こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
突然ですが、あなたは幸せになりたいと思っていますか?
私もですが、もちろん多くの人が『はい!』と答えるのではないでしょうか?
ですが、『全ての悩みが消え、嫌なことが一切ない、経済的自由を手に入れて、やりたいことだらけの生活を本気で手にしたいですか?』と聞かれたら、一瞬躊躇しないでしょうか?
私はコーチングの活動を通して多くの人を見てきて思うのが、『とりあえず今より良くなれば・・・』と考えている人が多くいらっしゃる一方で、自分が最高に幸せな状態をイメージできている人は少ないと感じています。
はっきり言ってしまえば、自分が幸せを感じる状態がよく分からない為に、自分で何とかしたい、さらに幸せになりたいというよりは、誰か、何かのきっかけで事態が良くなることを望んでいるように感じてしまいます。
思いっきり幸せになることを望んでいいはずなのに自らブレーキを踏んでいるように感じてしまう人がたくさんいらっしゃいます。(過去の私もブレーキを踏んで頑張っていたと自覚しています)
本文で詳しく解説していますが、これは私たちの生体に備わった機能によるものですから、それで当たり前なのです。
この記事では『幸せ恐怖症とは何か? セルフイメージから見る克服方法』を明らかにし、能動的に現状を好転させる方法を解説して行きます。
1.幸せ恐怖症とは何か
幸せ恐怖症とは何でしょうか?
その前に恐怖症とは、
恐怖症(きょうふしょう、英:phobia)は、特定のある一つのものに対して、心理学的および生理学的に異常な恐怖を感じる症状である。
wikipediaより。
とあります。
つまり”幸せ恐怖症”とは『幸せ、幸せな状態に対して心理学的および生理学的に異常な恐怖を感じる症状』ということになります。
自分が幸せになることに対して恐怖を感じてしまう、すなわち無意識が強烈に抵抗してしまう状態といえます。
多くの恐怖症がそうであるように、震え上がる状態(無意識レベルの抵抗がある状態)では私たちはその先に進むことが極めて難しくなります。
幸せ恐怖症の場合、幸せになることが難しくなるということです。
2.幸せ恐怖症の原因とは
では私たちが幸せ恐怖症になる原因とはどのようなものでしょうか?
現代の先進国、とりわけ日本で育った人であれば幸せになること、幸せな状態であることは素晴らしいことだと知っています。
しかし知識として知っていても、その状態を心地良いと思わなければ、もしくはどのようなものかを実感できていなければ無意識が抵抗するケースがあります。
私たちはそれぞれに居心地のいい空間を作って生活しています。
家や会社、行きつけのカフェ、飲み屋など物理的な空間もそうですが、例えば年収や生活水準、仕事内容、趣味、考え方など居心地のいいグループに身を置いていると思います。
そういった関係性(情報的な繋がり)も含めて居心地のいい空間(コンフォートゾーン)の中で生活しています。
このコンフォートゾーンは居心地のいい空間といえますが、慣れ親しんだ空間といったほうが適切です。
例えば女性の場合、自分の結婚相手が、嫌いなはずの父親とそっくりだったという話はいろいろなところで聞くのではないかと思います。
その理由は、意識では父親のことが好きではないと思っていたり、口に出したりしていたとしても実際はそのような人と同じ空間を共有していると居心地がいいのです。
まさに慣れ親しんだ空間というわけですね。
ですからパートナーに対して、『あれ、この人お父さんとそっくり・・・』と感じてしまったり、周りの人から指摘されることになります。(私の友人にもいます)
これらは何の問題もありません。むしろ微笑ましいですよね?
問題になりやすいのは、このコンフォートゾーンが幸せではない状態になっている場合です。
言い争いやケンカが絶えない家庭で育った場合、その状態が居心地よくなってしまうことがあります。
もちろん本人は当時苦しんでいたでしょうし、幸せな状態の方が良いとわかっているのです。
しかし実際は言い争いやケンカが絶えない状況の方が居心地がいいと感じてしまっているケースがあるのです。
このようなコンフォートゾーンが出来上がっている人が幸せな状態になったり、もうじき幸せになるということが分かった時点で無意識が強烈に抵抗することがあります。
あえてチャンスを棒に振るようなことを反射的にしてしまったり、急に体調を崩して大事な日に寝込む羽目になってしまったりします。
これらは慣れ親しんでいるコンフォートゾーンから出ようとした時に起こる当たり前の現象です。
3.幸せ恐怖症だと感じた時の対策とは
では自分が幸せ恐怖症ではないかと感じた時にはどのような対策をとればいいのでしょうか?
それは先ず第一に、これは私たちの生体が持っている当たり前の反応なんだということを知るということです。
このことを知らないと余計な心配や辛い思いをすることになってしまいます。
例えば私のクライアントさんで私のコーチングを受ける際、一時的に体調を崩される人が結構いらっしゃいます。
その方々は自ら新たな一歩を踏み出して自分を変えよう、新たなステージに行こうとして私に連絡をくれた人たちです。
にもかかわらず、コーチングセッションの前日や直前に体調を崩し、『少し遅れます。いいですか?』という連絡をよくいただきます。
私は『もちろん大丈夫ですよ!いい感じですね!!』とお伝えしています。
初めての人は私の言葉に驚かれるのですが、どう考えてもいい感じなのです。
コーチングは現状の外側、つまり今の自分では叶わない、想像も出来ないようなゴールを設定して、それを達成してしまう技術であり方法論です。
しかも1回のセッションでかなりの変化を体感していただけます。(基本は6ヶ月6回のプランです)
ですからコーチングの情報を持っている人ですと、そのインパクトを分かっているわけです。
『コーチングを受けると現状が大きく揺らいでしまうぞ・・・』ということを無意識が感知して体調不良を引き起こしたり、事故を起こしたりしてコンフォートゾーンの外に出ようとする変化を全力で阻止しようと働くのです。
そのような無意識の抵抗を強く感じた人の方が変化は大きいように感じます。
初めて何かに挑戦するときなどは多くの人が、このような無意識の抵抗を経験しているのではないでしょうか?
私は人生で初めてのデートに行く前日に帯状疱疹になってしまい大変な思いをした記憶があります。
私の無意識はよほど一人が好きだったのでしょう。その後も彼女ができるきっかけに対して強烈に抵抗していました。笑
当時はコーチング理論なんて知りませんが、若さと行動量で無意識をねじ伏せました。
ここで重要なのは”幸せ恐怖症だけが特別ではない”ということです。
新しい挑戦、慣れない環境に飛び出して行く際は、程度の差はあるでしょうが全員感じていることです。
そしてどんなポジティブなことに対しても起こります。
無意識の抵抗を感じたら、決して自分を責めたりせずに『よしよし、無意識が抵抗するくらいのことをしている私はすごいぞ!』『新しいステージに行こうとしてる私は最高だ!!』と自分を褒めてください。
冗談ではなく、本当にいい感じなのです。
4.多くを望んではいけないという日本的洗脳
幸せ恐怖症の原因は無意識の抵抗によるものでした。
その無意識の抵抗は幸せではない状態がコンフォートゾーン(慣れ親しんだ状態)になっているためだとお伝えしました。
そのほかに私たちが注意しなければいけないのは、他者から受け入れてしまった習慣や思考の癖があります。
例えば、
- 多くを望んではいけない
- 謙虚な方が素晴らしい
- 欲張ることはみっともない
- 何かを得れば何かを失う
などについてどう思われますか?
もちろん日本で生活する上で心得ていた方がいいこともあるでしょう。(当然場面によりますが)
ですが、これらが当たり前だと思っていると(無意識の深い部分に刷り込まれたままだと)自分がこれ以上ないような幸せを感じた時に急ブレーキを踏んでしまう可能性が高いです。
- こんなに幸せになっていいのだろうか?
- こんなに多くの幸せを手にしていいのだろうか?
- 欲張っていると神様に思われて、バチが当たらないだろうか?
- 他人から妬まれたり、恨まれたりしないだろうか?
このような考えが浮かんでくるということは日本的な洗脳を受け入れている可能性が高いですので無視して大丈夫です。
具体的にどうすればいいかと言いますと、これに関しても意識に上げるということが重要です。
さらに、その刷り込みはどこから来たものなのか?誰から聞いたものなのかを知ることで完全にコントロール出来るようになります。
何故ならそのほとんどに何の根拠もないからです。
『日本は特に出る杭は打たれる社会だから気をつけようね。』ということなのです。
ちなみに現状を大きく超えて幸せを感じるコーチング的ゴール設定は確実に出る杭になります。
ですからゴールは他言無用なのです。
5.セルフイメージを変える目標の立て方
私たちは学校や職場で節目節目に目標を立てて来たと思います。
その目標の多くが、”現状の最適化”です。(現状の中で行います)
現状の最適化とはどういうことでしょうか?
1981年にアメリカのジョージ・ドーラン博士が提唱した「the S.M.A.R.T way」という目標設定によりますと、
Specific:具体的に
Measurable:定量的に
Attainable:達成可能な範囲で
Realistic :現実的に
Time-bound:〆切を意識して
これらに注意して設定します。
つまり無駄をなくして、大きな変革をすることなく生産性を上げる方法ということです。
まさに私たちが馴染みのある目標設定だと思います。
しかし人生においての目標、夢を設定する場合、この目標設定では致命的な欠陥があります。
それは現状の延長線上に夢、目標を設定してしまうことです。(これは絶対NGです)
つまり『自分は〇〇だから・・・』というセルフイメージを踏まえて目標を設定してはいけないということです。
重要なのは現状のセルフイメージを無視して、ゴール(夢、目標)を設定しましょうということです。
何故ならセルフイメージはどこで形成されるかというと、私たちが1日に6万回繰り返しているというセルフトーク(心の声)によって作られます。
ではセルフトークはどこから来ているのかというと過去の経験や他者から言われた言葉、受け入れた言葉からです。
例えば過去に『あなたは落ち着きのない子ね。』と言われて、その言葉を受け入れてしまった場合、本当に落ち着きのない人になってしまいます。
たとえ、その人が何気無く言った一言だったとしてもです。
一度受け入れると『自分は落ち着きのない人間だ』というセルフトークを繰り返し、『自分は本当に落ち着きのない人間』というセルフイメージが形成されます。
ですから、今のあなたの『自分は〇〇だ。』というセルフイメージは多くは他者の言葉から来ている可能性が高いということです。(しかも根拠など何も無いのです)
そしてどんな言葉を受け入れるか、自分のセルフトークをコントロールすれば、セルフイメージは理想通りに作り上げることが可能ということです。
私たちはネガティブなこととポジティブなことを同時に見ることはできません。
それは感情においても同じです。
ポジティブなことばかり意識に上がっている人はネガティブなことは見えないのです。
ですから、さらにポジティブになっていきます。
はじめは意識して徹底的に行うことが重要です。
参考記事
6.幸せ恐怖症の克服方法
幸せ恐怖症の克服方法はとてもシンプルです。
- 幸せ恐怖症に限らず、ポジティブな変化に対しても無意識の抵抗が生じる
- 幸せのチャンスを避けるような反応をしても自分を責めない
- ただの生体の反応だと理解する
- 体調不良などの症状が出たら、良い変化への前兆だと理解する
- 『よしよし、無意識が抵抗するくらいのことをしている私はすごいぞ!』と自分を褒める
- 刷り込みはどこから来たものなのか?誰から聞いたものなのかを知ることで完全にコントロール可能
- 『自分は〇〇だから・・・』というセルフイメージを踏まえて目標を設定してはいけない
などですね。
自分の幸せ恐怖症がどのような感情から来ているのかを知ることは重要です。
ですがそれ以上に重要なのはどのような自分(セルフイメージ)で在りたいのかということです。(セルフイメージは自由に作ることができるとお伝えしました)
どのようなセルフイメージでいたいのかはゴール設定することで自ずと決まってきます。
例えば幸せな恋愛に対してブレーキをかけてしまう人であれば、理想の人と恋人として、友人として尊敬しあえるような人になるというゴールを設定し、そのように振る舞えばいいわけです。
ゴールから逆算してセルフイメージを作り上げていきます。
このように自分のゴールから逆算したセルフイメージが出来上がってしまうと、その通り振る舞えるようになります。
自然な形で周りの人に感謝を伝え、褒められた言葉は素直に受け取り、自分の気持ちに正直でいることが当たり前になります。
当然といえば当然ですよね?
”根拠のない過去からの縛り”つまり、『あなたって〇〇よね!』という、今まで受け入れていた他人の評価から自由になり、自分の理想的な未来(ゴール)に基づいたセルフイメージで生活しているのですから。
幸せ恐怖症の克服に留まらない自分らしい生き方、お試しいただけたらと思います。