『自分のことが嫌いで好きになれません』、『今の自分を受け入れられなくて悩んでいます』といった相談を度々受けます。
自分のことが好きになれない、でも今の自分を受け入れた方がいいのは分かっているし出来れば受け入れたいという悩みを抱えられている人は多いです。
この記事では『自分のことが嫌いでも無理なく今の自分を受け入れる方法』を最新のコーチングを通して解説していきます。
ポイントは自分のことが嫌いになってしまった理由と未来の自分を思い通り設定する方法を学ぶことです。
そうすることで驚くほど簡単に今の自分を好きになることが出来ます。
1.自分のことが嫌いな理由と原因
自分のことが嫌いな理由というのは様々です。
そして自分のどこが嫌いなのか?というのもそれぞれあると思います。
それが性格などの内面であったり、容姿など外見だったりします。
しかし共通しているのはそれらの特徴そのものではなく、それらによって過去に何らかのネガティブな体験をしたことによるということです。
- 大勢の前で笑われた
- イジメを受けた
- 執拗にからかわれた
- 周りと違うことを指摘された
これらの体験によって情動が大きく動き、ネガティブな記憶が出来てしまったためです。
これらのネガティブな情動記憶は私たちの自己イメージの形成に大きく影響します。
よく見られるパターンとして、
内面的、外見的な特徴を執拗にからかわれた体験
↓
ネガティブな情動記憶ができる
↓
周りと違う自分はダメなんだ(という認識)
↓(それがたった一度の体験でも)
セルフトーク(内省的な心の声)で繰り返す
↓
周りと違う自分はダメというセルフイメージが出来上がる
↓
セルフイメージが出来上がるとそれに相応しい言動や行動をとるようになる
↓
その行動や思考を自ら認識してさらにセルフイメージを下げる負のループを作る
これの怖いところはイジメのような継続性がなくても本人にとって情動を動かす強烈な体験であればネガティブなセルフトークが作られ、自己増殖してしまうところです。
余談ですが幼少期に酷いことを言われた人が大人になってその人に『あの時、あなたの言葉(もしくは態度)ですごく傷ついた・・・』『その後もあの時のことで自分に自信が持てずにいる』ということをカミングアウトしても相手は覚えていないことがほとんどです。(それが親であっても)
それは上記の理由によるものです。
2.今の自分はどこから来たのか?
では今の自分、今のあなたはどこから来たのでしょうか?
多くの人は『過去があって今がある』という認識をされていると思います。
すなわち『時間は過去から未来に向かって流れている』という認識ですね。
実はこの認識が今の自分を好きになれない、受け入れることができないと苦しむ根本的な原因になっています。
過去にあった事実は変わらない、過去は変えられない。
だから『過去の体験を通して出来上がった今の自分は変えられない』という思考認識です。
実は正しくはそうではありません。
2-1.過去の出来事より重要なのは”どう受け取ったか”
過去の体験があったかどうかではなく、受け入れたかどうか?どのように認識したか?によって今があるのです。
例えばあなたの家の今晩の夕食がカレーだったとしましょう。
その理由は前日に奥さんorお母さん(料理を作る人)がテレビの料理番組で美味しそうなカレーが映っていたからです。(客観的事実です)
もちろん作った本人も認めています。
でも違うのです。
もしこれが正しければ今晩は日本中のかなり多くの家でカレーが出て来ますよね。
テレビの影響力が強いのは事実ですが、そんなことはありえません。
では正しくはというと、「前日に奥さんorお母さん(料理を作る人)がテレビの料理番組で美味しそうなカレーが映っているのを観て『そうだ!明日はカレーにしよう!!』というゴールを設定したからです」
過去に起こった現象そのもので未来が決まるのではなく、その人が過去の現象をどのように認識して、どんな未来をイメージしたのかで今が出来ています。
ということは、今の自分(あなた)はどこから来たのか?というと過去の出来事ではなく、過去の出来事をどのように認識したか?といえます。
つまり『あなたって〇〇だよね』という言葉を受け入れたかどうかなのです。
しかし誤解しないでほしいのが『受け入れた人が悪い』『受け入れた人の自己責任だ』と言っているわけではありません。
詳しくは後述しますが過去の認識によって今が作られていることを認めるからこそ、再認識することで過去から自由になり、理想の未来を描くことで今の自分を変えることができるのです。
今のあなたがどんな人であれ、現状のあなたは過去のゴールの結果なのです。
3.自分のことが嫌いな人が苦しむ理由
私は今でこそプロコーチとしてマインド(脳と心)の使い方を教える仕事をしていますが、20代半ばまでは自己イメージも自尊心も相当に低かったです。
当然、自分自身に好感など持てるはずもなく、実際自分が嫌いでした。
ですが今はというと、かなり好意的に捉えています。
誤解を恐れずに言えば、結構好きです。
この大きな変化の理由はコーチングに出会い、使えるようになったこと。
そして過去も現在(現状)も未来も自分の認識とゴール設定で自由に変えられるということを心から確信できたからです。
3-1.時間の流れを正しく理解すると流動的な未来が見えてくる
そのために重要になってくるのが先に解説した時間の流れ、そして認識によって過去も未来も変えることができるという知識です。
自分のことを嫌いな人が苦しむのは今の自分がこの先もずっと変わらない、変えることができないと思い込んでいるからです。
これはあなたやあなたの周りの人がそのように認識しているからです。
そのような価値観、世界観の中で生きているからです。
これは新しい知識を学び、新しい世界観へ移行することで驚くほどシンプルに解決できます。
今一度まとめておきますと、
自分のことが嫌いで受け入れられなくて苦しむ理由
- 時間の流れを過去があって今があると認識している
- 過去のネガティブな出来事によって現在が作られているため過去は変えられない
- 変えられない過去をベースにしている現在の自分は変わらない存在だと認識している
- 好きではない自分、そこから大きく変われない自分を受け入れるのが苦痛
4.時間の流れを理解できると自由に未来を描きたくなる
自分のことが嫌いで、なかなか今の自分を受け入れられなくて辛いというのはほとんどの場合、過去に原因を求めています。
少し厳しい言い方をすれば『過去のせいにしている』のです。
ですが、誤解して欲しくないのが責めているわけではないということです。
『過去(あの時の経験)があるから今がある』という世界観の中で生きていればそのように考えてしまうのは当然ですし、自然なことです。
でもここで考えてほしいのですが、『違う考え方もあるのか・・・』、『もしかすると過去のせいにしていたかもしれないな』と思ってみてほしいのです。
完全に納得できなくても大丈夫、仮に・・・で構いません。
そうでないと『そんなはずはない!!』とかたくなに今の世界観以外を拒絶してしまうと正しい方法(科学的に自分を変える方法など)が目の前にあっても認識できなくなってしまいます。
必要でないもの、自分に相応しくないものは私たちは認識さえできません。
では原因を過去に求めない考え方、時間の流れというものはどういうものでしょうか?
それは『時間は未来から過去に流れる』というものです。
つまりあなたに向かってあらゆる無数の未来(可能性)が向かってきているイメージです。
その未来、つまり可能性やチャンスに気付いて、手を伸ばすことができれば未来が変わっていくというイメージですね。
そして今のあなたを通過すれば、それは一瞬で過去になるということですね。
ドクター苫米地は書籍の中で『自分が川の中にいて、川上(未来)から様々な未来が流れてくる』という例えで説明されています。
この世界観をとりあえずでいいので採用してみると、例えば『理想の自分になるために過去は関係ない』ということが分かります。
なぜなら過去が積み上がったところに現在のあなたがあるのではなく、どんな未来を選択するか、望むかでその後の未来(人生)が決まるからです。
とはいえ、過去が全く関係ない訳ではありません。
先に『過去にあった事ではなく、その出来事をどのように認識したかが重要』ということを述べました。
例えばネガティブで辛い体験をして『自分はダメなんだ・・・』という認識によってダメな自分という自己イメージが出来上がってしまうとします。
するとその人はダメな自分に相応しいものしか見えなくなってしまいます。
4-1.チャンスを見えなくするフィルターを外してみよう
過去のネガティブな体験によって歪んだ自己イメージが作られるとまさに”イメージ通り”に振る舞ってしまうのです。
少しチヤホヤされただけで逃げ出したくなるくらいの反応をする人、目の前にチャンスが来て周りも応援してくれているにも関わらず、かたくなに自分には無理だからと拒否してしまう人。
あなたの周りにもいませんか?
これらは過去の体験によってネガティブで歪んだセルフイメージを受け入れてしまったがゆえに未来にもネガティブな影響を与え続けています。
この”歪んだ自分らしさのフィルター”が機能しているとダメな自分に相応しい未来ばかり選択して過去のエピソードを恨んでしまいます。
『あんなことがあったから・・・』、『昔から自分は〇〇だから・・・』という感じですね。
でもこのフィルターを無効化、そして『何に対しても積極的に楽しむ自分』というフィルターに付け替えたらどうでしょうか?
それまで見えなかった楽しいことやワクワクする未来に変えるチャンスが見えるようになります。
逆にいうと『ダメな自分のフィルター』のままではそのチャンスに気付くことが出来ません。
なぜならダメな自分にワクワクな未来は必要ないからです。(無意識がフィルタリングします)
そのフィルターを無効化、そして正しい知識を持って未来を設定できればチャンスに気付き、ダイナミックに未来を変えることができます。
そんな新しい自分は結構魅力的だと思いませんか?
『そんな簡単に・・・』と思われるかもしれませんが、今の価値観や世界観はとりあえず置いておくことが重要です。
仮にでいいので、そのようにみなしてみて下さい。
5.今の自分を受け入れる方法
今の自分を受け入れる方法は驚くほどシンプルです。
それは嫌なもの、嫌な自分を受け入れるのではなく、理想的なもの、理想的な自分になってしまえばいいというものです。
もちろん過去、そして現状の自分がどうであるかは関係ありません。
重要なのは理想の未来の自分を設定して、その自分に相応しい未来(チャンスや可能性)を掴むことです。
正しい知識を学ぶことです。
この方法が素晴らしいのは『嫌いな自分から理想の自分になれたから嬉しい』のではなく、はじめの一歩を踏み出した瞬間から嬉しいということ。
デートや遠足のようなイメージで、目的地に着いたから楽しいのではなく、計画段階から嬉しいし楽しいのです。
5-1.ネガティブな心のフィルターを無効化する
今の自分を受け入れるためには心から自分に好意的になる必要があります。(諦めたり妥協する必要はありません)
つまり理想的な自分、理想的な自分に向かって変わっている自分です。
そのために必要なのは目的地の設定です。
理想的な自分というゴールですね。
しかし自分のことが好きになれないくらいセルフイメージが下がっていると『理想的な自分をゴール設定すれば変われますよ』という情報を無意識が拒絶します。
『そんなわけない!』『自分には無理だ!』といった具合にです。
ですから、まず必要なことは過去の情動記憶によって受け入れてしまったネガティブなフィルターを無効化することです。
無効化するために重要なことは意識に上げることです。
例えば、
- 私にはどうせ無理だから
- そういうキャラじゃないし・・・
- あの人と自分は違うから
- こういう性格だから・・・
あなたはこのようなやりとり、もしくは心の声で呟いていませんか?
もしこのような自分の可能性や行動、思考を制限するような言葉を発していたら、それはあなたの中に”〇〇な自分”というネガティブなイメージが出来上がっている可能性が高いです。
それは過去のネガティブな情動記憶からきている可能性が高いのです。
このような思考、行動、内省的な声(セルフトーク)を意識に上げることがポイントです。
『私ってそういえば結構ネガティブな反応が多いなぁ・・・』といった具合にです。
重要なのは感情的にならず淡々とやってみることです。(しんどくなったら無理する必要はありません)
自分の思考や行動を制限するようなネガティブなセルフイメージがあるとそれに相応しいセルフトークを繰り返してしまいます。
ではそのセルフイメージが作られたのはというと過去の情動記憶です。
繰り返しになりますが、情動記憶が作られた出来事そのものではなく、どのように捉えたか?受け入れたかどうかがポイントでした。
その解釈を変えてみましょう。
例えば、幼少期や思春期に大勢の前で発言した際みんなに笑われてしまって、それ以来積極的な発言が出来なくなってしまったケースです。
実は私自身もこれと同じ体験をして、まさに積極的な意見が言えない期間が10年以上ありました。
当時のことはそこまで鮮明に覚えてはいませんが、なぜ自分が今笑われているのか理解できずにキョトンとしていたことは記憶にあります。
その映像を今の自分の視点から客観的に観てみると、
- 間違ったことを言ったのかな?
- 声や立ち振る舞いが面白かったのだろうか?
- 今だったら笑えないだろうな
- そもそも誰かの発言をみんなで笑うなんて失礼じゃないか!
- 間違っていたのなら指摘して上げるべきじゃないか!
- まぁ、小さな世界での偏った笑いのツボにハマったんだな!w
という感じですね。
簡単ですよね?
すると当時の自分には情動が大きく動くショックな出来事だったけど、客観的な視点から観ると大したことではないことに気が付きます。
少なくともその後の自分の可能性に制限をかけるようなものでは到底ありません。
実際自分のミスで誰かに迷惑や損害を与えてしまった場合でも誠心誠意対応すればいいのです。
ここまで冷静に見えてくると過去の出来事を大きく受け取りすぎた結果、自分に掛かったネガティブなセルフイメージ、ネガティブなフィルターがバカバカしく思えてきませんか?
何となく、少しでもそう思えたら大成功です!
あとはそれを何度か繰り返し、自分は〇〇だという思い込みをどんどん揺るがせていきましょう。
5-2.過去ばかり観ていた自分に気付く
このワークを繰り返していくと、『自分は本当に過去に捉われていたんだなぁ』ということに気付きます。(当然ですが自分でやってみないと気付けません)
しかしそれはあなたに限ったことではなく、ほとんどの人が受け入れている価値観、世界観です。
そして今の自分は過去に捉われてもいないし、固定された自分でもないことが分かります。
なぜなら過去の出来事で”自分は〇〇だ”というネガティブな思い込みを『あっ、そうじゃないかも・・・』と楔を打ち込むことができたのですから。
これをコーチングでは現状が揺らいだと言っています。(一時的に不安定にさせたのです)
5-3.未来を観るためのゴール設定
自分はどうせ変われない。
こんな自分を受け入れるのは苦痛だ・・・、という思い込みに楔を打ち込んで『いや、そうでもないかも』と現状の自分を揺るがせたら次にすべきことは理想の自分の設定です。
コーチングではゴール設定といいます。
どこに設定するのか?
もちろん未来に設定します。
過去の情動を大きく動かす出来事でその人は”自分は〇〇だ”というネガティブなセルフイメージに捉われてしまいました。
それを別の言い方でいえば『自分はこれからずっと〇〇であり続ける』というゴールが設定されてしまったということです。
望んでもいない不都合なゴールが無意識的に設定されてしまったのです。
先述しましたが、過去のゴールの結果が今のあなたです。
今回はこれを未来の理想の自分のために能動的に設定します。
今の自分を変えようと思えば未来の自分を設定することです。
未来の理想の自分、すなわちゴールがあればゴールに相応しいものしか見えなくなるからです。
ゴール設定に関しては『ゴール設定の方法〜劇的な変化を体感するコーチングの基本〜』をご覧ください。
5-4.未来に向かって変化する自分を素直に認める
ゴール設定、コーチングの素晴らしいところはゴールを達成した瞬間だけでなく、はじめの一歩から楽しいということです。(決してポジティブシンキングではありませんよ)
過去から自由であることを学び、理想の自分と向き合い、自分のやりたいこと、すなわち人生と向き合うということです。
その変化は『理想の自分てどんな人だろう・・・』と思考し始めた瞬間から変化が始まります。
もちろん微細な変化ですが繰り返すことでそのスピードは雪だるま式に大きくなります。
過去ばかり見ていた人が未来に目を向けるのですから当然と言えば当然ですね。
表情や性格までも変わります。
間違ってもまだ何も成果や結果を出していない自分はダメだなどと思わないことです。
過去から自由になってそれまでの現状の外へ出ていくこと自体が楽しく、素晴らしい体験なのですから。
ゴールという設計図があればいずれ実現していきます。
ところで冒頭に、『この記事では「自分のことが嫌いでも無理なく今の自分を受け入れる方法」を最新のコーチングを通して解説していきます』と書きました。
ですがこの記事ではもっと大きなゴールを想定しています。
それは『ポジティブに自分を受け入れて、何をしたいか?』です。
過去に捉われていてイメージすらできなかったことかもしれませんし、ずっと心に秘めていたものかもしれません。
そこも遠慮などせずに大胆にぶっ飛んだゴールを設定してみてください。(正しいゴール設定の大前提です)
理想の未来の自分に向かってはじめの一歩を踏み出す人はすでに相当かっこいいのですから。
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