は他人の人生を生きてる証拠〜今すぐ出来る解決策〜』をコーチング理論で解説して行きます。
結論から言いますと、深刻な無気力状態の克服には”不本意なゴール”手放すことが重要になってきます。
私たちは多くの場合、影響力のある大人(親、学校の先生)などから刷り込みを受けて社会に出ます。
さらに社会に出てからは上司などから刷り込みを受けます。(柔らかく言うと価値観や常識を共有させられます)
本音や本心に蓋をして生きるという常識を共有させられてしまうのです。
これらの刷り込みが勝手に目的地をセットされたカーナビのように、また手かせ足かせとなってあなたの人生を縛っていることに先ず気付く必要があります。
これらの不本意なゴール(目的地設定)、すなわち行きたくもないところに行くために人生時間と情熱を注いでいることに気付かず突き進めばエネルギーの枯渇状態になるのは当たり前ですね。(無意識は気付いていますから)
そうなる前にしておくべき対策についても解説しています。
なお、うつ症状と重複している部分もありますので、心配な方は専門機関に相談されることをお勧めします。
1.無気力症候群とは
無気力症候群をご存知でしょうか?
無気力症候群(アパシーシンドローム)はもともとは大学合格という目標を持って全力で熱心に勉強していた学生たちが、合格した途端に、目標を見失ってしまい、その結果無威力になってしまうものだと考えられていました。
ですが、近年では大学生に限らず、中高生や新社会人などにも同じような症状が見られることがわかってきています。
無気力症候群の主な原因はストレスとされており、あまりに大きなストレス(自分一人ではどうにもならないと思える)を抱えてしまった時に無気力、無関心の症状が現れるとされています。
では具体的に自分ではどうにもならない(と感じる)大きなストレスとはどのようなものでしょうか?
私の経験、またコーチングの現場で感じたこと、共通している事例は『ゴールが間違っていた』と気が付いた時です。
これは気付いた時というよりも『何かおかしいぞ、このまま進んでも私の理想の未来は待っていないのでは・・・?』と感じ始めた時から徐々にパフォーマンスが落ちていきます。
そして多くの場合、気付きながらも分かっていながらそのまま突き進んでしてしまいます。(ストレスが雪だるま式に膨らんでいきます)
やり方が分からない、上手くいかないなどは心から望んでいる目標(ゴール)に向かって行っている人であれば難なく超えられるものです。
しかし今まで情熱を持ってやってきたことが自分の心から望んでいたものではなかったと悟った時、さらにそのまま突き進む選択肢しか見えていない時、私たちは強烈な無気力状態を感じ感じてしまいます。(過去の私もその一人です)
2.自分以外の人が設定した目標が怖い理由
『いや、自分は目標なんてそんなに意識したことはないけど強烈な無気力に苦しんでいるんだ!』と思われている人もいるかもしれません。
実はここで言う”目標”とは自発的に設定した目標だけを指しているのではありません。
冒頭で書いた、身近な影響力のある大人、上司、友人などあなたと親しい人から無意識に受け入れてしまった”刷り込み”も入っています。
勝手にセットされていた目的地設定が他者から刷り込まれたゴールですね。
例えば、
- 公務員は安定していて最高の就職先だ
- 終身雇用は終わったと言われているが大手の方が絶対に安定している
- 好きなことで生活できる人なんて一握りなのだから、サラリーマンをするしかない
- 結婚することが将来安定することだと思っている
などです。
例えば、何の疑いもなく公務員として働いていて、ある日大好きなことしかしない生き方の情報が入ってきます。
何よりも安定が重要で仕事は我慢することが当たり前だと信じ切っていた人からすると、思いっきり自分の常識が揺らいだ瞬間といえます。
ただ、私たちはいい影響も良くない影響も必ず何かしらは受け入れていますし、また与えてしまっています。
ですから、深刻に考える必要はありません。
とくに情報過多の現代ですから自分に必要な情報かどうかを判別する基準、基軸のようなものが必要です。
それは私がこのブログで再三お伝えしています(自発的な)『ゴール設定』なわけです。
実際にゴールがないという人もいますが、そういう人は現状維持というゴール設定が自動でなされています。
現状の自分に大満足している人はそれでいいと言えるかもしれません。
ですが現状に少しでも違和感のある人はとりあえずゴールを設定して現状の外へ出てみる必要があります。()
なぜ現状の外へ出てみる必要があるのかと言いますと、自分のゴールを意識しないと刷り込みを受けたまま(意識に上らないまま)人生が進んで行きます。
ゴールを意識するためには現状の中に居たのでは意識できません。(当たり前すぎて意識に上らないのです)
しっかりとゴールを意識できていないと、たとえ成功していても(周りからは羨ましがられるようなポジションにいても)『しまった!ここじゃなかった・・・』となってしまうのです。
実は私は高校時代に大学を選ぶ際、仲のいい友人に刷り込まれて、まんまと受け入れてしまった経験があります。
その刷り込みとは『今は就職の超氷河期だから経済学部に入っても絶対就職できないぞ!福祉にしておいた方がいいよ。』というものでした。
今振り返ると私も彼も、お互いに『情弱すぎるだろう・・・』と笑い話に思えますが、当時は真剣に聞いて受け入れてしまいました。
私の場合、結果的に今の仕事に繋がってはいますが、あまり良い思い出とは言えませんね。
もちろん新たにゴール設定することで対応は可能です。(遅すぎるということはありません)
3.無気力状態が辛い理由
一般的に無気力症候群では無気力なだけでしたらそれほど辛さはないといわれています。
しかしこの2つの状態になると苦痛を伴います。
- セルフイメージとの認知的不協和
- 現状との認知的不協和
先ずセルフイメージとの認知的不協和とは『私は〇〇な人間だ』という自己イメージが現状の『無気力な自分』と乖離がある場合に起こります。
例えば、友人に対して、つい酷いことを言ってしまった時、気になって眠れないくらい後悔してしまうことがあると思います。
それは、自分はそのような酷いことを言う人間ではないというセルフイメージと実際言葉にしてしまったギャップ、すなわち認知的不協和に苦しんでいる状態といえます。
何とも形容しがたい不快感ではないかと思いますが、それがこの場合、無気力な自分を認識するたびに感じてしまうのですから辛い状況といえますね。
2番目の現状との認知的不協和というのは不本意なゴールで手に入れた現状とのギャップといえます。
例えば経済的には成功したけど自分の望む人生ではなかった。
そしてそこから抜け出したいけど家族のことや、住居のことがあり身動きが取れない(と思っている)状態です。
第三者から見ると『そんなに辛いのなら手放すことも視野に入れて考えるべきでは・・・』と思うのですが、当事者は中々その視点は持つことができません。(盲点ですね)
この状態は社会人でとくに家庭のある人であれば殆どの人が感じる辛さではないでしょうか?
症状としては大学生が受験勉強の開放感や”やりきった感”で無気力になることと同じでも状況によって感じ方はまるで違ってきます。
4.未来のことなんて考えられないと言う人が必死に守っているもの
このような自分の現状が八方塞がりな(と思っている)人は『未来のことなんて考える気力はありません。』と言います。
もちろん辛い状況は理解できるのですが、『あなたが必死に現状に留まり守ろうとしているのは、あなたの無意識が必死に抵抗している好ましくない状態なのですよ』ということです。
先にゴールのない人は自動的に現状維持がゴール設定されていると書きました。
これは私たちの生体に備わったホメオスタシス(恒常性維持機能)によるものです。
なぜ現状維持するように働くかというと、安定的な状態を続ける方が生存の確率が高いことを私たちの生体が進化の過程で学習しているからです。
つまり無気力が続くということは現状維持というゴールがすでに破綻しているということを意味しています。
5.無気力の原因は過去にある
もちろん破綻しているといっても、簡単に全てを手放してリセット出来るはずもありませんし、そのようなことを勧めているわけでもありません。
基本的にコーチングは過去は全く関係ないというスタンスです。
ですが何によって身動き出来なくなっているのかを知る上で過去のゴールのたな卸しをする必要があります。
守るべきものと信じているものが実は過去の誤ったゴールによるもの、すなわち多くは見栄や世間体のためだった。
そしてその過去の誤ったゴールから解放されたけど、見栄や世間体は中々手放せない・・・
コーチングで言うhave to つまり望んでいないただの義務、”やらなければいけないこと”になっているいうことです。
ゴールが明確に間違っていたと気付けたのに現状の生活を維持するために”やらなければいけないこと”を考えただけで無気力状態になっている。
まさにアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような感じといえますね。
6.無気力で消耗した状態からの回復方法
最後に具体的な解決方法をご紹介します。
現在までに無気力状態が続き消耗しきっている人は先ずセルフイメージを上げる必要があります。
無気力状態で消耗した状態というのはセルフイメージが下がった状態です。(その自分を見続けているからです)
多くの場合、無気力な自分を責めたりして自己イメージを極端に下げてしまっている人が多いです。
でもそうではなく、過去の間違ったゴールのため、そしてその解決方法を知らなかっただけだったということをしっかり認識する必要があります。
セルフイメージをコントロールするためにはセルフトークを徹底的にコントロールする必要があります。
セルフトークとは心の声のことで私たちは1日に約6万回のセルフトークをしています。
何か失敗した時に『あ〜、またやってしまった・・・、ダメだなぁ私・・・』と思うと、それが降り積もって本当にミスを連発するセルフイメージが出来上がってしまいます。
このセルフトークのコントロールは極めて効果が高いです。(ですが簡単過ぎるせいか、レクチャーしても続ける人が少ないように思います)
心の声も含め、ネガティブな言葉が一切ない世界を想像してみて下さい。(セルフトークをコントロールできれば可能です)
私は想像しただけでワクワクしますいし、もちろん日々実践しています。
とくに理由や根拠などは気にせず、唱えて下さい。
『とにかく自分は最高だ!』でもいいですし、行動できたこと、思いやりを持てたことなど、ポジティブなことや感情を意識に上げるということが大切です。
私たちの脳はポジティブなものが見えているときはネガティブなことは見えません。(どちらか一方です)
ルビンの壺のようなイメージですね。
それを意識して選択するということです。
とくに何かを成し遂げた人、成功者を自負している人はストイックになるあまり、自分に厳しすぎることが多いように感じます。(余裕がないともいえます)
心から望むゴールに対してストイックになるのは大いに結構ですが、日々の小さな喜びを無視したり、拾えなくなっているのはゴールの達成のみに囚われていることかも知れません。
本当のゴールが不安定な現状では尚更ですね。
自分のゴールに向かっている人を見たらエールを送りましょう!(心の中でもOKです)
もちろん自分にもです。
7.過去に設定した不本意なゴールを手放す
セルフイメージが回復したら、過去から続く不本意なゴール、それに付随する現状を意識に上げることから始めましょう。
無意識に必要だと思い込んでいるだけで、実はどうでもいいものは結構あります。
家にある物理的なものから人間関係、付き合い、習慣、仕事に対する信念、まで出来るだけ意識にあげて必要かどうかを考えます。
不必要であれば遠慮なく、どんどん手放して下さい。
何に対して必要かどうかを見極めるかというと、新しいゴールです。
ですが新しいゴール設定は現段階では難しいという人もいるかも知れません。
ここでのゴールとは『〇〇を達成する!』ということよりも、自分がどういう人で在りたいか、在り方や生き方で考えていって下さい。
過去から自由になった今の自分の在り方を徹底的にイメージして下さい。
そのための方法や手段などは見えていなくて大丈夫です。
重要性の順番を変える必要も出てくるかも知れません。
例えば仕事最優先と思い込んでいた人が無気力になった場合、そのゴール設定が間違っていたというケースがあります。(全てではないでしょうが)
その場合、家庭優先で働く自分をイメージして下さい。(仮にです)
もし、しっくりくればその自分が大切にしているもの、自分が持っていたら相応しくないものを意識に上げ、手放したり新たに手に入れたりして自然体でいることが自分を再構築していくイメージです。
一気に変わろうとする必要はありません。
一つずつ吟味して、新しい自分になる感覚を楽しんでみて下さい。
まとめ
深刻な無気力の原因は他人の人生を生きてる証拠〜今すぐ出来る解決策
- 深刻な無気力状態の克服には”不本意なゴール”手放すこと
- 勝手にセットされていた目的地設定が他者から刷り込まれたゴール
- 上司、友人などあなたと親しい人から無意識に受け入れてしまった”刷り込み”を意識に上げる
- 自分でゴールを立てることで現状を離れ、刷り込みが意識できる
- 行きたくないゴールに向かうしかないという思い込みが無気力の原因
- 過去のゴールから完全に自由になる
- 心から望むゴールに向かう最高の自分が日々起こす小さな変化をひたすら褒める
- 自由になっていく自分から現状の自分を俯瞰して、さらに刷り込みから自由になる
- 楽しみながらゴールを更新していく
参考になれば幸いです。