こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原( @coach_nakahara)です!
この記事では『セルフイメージとは何か|人生の満足感を決める自己イメージを正しく理解する』というテーマでプロコーチの視点から解説していきます。
あなたは『セルフイメージによって生活の質が変わる』と聞くとどう思いますか?
実際、自分に対してネガティブなイメージの強い人は不満を抱えていたり、イライラしている傾向が強いです。
一方、ポジティブなセルフイメージを持っていると新しいこと、楽しいことに敏感でアクティブな傾向が強いです。
この理由(違い)はシンプルで、
- 自分のことを肯定してくれる友だちと居るのは心地いいし、楽しいこと、やりたいことも自然に見つかる
- 自分のことを否定したり、欠点ばかり言う友だちとは楽しくないし、そもそも一緒に『やってみよう』と思えない
ということです。
これは他者へのイメージだけでなく、セルフイメージにおいてもまったく同じです。
セルフイメージを『ただの自分のイメージでしょ…』と、あなどってはいけません。
ずっと一緒にいる自分自身のイメージをポジティブに改善することで大袈裟ではなく、人生も変わります。
セルフイメージを正しく理解して、改善していくことで日々の生活はもちろん、新たなチャレンジの結果にもポジティブな影響を与えることができます。
動画でサクッと学びたい方はこちらをどうぞ⇩
1. セルフイメージとは
セルフイメージとは自分のイメージのことですが、その情報量はかなり大きく、一言で捉えにくいものでもあります。
1-1. セルフイメージの定義
セルフイメージとは、自分自身に対するイメージや考え方のことであり、自分自身に対する信念や評価も含まれます。
私のクライアントさんには『シンプルにこれまでの自分のイメージと捉えて、自分に向き合う中で詳細をつかんでいけばいいですよ』とお伝えしています。
自分に関する膨大な情報がイメージ化されているといったところでしょうか。
コーチングにおける自己認識や自己評価、自己肯定感もセルフイメージのフォルダに入っていると考えるのがおすすめです。
例えば、ある人は自分自身をポジティブに捉えているため、仕事でも自信を持って行動でき、成果を出すことができる。
一方で、自分自身をネガティブに捉えている人は、同じ状況でも過度に緊張して不安やストレスを感じ、成果を出しにくい場合があります。
これは私たちがセルフイメージに縛られているから起こります。
ですから、『自分は〇〇できない』といった否定的なイメージはリミッターになるので持つべきではありません。
反対に、自分自身に対してポジティブなイメージを持つことで、自己評価や自己肯定感を高めることにつながり、自信や成果を出すことができるようになります。
1-2. 自己肯定感との関係性
セルフイメージと自己肯定感の関係をよく聞かれます。
先述したとおり、自己肯定感はセルフイメージのフォルダの中に入っているイメージと言いましたが、両者は密接な関係にあります。
自己肯定感が高くなることでセルフイメージが向上し、逆にセルフイメージが高くなることで自己肯定感も向上することがわかっています。
自分を肯定的に見るか、否定的に見るかという認識は当然セルフイメージの形成に大きく影響しています。
そしてセルフイメージが高い人ほど現状の自分を肯定的に捉えることが容易にできます。
一方でセルフイメージが低いと、物事を否定的に捉える傾向が強くなります。
そしてそれは自分の考えや行動に対しても否定的になる傾向が強いです。
詳しくは後ほど解説しますが、セルフイメージも自己肯定感も自分の扱う言葉、セルフトークをコントロールすることで書き換えることができます。
【参考記事】
>>自己肯定感を高める方法をプロコーチが完全解説|今どんな状況でも自己肯定感は高められる
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸(@coach_nakahara)です!この記事では自己肯定感が低いと悩んでいる人がどのようにして高い自己肯定感を獲得して行くのかを科学的なコーチングの視点から具体的に解説します。[…]
2. セルフイメージの形成要因
セルフイメージはこれまでの人生の中での
- 情動記憶
- 受け入れた言葉
から作られます。
2-1. 過去の経験やトラウマ
過去の情動が大きく動いた体験はセルフイメージの形成に大きな影響を与えます。
例えば、
- 過去のつらいの経験やトラウマを持っている
- 大きな失敗をして繰り返し笑われた
- 大切な人に裏切られた
などの場合、その出来事が自己イメージや自己肯定感に悪影響を与えることがあります。
いじめや自分一人ではどうにもならない問題を抱え込む経験をした人はセルフイメージを大きく下げた可能性が高いです。
このようなセルフイメージを下げられる経験をした人は、大人になってからも自分に自信が持てなかったり、自分自身に厳しすぎたりすることがあります。
一方で、大変な経験でも『あの人の言葉に救われた』『〇〇のおかげで強くなれた』という体験は下がったセルフイメージを戻したり、より高いセルフイメージの獲得につながることもあります。
ポイントは”〇〇を経験した”という事実がセルフイメージに影響するのではなく、”〇〇の経験をどう受け取ったか”によるということです。
つまり『〇〇があったから』という客観的な事実ではなく、どう受け取ったかという主観によるということです。
同じ事実を体験をした二人のうち一人が『だから自分はダメなんだ、自分に価値はない…』というネガティブなセルフイメージを作ってしまった。
一方で、『冗談じゃない。こんなの馬鹿げている!』と跳ね除けることで『自分は逆境に強い!』というポジティブなセルフイメージを獲得できる人もいます。
このことから、主観だから過去のことであっても、その解釈を変えやすい、つまりセルフイメージの書き換えが容易といえるわけです。
ただ、注意しなければいけないのが過去の強烈な経験やトラウマは、その時だけでなく、現在も自己イメージや自己肯定感に悪影響を与え続けている場合があります。
『〇〇を思い出すだけで…』というセリフは過去の出来事をリアルに感じて今の自分に大きな影響を与えているということです。
『〇〇を思い出すだけで勇気や情熱が湧き上がってくる!』というのは歓迎です。
しかし、『〇〇を思い出すだけで未だに冷や汗をかく…』というのは問題があります。
セルフイメージ向上のためには、その過去を受け止め、乗り越えることが重要です。
過去に起こった事実は変えられませんが、その認識や解釈を変えることはできます。
2-2. 身近な人々からの影響
身近な人々からの影響は、自己評価や自己イメージに大きな影響を与えます。
というのも、私たちの無意識の行動の70%は親のコピーだといわれています。
- 朝はパンか和食か
- 褒められた時のリアクション(ありがとう or 謙遜)
- 自己主張するのか、控えめなのか
など、多くの部分で親から無意識に引き継いでいます。
周りからの承認や否定的なコメントが自己評価に反映され、自己イメージを形成することになります。
心理学の研究によると、身近な人々からのフィードバックが自己評価に大きな影響を与えることが示されています。
例えば、家族や友人からの肯定的な言葉や支持は、自己評価を高め、自己肯定、自己イメージを良くすることにつながります。
逆に、否定的なコメントや批判的な態度は、自己評価を下げ、自己イメージを悪化させることがあります。
ある人が、自分の夢を実現するために新しい挑戦を始めました。
しかし、周りの人々からは「それは無理だ」とか「やめた方がいい」「あなたのためを思って言っているのよ」と言われ続け、自分自身もそのように思うようになりました。
結果的に、その人は挑戦を諦めてしまいました。
このような経験をした人は自分の夢を諦めるだけでなく、
- 自分はチャレンジが続けられない
- 周りに流される
- 意志が弱い
などのセルフイメージを作ってしまった可能性が高いです。
このように、周りの人々からの影響は、自己イメージや自己評価に大きな影響を与えることがあります。
環境、とくに親しい人から受け取った言葉やコメントは、セルフイメージの形成に大きく関わります。
私たちが自分の意志で自由に生きるためには環境の影響力、言葉の影響力の大きさを理解しておく必要がありますね。
【参考記事】
>>ドリームキラーとは何か 〜家族や恋人が夢を否定してきた時の対処法〜
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!あなたにとって家族や恋人はどのような存在でしょうか?かけがえのない大切な存在ですよね?もし、あなたに挑戦したい夢や目標ができた時、一[…]
2-3. メディアや社会の影響
メディアや社会の影響は、セルフイメージ形成の重要な要因の1つです。
なぜなら大手メディアで発信される情報には権威性があり、基準になるからです。
実際にあるかどうかはともかく、多くの人があるように思っています。
そして多くの場合、その基準が正しいものかということは考えず、鵜呑みにしたり、盲目的に採用してしまっています。
私たちは、その基準を知ると無意識に自分と比較します。
例えば、自分の体型が太っているのか、痩せているのかというのは体脂肪率などの数値で知ることができます。
しかし流行に敏感な若い人たちにとっては数値よりも自分がリスペクトするモデルやタレント、ファッションのトレンドの方が重要な基準になります。
2018年に発表された日本女性の体型意識調査によると、女性の52.8%が自分の体型に不満を持っていると回答しています。
これは当時のメディアによって発信された、理想のスタイルや美しさなどの情報を受け入れ、無意識に自分と比べた結果、これらの要素を持たない人々は自己評価を下げた可能性があるということです。
このような影響力の強いメディア、多くの人に支持されたインフルエンサーの発信する情報には説得力があり、漠然とした”正しさ”を感じているといえます。
この基準や視点で自分を見ると、自分の足りない部分がより強調されて見えてしまいます。
セルフイメージとは、自分が認識する自分像ですから、自己評価と同じく個人的な視点による、個人的な認識と思いがちです。
しかし、どんな基準によって自分を認識するかによってまったく違う評価・認識になります。
ですから、自分の視点や基準に大きく影響するメディアや社会の影響は常に受けているという認識が大切です。
3.セルフイメージはどうやって定着するのか
繰り返しになりますが、セルフイメージが作られるのは過去の体験そのものではなく、受け入れた言葉によって、セルフイメージが作られるということです。
セルフイメージの定着に必要なのは
- 言葉
- イメージ
- 臨場感
の3つです。
3-1.具体的なエピソードでの定着
具体的な場面で考えてみましょう。
あなたは『大事な場面で失敗して、そこにいる全員から笑われた』とします。
自分のことだと思って想像してみて下さい。
中学生の頃、あなたは教室の前に出て、発表する場面でちょっとした言い間違いをしてしまいました。
それを聞いた教室の生徒全員が笑い始めます。
横を見ると先生も一緒になって笑っています。
あなたはそれ以降、何も言えずに足は2本の棒になって固まっています。
先生は笑いを堪えながら空気を変えようとしています。
あなたは顔を真っ赤にして、発表を切り上げ、逃げるように自分の席につきました。
あなたの後ろの席の友達が『ごめん笑っちゃった。練習では上手く行ってたのにね』と言ってきました。
はい。どうでしょうか。
割とありがちなシチュエーションだと思います。
この中にはセルフイメージの定着に必要な
- 言葉
- イメージ
- 臨場感
の3つがしっかり入っています。
まず、臨場感というのは冷や汗をかくような、時間がゆっくりに感じるような鬼気迫った感覚です。
この『ヤバい』とか『どうしよう…』という感覚の中で受け取る言葉、発表を失敗した自分のイメージがしっかりセルフイメージに書き込まれます。
- 発表できなかった自分
- みんなの前で顔を真っ赤にして、足が棒になっている自分
- 逃げ帰る自分
- 『練習では上手く行っていたのにね』言い換えると『本番はダメだったね』という言葉
これらがセルフイメージに追記されます。
実際どのようなセルフイメージができるかはその人がどのように受け取るかによるわけですが、一般的には
- 自分は人前に立つのが苦手(怖い)
- 本番で必ず失敗する自分
- 最後までやり通すことができない人
などでしょうか。
3-2.環境による定着
また、このような1回の強烈な体験以外にも環境によってセルフイメージに大きく影響を与えるケースもあります。
ここでの環境とは同じ体験が繰り返される場と思っておいて下さい。
とくに家庭環境の影響は大きなものです。
周りからの承認や否定的なコメントが自己評価に反映され、自己イメージを形成することになります。
例えば、家族や友人からの肯定的な言葉や支持は、自己評価を高め、自己肯定、自己イメージを良くすることにつながります。
根拠のない自信は未来の可能性を信じることに繋がるし、追い込まれた際の踏ん張りにも大きく関係します
逆に、否定的なコメントや批判的な態度は、自己評価を下げ、自己イメージを悪化さます。
ポジティブな言葉が飛び交い肯定し合う環境とネガティブな言葉しか聞こえなくて、足を引っ張り合う環境ではセルフイメージに雲泥の差が生まれます。
朱に交われば赤くなるといますが、自分の周りの人、環境、とくに飛び交う言葉の影響力は大きいので注意が必要です。
4.セルフイメージの大きすぎる影響力
セルフイメージが高い人は、
- 自己肯定出来ている
- 自分に自信を持っている
- ストレスに強く、踏ん張りが効く
- 自己実現しやすい
といった傾向があります。
ひとことで言って『いい感じ』ですよね。
自分なら大丈夫!と自分を信頼できている人はどんな環境でも高いパフォーマンスを発揮できます。
一方でセルフイメージが低いと自己評価が低く、マインドブロックや見えないリミッターに自分のパフォーマンスを低く抑えられている不本意な状態といえます。
『もっとできるはずなのに…』という思いを抱え続けるのは結構ストレスが溜まります。
また、『どうせ自分なんて…』と思っているとチャンスが来ても手を伸ばすことができません。
そればかりかチャンスそのものが見えなくなっている人も多いです。
その理由は自分に関係ない、必要ないと脳が判断すると、その情報は自動的にシャットアウトするからです。
自分の能力や実力ではなく、自己イメージに未来を制限されているとしたら、とても勿体無いですよね。
また人間関係においてもセルフイメージの影響力は大きなものです
ネガティブ思考の人はポジティブな人と、そもそも波長が合わないので結局ネガティブな人同士で集まることになります。
これは友人関係や恋愛において、大きな制約になります。
このようなことを持って生まれた気質や性格のせいだと思って諦めている人も多いですが、実は過去に受け入れてしまったネガティブなセルフイメージが原因ということも、とても多いです。
5. セルフイメージが低いと起こりうる問題
結論からいうと『セルフイメージは自己評価だけでなく、他者からの評価にも影響する』ということです。
どいういうことかというと、セルフイメージは共有されるということです。
セルフイメージというと、自分が認識している自分なので、『自分の心の中のことで、個人的なことだよね』と思っている人がほとんどだと思います。
ですが実際は
- 言動
- 振る舞い
- 物事に取り組む姿勢
- 相手との間合いや関わり方
など自分からのアウトプットすべてに関係しています。
『私なんて…』という思いの強い人、自分のことを後回しには
ということは、それらをお互いに見合って、共有するすべての人間関係に大きく影響していることになります。
意識していることだけでなく、無意識の振る舞いも相手や周りから評価されてると思うとなんだか少し怖いですよね。
実際、相手との関係性をよくしたいと思った時に、例えば言動など、部分的に意識して改善することは大切です。
ですが、無意識の振る舞いすべてを意識してコントロールすることは不可能です。
そもそも言葉より、お互いが無意識に感じ取っている情報の方がはるかに多く、その情報によって印象が決まってしまいます。
ですから、周りからの評価、待遇に不満があって改善したいと思ったら、セルフイメージを書き換えて、無意識の振る舞いまでまるっとアップデートするのがよりベターということです。
6.セルフイメージを書き換える5ステップ
ここからはセルフイメージを書き換える5ステップを具体的に解説します。
6-1.自分を変える前に自分を知ることがとても重要
セルフイメージを書き換えるということは自分を変えることと同じです。
自分を変えるということは現状でより多くの幸せや充実感を感じるため、また新しいチャレンジを成功させるためにはもっとも重要なファーストステップです。
しかし、その前に、そもそも自分を知っていますか?ということです。
『自分のことなら誰よりも分かっている』『分かっているから自信が持てないんだ…』という意見もあると思います。
ですが、それでも『私たちは自分のことをよく知らない』と断言したいと思います。
自信がない人、自己評価が低い人は『自分のダメなところは自分がよく分かっている』ということをおっしゃいます。
それは事実だと思います。
だからこそ、ダメだと思っているところの裏側には良いところがあり、現時点でそれは盲点となっています。
なぜなら自分のダメなところが見えていて、その裏側の良いところも同じように見えているとしたら自己評価が低いはずがないからです。
これは屁理屈ではなく、紛れもない事実です。
その証拠に自己肯定感が高く、セルフイメージも高い人の多くは自分の欠点が自分の魅力に隠れて気になっていません。
もちろん自分の欠点は知っていますし、理解しているはずです。
人間ですから欠点など探せばいくらでも見つかります。
欠点があるかどうかより、自分が自分の何を見るか?が重要です。
ということで自分を知るためのワークは
- 自分のために1日30分 自分に向き合う時間を作る
- A4ノート1ページを埋めるつもりで自分の思ったこと、感じていることを書き連ねる
- その際、他のことは一切しない
このワークではセルフトーク、心の声を筆記開示するものです。
はじめは『思っていることなんて…』と、やらない言い訳や無意識の抵抗を感じますが構わず続けてみてください。
食べたいものや、やってみたいことなど何でも構いません。
なんでもない事がきっかけとなって、思わぬ自分の本音が見えてくるのでオススメです。
まずは一日30分 ノート1ページを埋めるつもりで取り組んでみて下さい。
その際の意識してほしいポイントがあります。
それはあなたの一番大切な友人・恋人の相談を受けているつもりで、ただただ話や思いを聞いてあげるつもりで自分に向き合ってあげて下さい。
友人の相談に乗る際も、はじめのうちはお互いに緊張していたり、話し始めるまでに時間がかかったりします。
当たり前ですが、話し始めないからといって他のことを考えたり、スマホを取り出したりはしないですよね。
同じように、自分の心の声、本音に向き合う際も、そのことを考慮して、その30分は他のことは考えない心づもりで望んでください。
正しく自分に向き合い、自己理解が進むと、それだけでセルフイメージのマイナスは解消されて行きます。
6-2.自分の扱う言葉をマネジメントする
これは自分の心の声、セルフトークを書き換える方法です。
やり方はとてもシンプルです。
自分の発言、心の声からネガティブな言葉、否定的な言葉、嫌味や皮肉も含めて排除するものです。
例えば、
- 謙遜をやめて素直に『ありがとうございます』という
- 『いいですね!』など相手や自分を肯定する相槌を用意する
など、できるところから気軽に始めるのがコツです。
とはいえ、もちろん一足飛びにはできません。
ポジティブな言葉への言い換えが上手くできた時にはしっかり褒める。
うっかり否定的なことを言ったり、イメージした時には『これは自分らしくなかった』と取り消し、ポジティブな言葉、イメージに上書きすることが大切です。
ネガティブな自己イメージが強い人はそのイメージを直接書き換えようとするのではなく、自分の中に飛び交う言葉を適切に、確実に修正することを意識してみてください。
私たちは言葉を聞いた瞬間にイメージしてしまいます。
これは無意識であり、意識的に止めることはできません。
ですが、どんな言葉を使うか?はコントロールできます。
否定や中傷、制限や制約をイメージさせない言葉を普段から意識して使うことでセルフイメージを書き換える事ができます。
6-3.理想の自分を決めてしまう
ここでは理想の自分に書き換える方法をご紹介します。
1と2は今の自己イメージを適切に修正するための方法を紹介しました。
一方、これは理想の自分をセルフイメージに直接書き込む方法になります。
今回はアファメーションというシステムを使います。
アファメーションとは自分の理想のあり方を言葉で記述したものです。
つまり、理想の自分の台本ですね。
例えば、大切なプレゼンやデートに備えて、立ち振る舞いから使う言葉、話題まで詳細にイメージしたりしますよね。
大切な本番ほど下見やイメージトレーニングが欠かせません。
これと同様に
- 理想の自分を先に決める
- それを文章で簡潔に書く
- それを繰り返し読み上げ、イメトレを繰り返す
これによって理想の自分振る舞うことができます。
仕事のアファメーションの一例ですが、
『私は自分の仕事で世の中に自分しかできない機能を果たしていることに誇りと喜びを感じています』
というものがあります。
読むだけで、いい感じですよね。
この文章を意識して自分の中にインストールして行きます。
ポイントはリラックスして読む上げ、イメージすることです。
なぜリラックスが必要なのかというと、理想の自分とはまだ自分のイメージの中にしか存在していないからです。
つまり映画の世界と同じものと考えると分かりやすいかと思います。(実際、一つの臨場感世界という意味で同じです)
例えば映画館にある椅子が小学校の時に使っていたクッションの無い木の椅子だとしたらどうでしょうか?
お尻や背中が痛くなって映画のストーリーに入り込めないと思います。
同じように慢性的な疲労感を感じている、体に痛みがある、いつも悩んでいるなども映画の臨場感世界に入る障害になりますよね。
反対にしっかりリラックスできていて、深く体が緩んでいる状態というのは映画を見たり小説を読んだりするのにうってつけです。
同じようにアファメーションを唱えるにも最適な状態です。
ポイントは今私たちが生きている物理世界を離れて、自分の作った臨場感世界に深く入り込む感覚を持つということです。
【参考記事】
>>アファメーションとは何か?〜心理学から見た正しいやり方と具体例〜
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です! この記事では『アファメーションとは何か?〜心理学から見た正しいやり方と具体例〜』ついて脳科学を基にしたコーチングの視点で”作[…]
6-4.イメージトレーニングから現実世界で実践してみる
アファメーションは唱えてイメージして、いい気持ちになって終わりではありません。
むしろイメトレが終わってからが本番です。(当たり前ですね)
アファメーションというのは理想の自分のあり方を記述した文章です。
つまり、まだ頭の中にしかいない、新しい自分です。
この新しい理想の自分を今の自分に召喚します。
実際に台本どおりに理想の自分で振る舞ってみるといことですね。
- 仕事の中で
- 友人たちの前で
- 家庭の中で(子どもの前で)
など、複数のアファメーションを使い実践してみましょう。
そして、その日のフィードバックをとります。
新しい自分で振る舞えたこと。
今までの自分の癖が出たところなどできるだけ細かく振り返ります。
セルフイメージを変えるというと自分の心、頭の中のイメージ操作だけで変えることができると考える人もいますが、それはもったいない誤解です。
確かにポジティブな自分の側面を意識することで、自己評価が上がれば大きな一歩ですが、本当の書き換えは自分が行動して、それを脳が認識したときに起こります。
つまり自分の内側からの変化が言動や行動に現れることで、自分の脳が新しい自分を認識し、一気に書き換えが進むということです。
6-5.成功したところをとことん褒める
最後のステップ、”成功したところをとことん褒める”です。
フィードバックをとって1日を振り返る際のポイントは成功したことをとことん褒めることです。
上手く行ったことには積極的に感情・情動を載せることを意識します。
『よっし!さすが私だ!!』と声に出してもいいですし、ガッツポーズなども有効です。
反対に今までの自分が出てしまい、うまく行かなかったところは淡々と修正するようにしてください。
つまり情動を発火させないようにします。
これがセルフイメージを自由に書き込むコツです。
実際、セルフイメージの高い人はこのようにやっています。
一方でセルフイメージの低い人は上手く行ったこと、誉められたことをスルーして、失敗したことを何度も思い返して凹んでいます。
また、修正する際は言葉のチョイスが重要です。
『これは私らしくない、次は〇〇する』と淡々と言葉で書き換えます。
しっかり改善して、ポジティブなイメージで脳内リハーサルをして明日に備える。
これをルーティンにできれば最高ですね。
【参考記事】
>>セルフトークとは何か 〜マネジメントから例文まで実践的な使い方〜
こんにちは。プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!『自分を変えたいのですが、何から始めたらいいですか?』という質問は頻繁にもらいます。私の答えはいつも『セルフトークを徹底的にコントロール[…]
7.セルフイメージを変えるのになぜ行動が必要なのか?
ここではセルフイメージを変えるのになぜ行動が必要なのか?について解説します。
先ほども解説したとおり、脳がどのように自分を認識しているかというと、言葉ではなく行動を見ています。
どんなことでもいいので、あなたの中で自信が持てたという経験を思い出してみてください。
おそらく
- 〇〇ができた
- 〇〇をして、認められた
のどちらかだと思います。
〇〇できた、というのはまさに体現したということです。
〇〇をして認められたというのも体現して、その結果認められたということですよね。
自分の頭の中のイメージだけで『できた!』と思っても、〇〇ができた自分、と自信を持って言えるかというと微妙です。
でも、体現したり実際に表現できると確固たる自信を持てます。
これは脳が行動を重要視している証拠ですし、行動を通して『〇〇できる自分』という新たなセルフイメージを獲得したということです。
脳は身体に信号を送り、動かしているわけですが、同時に身体から入ってきた刺激、情報を脳が受け取り処理しています。
その身体を使って新しい自分を脳に提示するのですから強烈なセルフイメージの書き換えになります。
8.過去ではなく自分の望む未来を最優先に!
先述したとおり、セルフイメージは過去に受け入れた言葉や情動記憶によって作られた自分像です。
その自分像が今の自分、これからの自分の基準やリミッターとして働きます。
少しネガティブな言い方になりますが、これは過去に縛られているといえます。
しかもその過去は自分が好んで選択したものではなく、偶然の出来事や環境によるものです。
たまたま笑われた経験があるだけで、『自分は大勢の前で話せない』という制約を下手をすると一生受け続けるというのは馬鹿げています。
しかし、私たち人間は未来をイメージする能力を持っています。
この能力は人間にしかありません。
『〇〇をやってみたい』『〇〇になって新しいステージで活躍したい』とまだ見ぬ世界をを夢見ます。
ですが、多くの場合『でも、自分は〇〇なんてするキャラじゃないし…』と今のセルフイメージが邪魔をします。
そこで諦めたり、一瞬夢見たゴールを無かったことにするのか。
もしくは、今回の内容を参考にしながら『セルフイメージは主観でしかないから、正しい方法で今から変えてやろう』と考えるのかでその後の人生が大きく変わると思います。
過去のリアリティ、とくに辛かったことショックだったことは記憶に残り、その後の私たちの人生を縛ります。
ですが、同様に『とにかく〇〇がやりたいんだ!』『こんな自分で一生過ごすなんて冗談じゃない!』という思いが”今の自分を変えなければいけな必要性”となってセルフイメージの書き換えにつながります。
これは過去ではなく、自分で決めた未来に縛られるということです。
自分の望む未来を最優先に考え、自ら選択したということです。
慣れ親しんでいるという理由だけで過去の自分、これまでの自分でい続けることはもったいないですよね。
今の自分を数日で変える、そんな魔法はないですが、3ヶ月先の未来の自分を変えることは確実にできますから、参考にしてみてください。
まとめ
『セルフイメージとは何か|人生の満足感を決める自己イメージを正しく理解する』
セルフイメージを書き換える5ステップ
① 自分を変える前に自分を知ることがとても重要
- 自信がない人は『自分のダメなところは自分が一番よく分かっている』というのは錯覚
- ダメだと思っているところの裏側には良いところがあり、現時点でそれは盲点となっていることを知る必要がある
- セルフトークを書き出すワークで自分と向き合い、自己理解を深めよう
② 自分の扱う言葉をマネジメントする
- セルフトークがセルフイメージを作る
- ネガティブな自己イメージが強い人はそのイメージを直接書き換えようとしない
- 自分の中に飛び交う言葉を適切に、確実に修正することを意識する
③ 理想の自分を決めてしまう アファメーションで積極的に理想の自分に書き換える
- 理想の自分を先に決める
- それを文章で簡潔に書く
- それを繰り返し読み上げ、イメトレを繰り返す
④ イメージトレーニングから実践する
- まだ頭の中にしかいない、新しい自分を今の自分に召喚する
- 実際に台本どおりに理想の自分で振る舞ってみる。
・仕事の中で
・友人たちの前で
・家庭の中で(子どもの前で)
など、複数のアファメーションを使い実践してする - 頭の中のイメージ操作だけではなく、行動することで書き換えが進むことを知る
⑤ 成功したところをとことん褒める
- フィードバックをとって1日を振り返る
- ポイントは成功したことをとことん褒めること
- 上手く行ったことには積極的に感情を載せることを意識する
- 反対にうまく行かなかったところは淡々と修正する
- 新しい自分を、行動することで脳に提示する意識で5ステップのサイクルを回すと急速に書き換え、セルフイメージのアップデートが進むということでした
参考になれば幸いです。