こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
この記事では『子どもの自己肯定感を高めるために親がしてあげられる11のこと』というテーマで具体的なケースを交えながら解説していきます。
子育てをしているクライアントさんから『親の自己肯定感は子どもに引き継がれますか?』『子どもの自己肯定感を高めるには何をしたらいいでしょうか?』という質問をよく受けます。
自分の自己肯定感が低いと思っている人は、それが子どもに引き継がれるのかどうかは気掛かりなところかと思います。
結論から言えば親の自己肯定感は子どもに大いに影響を与えます。
これは自己肯定感そのものが遺伝するということではありません。
ですが、親子なのでDNA的に認知特性や気質が似ているために性格が似るのと同じ理由で自己肯定も似てきます。(くよくよ悩む、自己否定気味など)
また私たちの無意識の行動や反応、例えば
- 朝ご飯は何を食べるか(パン・和食・コーヒー・紅茶など)
- 『ヤバい…』と思った時の反応(萎縮するのかワクワクするのか)
- 口癖がポジティブかネガティブか(心の声も含む)
などは70%以上は親のコピーだと言われています。
つまり親密で立場が上、そしていつも同じ”場”を共有している人の影響力は相当強力ということですね。
ですが安心してください。
自己肯定感は習慣と環境を整えること、そして正しい知識を持ってアプローチすることで年齢に関係なく高めることができます。
さらに言えば自己肯定感が高まる環境を大人が作っていれば子どもの自己肯定感は勝手に上がります。
生まれ育った環境が自己肯定感を高め合うような”場”であれば最高ですね。
もし現状で自分の自己肯定感が低いと思っている親御さんであっても今日から実践できる方法をケースごとにご紹介しますので参考にしてみてください。
動画でサクッと学びたい方はこちらをどうぞ⇩
- 1 1.自己肯定感とは何か?
- 2 2.子どもの自己肯定感を高めるために必要な11のこと
- 2.1 2-1.絶対的に守られている安心感
- 2.2 2-2.自分には理解者がいるという安心感
- 2.3 2-3.認められている、頼りにされているという意識を持たせる
- 2.4 2-4.親が自分自身を認める、大切にしているから子どもに伝わる
- 2.5 2-5.子どもの意見や気持ちを否定しない
- 2.6 2-6.今、親の自己肯定感が低くても大丈夫な理由
- 2.7 2-7.自己肯定感を下げない叱り方をマスターする
- 2.8 2-8.解決しなくても同じ目線で聴いてあげるだけでいい
- 2.9 2-9.親のエゴは必ず子どもに伝わるという事実を知ろう
- 2.10 2-10.成功は一緒に喜び、失敗にはフォローと気持ちの切り替え方を教える
- 2.11 2-11.子どもに伝わる情報を把握しておく
- 3 まとめ〜どうせ全部伝わるのだから〜
1.自己肯定感とは何か?
自己肯定感とは言葉のとおり自分を肯定する感覚のことです。
- 自分は価値のある存在だ
- 自分はすごいと信じている
- 自分は大切にされるに相応しい
これらの感覚や思い(感情)が自分の中に持てていると自己肯定感が高いといえます。
この言葉を読んで『そうだな』としっくりくる人もいるでしょうし、自信たっぷりな感じに『なんか違和感があるな…』と感じる人もいるかと思います。
1-1.自己肯定感はどこで作られる?
先に結論を言うと、自己肯定感は親(もっとも影響を受けた大人)から受け取ります。
正確には親が作る家庭という”場”を共有することで受け取るのです。
先述したとおり自己肯定感は感覚です。
感覚なのでそれ自体を教えたり伝えたりするものではなく、親の言動と振る舞いによって子どもに伝えられる情報といえます。
親が子どもに対して
- 君は何より価値のある存在だ
- 君はすごいんだよ
- 君はみんなから大切にされるに相応しい人物だ
と確信を持って接することで子どもに自己肯定感が芽生えるのです。
1-2.自己肯定感が高い人と低い人の違い
私はセミナーやコーチングセッションで『自己肯定感とは心の基礎体力のようなイメージです』とお伝えしています。
自己肯定感が高いと
- 新しいことにチャレンジできる
- 初対面の人にも自分を主張できる
- 今できないことでも成功を目指して続けられる
- 大きなチャンスに自然に手を伸ばすことができる
- 周りの人を自分と同じように大切にできる
など、かなりいい感じです。
所謂成功する可能性も高まりますし、なにより自由に生きる上でもかなり有利ですよね。
一方で自己肯定感が低いと
- 新しいことや環境の変化を避けようとする
- 慣れ親しんだ人の前でないと自分を出せない
- できないと思うとやる気がなくなり、すぐにやめてしまう
- 大きなチャンスやキッカケを他者に譲ってしまう
- 好きな人を大切にして自分をないがしろにしてしまう
など自分を制限しているように感じると思います。
もちろんこれらの特徴は個性ともいえますし、その人の魅力にもなり得ます。
社交的か内向的かという性格的な部分も関係してくるので良し悪しではありません。
ですが、内向的な人であっても必要な場面では自分を信じてチャレンジできた方がより自由に生きることができますよね。
とくに子どもの人生を考えるとそのように思うのではないでしょうか。
【参考記事】
>>自己肯定感を高める方法をプロコーチが完全解説|今どんな状況でも自己肯定感は高められる
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸(@coach_nakahara)です!この記事では自己肯定感が低いと悩んでいる人がどのようにして高い自己肯定感を獲得して行くのかを科学的なコーチングの視点から具体的に解説します。[…]
2.子どもの自己肯定感を高めるために必要な11のこと
ここからは自己肯定感を高めるために必要なアプローチ方法やマインドセットをご紹介します。
私たちが言語(母国語)を自然に習得したように高い自己肯定感を習得するためには”それが当たり前の環境”を整えることです。
その上で実践的な声かけや関わり方などをご紹介します。
ご自身のシチュエーションなどイメージして、使えそうなものから参考にして試してみてください。
2-1.絶対的に守られている安心感
自己肯定感のベースになるのは安心感といえます。
- 自分は存在していいんだ
- 自分は居るだけでいいんだ
- 自分は守られているんだ
- 自分は大切にされているんだ
これらを実感できる環境によって安心感が生まれ、自己肯定感が芽生えます。
環境というのは物理的な家庭環境はもちろん、良好な親子関係などの情報的な家庭環境も含みます。
一言でいえば『無条件に自分に向き合って愛情を注いでくれる存在によって、子どもは自分の存在を認め、安心し、自己肯定感が生まれる』ということですね。
安心することによって、外の世界(幼児なら公園や保育園など家庭外の世界)に興味を持ち、まさに自分の世界を広げて行きます。
逆に不安が強いと世界を広げることをためらいます。
現状でさえ不安でストレスが掛かっているのに、よくわからない(見えない)不安な外の世界へ出ていくことはなおさら拒絶します。
子どもの年齢によって関わり方は異なりますが、
- 自分は存在していいんだ
- 自分は居るだけでいいんだ
- 自分は守られているんだ
- 自分は大切にされているんだ
と、子どもが確信できれば安心感、自己肯定感は高まり成功といえます。
これ以降で具体的なシチュエーション、事例をもとに解説していきます。
【参考記事】
>>あなたが今すぐ自己肯定感を高めるべき27の理由
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です! この記事では『自己肯定感を今すぐ上げるべき理由』を27個ご紹介します。(実際はもっとたくさんあります)自己肯定感とい[…]
2-2.自分には理解者がいるという安心感
『自分にはどんなことでも相談できる人がいる』というのは大人でも心強いですし、大きな安心感を得られます。
先述したとおり、この安心感があることで『自分なら大丈夫!』という確信が生まれます。
その確信によって外の世界、新しいチャレンジのモチベーションが生まれます。
子ども自身が
- 自分は理解されている
- わかってくれている
- いつもちゃんと見ていてくれる
- (お父さんお母さんは)絶対味方でいてくれる
- 自分を認めてくれている
と、思えていることが何より重要です。
注意点としては”親が思っているだけでは不十分”ということです。
その絶対的な理解者に親がなって、継続的に子ども自身がそう思えている必要があります。
では絶対的な理解者として子どもに安心感を与えるためにはどうすればいいのかというと、裏切るようなことをしないということです。
そのためにはいつも意識したい重要な視点があります。
それは『いつも自分の子どもを中心に観て考える』ということです。
もちろん多くの親御さんは『いやいや、子どもを裏切るようなことはしないし、子どものことを一番に考えています』とおっしゃいます。
それはそのとおりだと思います。
ですが、私たちはきっかけや状況によっては子ども中心ではなく、その逆をやってしまいます。
どういうことかというと、周りを基準に自分の子どもを見てしまうのです。
- クラスの中でこの子は…
- グループの中でこの子は…
- この年齢の平均に対してうちの子は…
- 〇〇が遅れ気味ではないだろうか…
という視点になることってありませんか?
私もときどきあって反省することがあります。(理論を知っていても間違えます)
でも、このような”周りと子どもの比較”は脳が無意識で(半自動で)行うことなので私たちが悪いわけではありません。
ただ、このような視点になると子どもは敏感に感じとります。
というより私たち大人も嫌ですよね。
- お隣さんが新車に買い替えた
- 同期がいち早く昇進した
- 〇〇さん家の子どもが△△のコンクールで優勝したらしい
など身近な人の上手くいった話を聞くだけで自動的に自分と比較していませんか。
繰り返しますが、これは脳の機能なのでこれ自体は悪いものではありません。(あなたに非はありません)
ですが自分に対して、また子どもに対しての言葉や振る舞いには注意する必要があります。
「隣の芝生は青く見える」的な情報に反射的に反応して言動や振る舞いがぶれていたら、その動揺(情報)は必ず子どもに共有されます。
安心感はもちろん、居心地の悪さやストレスを感じさせることになります。(もちろん本人も)
- じゃあウチも〇〇を…
- この子も負けないように…
- 〇〇の遅れを急いで挽回させないと…
これらはまさに周りを基準に子どもを見てしまっています。
そうではなく、周りの成功している情報は子どものゴールを刺激するために使いたいですね。
子ども自身が『ボクも(わたしも)やってみたい!!』といってからで十分です。
また遅れているところ、苦手なところを急かして練習や訓練させるのもNGです。
親たちが子どもの気持ちを置いて熱を上げても長期的に見ると上手くいくことはほぼないです。
外側から圧や熱量を掛けるのではなく、本人の内側から『やりたい』『できるようになりたい』を引き出すことが重要になります。
シンプルにいえば『できるようになった未来を見せて、その気にさせる』ということですね。
これは人を動かす本質であり、ゴール設定の本質でもあります。
【参考記事】
>>人生を変えるゴール設定の方法をプロコーチが具体的に徹底解説
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!この記事では脳科学的に正しいゴールの設定方法と実践を具体例を交えながら解説します。また”ゴール設定”と一般的な”目標設定”の違い、コーチ[…]
2-3.認められている、頼りにされているという意識を持たせる
子どもはお父さんお母さんを喜ばせたい、手伝って褒められたいという欲求や想いを持っています。
その想いを満たしてあげること、『ありがとう、助かったよ!』という言葉をかけることで自己肯定感が上がります。
『自分はできる』『自分はすごい』と思える体験を積み重ねることで確信していきます。
積極的に手伝ってもらって『ありがとう。上手になったね!』という言葉とともに同じ場を共有して親子で楽しむわけです。
ただ、正直なところ時間が無かったり、『一人でやった方が早いから』と思うことはよくあります。
ですが子どもの自己肯定感や自己評価を高める活動を一緒に楽しんでいると考えると少しの時間ロスは全然許せると思います。
また『今はまだ難しいかな…』と思うことでもやってみて、失敗させることも有効です。
『〇〇出来たからすごいね』というのは誰でも褒めやすいと思います。
ですが、子どもを褒めるときはそれだけでは足りないというか、もったいないのです。
失敗しても、思ったような結果が出なくても『〇〇に挑戦する姿勢がすごい』ということを教えるチャンスなのです。
この視点は親が持っていて伝えないと子どもが自然に学ぶのは難しいです。
結果は出なかったけど、部分的に上手く行ったところや『〇〇に挑戦した君がすごいんだよ』ということに注目させるわけです。
この視点を獲得して、それが当たり前になると『自分はできるやつだ!』という根拠のない自信が身につきます。
これは長期的なゴール達成に欠かせない結果が出ない中でもやり続ける力、暗闇の中を進む能力が育つということなのです。
2-4.親が自分自身を認める、大切にしているから子どもに伝わる
親が自分を認め、大切にしているところを見せることで、『それが当たり前なんだ』という認識を作ることがとても重要です。
まさに背中を見せるということですし、”言い聞かせる”だけでは何も伝えることがことができないということでもあります。
私たち親からすると”言うだけ”の方が簡単な気がします。
でもそれは大きな錯覚です。
多くの場合『何度言ってもわからない…』、『伝わらない…』ということになります。
また無理矢理に言うとおりに従わせたとしても、長いスパンで見れば思春期に関係が一気に拗れたり、言われないと自発的に行動できなくなります。
以前、新聞社の講座で子育てセミナーをしていたことがあります。
そこには『より良い子育てをしたい』、『子育ての中での問題を解決したい』というゴールを持った親御さんたちが来てくれました。
みなさん子どものことに関しては真剣で、まさに本気で学びに来てくださっていました。
私は子育て系のセミナーの冒頭で『今日は子どもさんより、自分自身を成長させるつもりで受講してくださいね』と毎回伝えています。
はじめは『ん??』という反応なのですが上記の理由をお話しすると納得してくれます。
素晴らしい知識や方法論を学んでも、それを実装していない人が言っても『あっ、そうなんだ…』で終わりです。
相手に伝わらないのはもちろん、相手を変えることなんてできません。
でも、その人(お父さんお母さん)が実装・実践して子どもが『あれ、なんか最近ママたち楽しそうだな…』と思ったら一気に共有されます。
親が自分を認める、そして子どもに提示するというのは
- 自分の気持ちを後回しにしない
- 楽しい・嬉しい・誇らしいなどポジティブな感情を分かち合う
- 嫌だったことも可能な限り伝える(親だからといって我慢しない)
- 子どもの前でも無邪気さを出していい
これらを意識して場の共有、時間の共有を楽しんでみることです。
これらを意識して体現する。(提示する)
さらにこれに子どもが意識を向けやすいように声かけを行うといいでしょう。
自分を大切にしている話に『僕もだよ』と子どもが共感してきたら大成功ですね。
2-5.子どもの意見や気持ちを否定しない
子育ての中で『ここでこんなこと言わないで!!(怒)』と思うことはよくあると思います。
もちろん”友だちを叩いた”など、その場ですぐ注意する必要があることも時にはあります。(友だちの親がそばに居たりすると)
しかし基本的にはすべて受け入れる覚悟が必要です。
大人の視点では”あり得ないようなことをした”シチュエーションでも、子どもの低い(限定的な)視点ではその子なりの正当性や必要性があったのではと推察されるからです。
どんな状況・状態でも『そうなんだね』『そう見えたんだね』と先ずは認めてあげること。
この”認める”というのは『それでいいよ!』と言っているわけではありません。
『そうなんだね』と自分のやったことを一緒に観てあげるということです。
その上で『なんでこれをやったの?』『これは良いこと?君らしいことかな?』と自分自身の振る舞いをジャッジする習慣を身につけたいのです。
- 『これってどう思う?』
- 『これをするのは〇〇ちゃんらしいかな?』
- 『君に相応しくないよね?』
- 『じゃあ謝ろうか』
気付きと成長を促し、子どもが理解するまで待ってあげることが大切です。
短絡的に怒るのは”今の子どものやったこと”に対して感情的なっているだけです。
周囲の目をはじめ、多くのバイアスがかかっている可能性があります。
そうではなく、気付きと成長を促し、本人の『自分らしくなかった』を待ってあげる。
”今の〇〇をやったこと”に限定して注意するのではなく、時間軸を持ってアプローチすることがポイントです。
とはいえ私たち親も人間ですから、このようにできないことや自分の心に余裕のない時も当然あります。
できる時だけで大丈夫です。
もし感情的になったら、その時は後で正直に謝るのが一番です。
『自分の子どもに頭をさげるのは…』という人もいるかもしれませんが親子関係も一つ視点を上げれば人間関係です。
人間は誰しもミスをするし、過ちを犯すものです。
開き直るより『ごめんね』と言い合えるほうがよほど健全な人間関係ですよね。
私も息子に『ごめん、さっきのはパパが悪かった。(自分らしくなかったよ)』とよく言っています。
これも『言い聞かすのではなく”自分の振る舞いを見せる”、”背中を見せる”』というところに繋がっています。
2-6.今、親の自己肯定感が低くても大丈夫な理由
親御さんが一番心配されているのは『子どもの自己肯定感は高めたい、でも今の自分は自己肯定感が低いのですが…』というところかと思います。
結論から言えば『今の自分の自己肯定感は低くても大丈夫。親子で(家庭で)一緒に高めていけばいい』ということです。
もちろん親の自己肯定感が高くて、それを家庭で共有して子どもに伝えることができればよりベターです。
では現状で自己肯定感が低い(と思っている人)はどうすればいいかというと、自己肯定感を高めている自分を見せればいいのです。
ポイントは楽しそうにやっている姿を見せることです。
親の楽しそうにしていることは子どもは勝手に真似しますよね。
子どもが勝手に真似をする対象に自分がなる。
それを楽しんで演じるということです。
ここでよくある質問が『でも実際はすでに自己肯定感が高いほうがいいんですよね?』というものです。
確かにそう思えるのですが、実はそうでもないのです。
親がすでに出来ていて、当たり前にやっていることより、うまく行かず苦労して『やっと出来たっぞー!』とはしゃいでいる方が子供は注目します。
それはその時の親のエネルギー感が強いからです。
強いエネルギーは周りを巻き込む力を持っています。
目を輝かせている人を見ると思わず魅入ってしまいます。
つまり、より大きな影響を与えられるということですね。
例えばの事例として
- なかなかうまく行かずイライラしてきた
- やっぱり自分には出来ないのかと落ち込む
- 『もうやめた』とぼやく
のようなケースがあったとします。
この部分を見ると自己肯定感の高さは感じません。
これを修正していきます。
- なかなかうまく行かずイライラしてきた
- 『困ったなぁ、全然ダメだなぁ…』と嬉しそうに言ってみる
- 『でもパパに出来ないはずはないからね』と強気に振る舞う
- 一度リスレッシュして明日やろう
- 『やっとできた!パパはすごい!!』と大げさに共有する
という感じにしていきます。
ポイントはそう思えなくても、出来ているかのように振る舞うということ。
この”自分を信じてやり通せる自分”を振る舞うこと、それを繰り返すことで自分の無意識に書き込まれ定着していきます。
もちろん相手(子ども)には言ったことよりやったことが伝わるので自己肯定感の高い自分を信じれているお父さんとして写ります。
繰り返しますが今の自分の自己肯定感は低くても大丈夫。
その今の自分を変える(高める)姿勢を見せていくということが子育ての本質だと考えます。
先ずオススメしたいワークはネガティブワードを一切禁止することです。
家庭内に否定語・悪口・皮肉・ため息がなくなっただけで場の変化を感じられるでしょう。
【参考記事】
>>セルフトークとは何か 〜マネジメントから例文まで実践的な使い方〜
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!『自分を変えたいのですが、何から始めたらいいですか?』という質問は頻繁にもらいます。私の答えはいつも『セルフトークを徹底的にコントロール[…]
2-7.自己肯定感を下げない叱り方をマスターする
子どもを否定してはいけないということを学ぶと叱ることが難しく感じてしまう時期があります。
叱り方、注意のしかたを含め声の掛け方のポイントはいくつもあります。
ここではもっとも基本的で重要な『子ども自身とその子がやったことを切り離す意識を持つ』ということを解説します。
それは『あなたは悪くない。でもあなたのやったこと、見方と考え方は間違っているかもしれないよ』を伝えるということです。
例えば大人であっても自分自身と自分の仕事の切り離しが出来ていない人がいます。
所謂ダメ出しを受けると自分を全否定されたかのように凹む人っていますよね。
もちろんその人の繊細さや特性などもあるかと思いますが、いずれにしても”自分自身と自分の仕事(やったこと)の切り離し”を徹底することで自己否定を回避することができます。
- ここはこれではダメですよ
- これでは意味が伝わらない
- これでは最低水準にも届いていない
アドバイスだと分かっていても言ってほしい言葉ではないですよね。
ただ、重要なのは自分と自分のやったことの切り離しができていないと思いっきり自己否定・人格否定のように捉えてしまうリスクが高いということです。
子どものコミニュティでは言葉の使い方が大人のように上手くありません。
オブラート無しのストレートな言葉が飛び交っていますから、相手に悪気がなくても言われた人の自己否定や落ち込むことにつながりやすいといえます。
ですから家庭の中で”自分と自分のやったことの切り離し”を親が伝えることが重要になってきます。
言うまでもありませんが『だからあなたはダメなのよ!』は最悪です。
- どうしてそうなったの?
- それは良くなかったね
- 今回したことはあなたらしくないよね
- この後どうしたらいいかな?
- じゃあ謝ろうか
という具合に子どものやったよくないことを一緒に観てあげることが大切です。
年齢によっては『悪いことをした』『叱られている』と思うと思考がストップしたり話を聞く余裕がなくなることもあります。
その時は無理やりさせるのではなくシンプルに謝らせて、後で一緒に観てあげましょう。
2-8.解決しなくても同じ目線で聴いてあげるだけでいい
子どもからの相談で
- 上手くいかなかったこと
- 失敗したこと
- 大変だったこと
- 辛かったこと
などを聞くとついつい解決に向けたアドバイスとしようとしてしまいます。
子どもの話に真剣に耳を傾けられる人ほど、気持ちの同調しますし早く解決させてあげたいと思ってしまうものです。
軽い感じで『じゃあ今度は〇〇してみたら』という程度のアドバイスはいいかもしれませんが、親が最終的な答えを出してあげる必要はありません。
なぜなら真剣に向き合って話を聞いてあげるだけで気持ちの整理がついて、心が軽くなるからです。
自分の気持ちを言葉にしたり、状況を説明する中で頭の中のモヤがとれて一人では解決しなかった問題の糸口が見えてくることはよくありますよね。
このような相手の言葉をただただ聴くことを傾聴といいます。
傾聴する際は聴く側がアドバイスしないことです。
何か言いたくなったり、もう少し詳しく聞きたいところがあっても口を挟まず話し終わる最後まで聴くことに徹するのです。
真剣に聞いてくれる人に話すことで子どもの視点が上がり、冷静に状況や自分を分析できてセルフヒーリングや自己解決が始まることを知っておくことが大切です。
これを知らないと『親として自分が解決してあげなければ…』と口を挟んだり感情的になったり、過剰なアドバイスをしてしまいます。
的確なアドバイスだったとしても『言ってることはわかるけどモヤモヤしたままなんだけど…』という心・気持ちが置き去りになってしまいます。
もちろん話終わった後で
- 君はどう思ったの?
- そうか
- そうだね
- どんな気持ちだった?
- 相手はどうかな?
- 今度はどうしたい?
- それは君らしいかな?
- 君らしくていいね!
など返してあげればいいでしょう。
2-9.親のエゴは必ず子どもに伝わるという事実を知ろう
子どもだけど人として対等に接することはとても大切です。
なぜなら子育てとは超長期的な関わりであり、20年にも及ぶ人間関係です。
私たち親も幼少期に親に言われたことはよく覚えているものです。
親の都合や子どものためではない躾やルールを強要していると親子関係の破綻につながることもあります。
先日あるクライアントさんがママ友の話をしてくれました。
要約すると
- 子どもには友だちを家に連れて来ない約束をしている
- 理由は自分たち家族のスペースに入ってきて欲しくないから
- また多くの時間で大人がいないこともあり、安全上の理由もある
- だからその子も友だちの家に上がってはいけない約束をしている
という内容です。
価値観や家のルールは人それぞれですし、大きな矛盾はないと思います。
その続きが
- ある日子どもと友だちが外で遊んでいたところお腹が痛くなる
- 友だちが『僕の家が近いからトイレ貸してあげるよ』と言ってくれた
- トイレを借りた
- その話をお母さんにしたところ激怒
- 約束を破った(友だちの家に上がった)ことを厳しく叱られた
というものです。
考え方は人それぞれですが、私はさすがに酷いなと思いました。
まずは親として自分の子どもに親切にしていれたことに対してその友だちに感謝すべきです。
また『困ったときに助けてくれる良いお友だちだね』と子どもと共有したいですね。
『同じようなことがあったらあなたも助けてあげてね』と言ってもいいように思います。
ですが実際は『上がらせてもらったらウチにも上がらせないといけない…』とグチっていたそうです。
エピソードだけをみるとたわいもないことなのですが、かなり親のエゴが入っていると言わざるを得ません。
素直な子どもほど親との約束を守ろうとします。
でも、その約束が自分のためではなく親の都合だということに気がついたら…
『自分のために言ってくれている』が嘘だったという衝撃はそれまでの関係性を変えるのに十分なインパクトを持ちます。
親子関係が壊れると子どものアイデンティティや自己肯定感にも大きく影響します。
これはつまり『この子はまだ小さいから…』と思って親の都合や子どものためではない躾やルールを強要すると、その時は上手く行っても長期的に見れば信頼関係の破綻につながる危険な関わり方といえます。
2-10.成功は一緒に喜び、失敗にはフォローと気持ちの切り替え方を教える
先述したとおり、子育ては20年にも及ぶ長期的な人間関係です。
期間が長いということは必然的にさまざまなことを親子で一緒に経験します。
良いことも悪いことも、成功も失敗に対しても対処していかなくてはいけませんよね。
そこで私たちは親としてのあり方を問われますし、子どもに示していく必要があります。
親の新しいチャレンジは見せられるものであれば共有すれば、それが見取り稽古になります。
上手くいったら一緒に喜んで共有し、上手くいかなかったら諦めない姿勢を見せることもできます。
また失敗に対してどんな言葉を使うのか?どういうフォローをするのかを見せることも重要な経験になります。
子ども自身も失敗はしますがそのままネガティブに捉えることが多いと思います。(気質・性格にもよりますが)
そこで親が自己肯定感の高い振る舞いを見せてあげるのです。
繰り返しになりますが、親自身が自信満々でなくても大丈夫です。
自分の理想とする『自己肯定感が高く、いつも可能性を信じている理想の自分』で振る舞えばいいのです。
子どもはもちろん、自分自身も変える強力な方法です。
2-11.子どもに伝わる情報を把握しておく
私の大好きな子育ての格言に『子どもは親の言うとおりにはならない、親のやっているようになる』という言葉があります。
プロコーチになったばかりの頃に教えてもらったのですが、現場での経験が増えていくたびに『本当にこれに尽きるな』といつも思います。
子どもにはもちろん、会社やチームでの大人への教育にもすべて当てはまります。
ということは親自身ができていないことをそれっぽく子どもに言ってもまったく伝わらないから意味がない。
むしろ思春期になって『自分でもできていないのにあんなこと言ってたな…、口だけじゃん…』となります。
やはりここは腹を括ってすべてを見せる覚悟を決める必要がありそうですね。
私たちは子どもに教育や指導の際、必要なことを一生懸命に伝えようとします。
特定の知識や技術を伝えるためにはその姿勢は大切です。
一方で場を共有している時点でほとんどの情報がダダ漏れということも意識しておく必要があります。
ひと月に一度会う程度なら誤魔化せるかもしれませんが毎日顔を合わせる相手にはお互いすべてお見通しなのです。
まとめ〜どうせ全部伝わるのだから〜
『子どものために何をしてあげるべきなのか?』という質問をたびたび受けます。
私の答えはいつも決まっていて『お父さんお母さんが日々起こったことを楽しむ、その姿を見せるしかないですよ』というものです。
上手くいったかどうか、成功したか、結果が出たかではなく姿勢を見せることが大切です。
先述したとおり、子どもはよく見ているし家庭内のことは何でも知っています。
それは私たちの自己肯定感も含めた情報が言動や振る舞いに思いっきり反映されているからです。
どうせ情報ダダ漏れで全部伝わってしまうなら、その情報を子どもにとって有益なものに変えていけばいいのです。
はじめは抵抗があるし、怖いと感じるかもしれませんが、ありのままを見せることです。
そのありのままの自分、自分のあり方を楽しみながら理想的なイメージに近づくようにアップデートしていけばいいのです。