こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
セミナーやパーソナルコーチングでいろんな人たちの前でお話しさせていただく中で『コーチングとは・・・』という話をさせてもらう際、最近は『自我を書き換える』と答えています。
自我を書き換えると聞くと怖く感じるかもしれませんが、『私たちの脳が認識している世界を変える』といったイメージでしょうか。
本編で詳しく書きますが、例えば幼少期に騒ぐことを極端に注意されたりすると人前ではしゃげない大人になります。
思いっきり楽しもうと思っているのにブレーキがかかるのです。(人前を極端に恐れたりします)
その結果、リーダーシップの取れない人になってしまうのです。
この記事では『内部表現の書き換え方法から見るコーチングが圧倒的に効果がある理由』について解説していきます。
過去の根拠のない”しつけ”や”刷り込み”によって不具合の出ている自我をゴール側の理想的な自分に調整、書き換えることで新たなスタートを切れる状態を目指します。
1.自我とは何なのか
自我とはなんでしょうか?
1 自分。自己。
2 哲学で、知覚・思考・意志・行為などの自己同一的な主体として、他者や外界から区別して意識される自分。⇔非我。
3
㋐心理学で、行動や意識の主体。自我意識。
㋑精神分析で、イド・超自我を統制して現実への適応を行わせる精神の一側面。エゴ。デジタル大辞泉より。
と、ありますね。
脳機能学者の苫米地博士によりますと、
- 自我とは実体のない点のようなもの
- 他者との関係性によって浮かび上がってくるネットワーク
と捉えることが重要とされています。
では実体のない点とはどのような意味でしょうか?
例えばGoogleマップで目的地に点を打つとします。
その点が実体のあるものであれば、ズームしていくと点は大きくなります。
ですが、実際はなりませんよね?
点には長さや幅や面積は存在しないからです。
それが実体のない点というイメージです。
『他者との関係性によって浮かび上がってくるネットワーク』というのは実体のない点を中心とした他者との関係性を描いたマインドマップのようなイメージです。
- 私の名前は〇〇です。
- 私は〇〇県在住です。
- 私の仕事は〇〇です。
- 私の趣味は〇〇です。
などなど・・・
いくら”私”の特徴を並べて説明を加えても、それは他者との関係性であって、実体のない点である自我を定義することはできないということです。
つまり重要なのは自我に当たる点(実体のない点)そのものではなく、関係性のネットワーク(情報状態)ということです。
2.内部表現とは何か
内部表現とは苫米地理論の重要な概念です。
内部表現とは私たちの『脳と心』が認識している情報(物理も含め)全てを意味します。
簡単に言いますと、脳と心が認識したもの全てと言えます。(もちろん自分自身も含まれます)
物理的に存在する現実世界はもちろん、映画や小説、まだ実現していないゴールの世界も認識すれば内部表現ということです。
3.現状の外側に出る必要
コーチングでは現状の外側にゴールを設定することが大前提です。
それはなぜでしょうか?
私たちの現状は過去に影響を受けた大人たちの刷り込みでできているからです。
私たちの無意識の行動の70%以上は親のコピーだと言われています。
朝はパンを食べるのか、ご飯なのか、食べないのか・・・など、ほとんどどうでもいいことから、人前に出た時の態度やピンチの時にとっさに取る行動など重要なことまで含みます。
しかし私たちの認識はというと『これらの自分の”自分らしさ””特徴”といえるもの』は親から受け継いだとは思っていません。
自分の性格、自我、持って生まれたもの・・・くらいに認識している人が多いように感じます。
でもそうではないですよ!ということを先ず知るということが重要です。
そうでなければ今の自分(の性格)を前提にしたゴール(理想的な未来の自分)を設定することになります。
つまりそれはあなたのオリジナルではなく、親(身近な大人)の現状を前提としたものになってしまうことを意味します。
そこで一度現状の自分をリセットして、そこからゴールを見つけましょう!ということです。
そのために現状(自分の常識)を疑い、一度その外側に出てみる必要があるということです。
その具体的は方法が現状の自分を無視したぶっ飛んだゴール設定ということです。
参考記事
【完全解説】ゴール設定の方法|脳科学的に正しい設定方法と実践
4.内部表現を書き換える方法
では具体的な内部表現の書き換え方法を見ていきましょう。
復習ですが『内部表現とは私たちの『脳と心』が認識している空間(物理も情報も)全て』です。
実は内部表現の書き換えというのは私たちの生活の中でも普通に行われていることです。
例えばテレビのグルメ番組を見て、あなたは数分前まで存在すら知らなかったスイーツが日本初上陸ということを知りました。
レポーターのタレントさんが『今まで体験したことのない食感!最高ですね!!』などと満面の笑みで言っています。
すると多くの人が次の日に早速、開店前から並んだりしますよね?
これも一つの内部表現書き換えです。
しょうもない例えだ!なんて思わないでくださいね。
これは2つの意味で重要です。
一つは『それまであなたの内部表現に存在していなかったことを提示し、素晴らしいスイーツだと教育(洗脳)し、次の日の行動まで変えてしまったということ』です。
行動と思考に制約を加えられ、コントロールされたと言えますね。
2つ目は内部表現の書き換えが私たちの生活に当たり前に存在しているということです。
そして書き換えられていると意識に上らなければ、高い確率でそのまま書き換えられるリスクがあるということです。
もちろん新しいスイーツのお店に並ぶくらいであれば大したことはないと思うかもしれませんが、あなたのゴールに逆行するようなことであれば大きな損害を被ることになります。
繰り返しになりますが、『それまであなたの内部表現(現状)に存在していなかったことを提示し、素晴らしいスイーツだと教育(洗脳)し、次の日の行動まで変えてしまったということ』というのは一見すると怖いことです。
第三者にマインドをハックされたといえますし、その結果、実際の行動も変えられてしまったということです。(思いっきり書き換えられているのです)
ですから私たちは常に書き換え合っていると言っていいでしょう。
もちろん書き換えられているだけでは、第3者に自分の人生をコントロールされていることになります。
では自分で自分の内部表現を思い通りに書き換えるにはどうしたらいいでしょうか?
そもそも内部表現を自由に書き換えるということは、
- 自分の見えている世界を自由にコントロールする
- 自分自身を理想の自分に自由に変えて行く
ということです。
ですから、最も有効な方法はゴールを設定するということになります。
どこに対して、何に対して書き換えるのかといえばゴールですし、ゴールという新しい視点の獲得によって現状が揺らぎ、書き換えが始まります。
ゴール、すなわち理想的な未来の自分をもっている人はテレビで流れている情報に左右されて明日の行動が変わるということはありえません。
思考も行動も振る舞いもゴール側の自分基準だからです。
よく言われる言葉ですと『あの人は芯がある』『ブレない人だ』などですね。
ゴール設定がどのようなものだったかというと、自分の人生の目的地を決めることといえます。
すなわち、それは重要性を変えるといえます。
ゴール設定とは、ゴールを基準に徹底して重要性を並び替えるということになります。
これは自我を変える、内部表現を書き換えると同義です。
ゴール設定がただの目標設定と違うのは、ゴール以外のことがスコトーマで見えなくなるくらい徹底して重要性を並び替えるということです。
私はブログやメルマガなどで『ゴールに恋い焦がれる感じがベターです』とお伝えしています。
これはつまり、恋は盲目でいいということです。
それ以外はスコトーマに隠れていていいのです。(ですからバランスホイールが回るようにバランスよくゴール設定する必要があります)
そこまでゴール設定ができると、自分の人生をコントロール出来ているといえますので、情報バラエティ番組のスイーツなどに重要性を書き換えられる心配はなくなります。
具体的な方法はといいますと、ゴール側から現状の自分を意識して観るということです。
現状から自分を観ても新しいものはなかなか見えてきません。(スコトーマで見えないのです)
ですが、現状の外、つまりゴール側に視点ができるくらい臨場感を持ってゴール側の自分を感じるとこができれば、そこから現状を観ることができます。
そこで圧倒的に書き換えます。
- 発言
- 考え方
- 周りの人たちへの接し方
- 振る舞い
- 仕事に対する姿勢
などなど・・・
あれっ、ゴールの自分にふさわしくないことをしていないか?
あれっ、今の自分には〇〇が全然足りないな!早急に学ぶべきことは何か?
などです。
ゴール側の視点ができることで、現状をゆらがすことができます。
この気付き(あれっ)が書き換えそのものです。
後の書き換えは簡単です。
この『あれっ』を継続的に起こして書き換え続ければいいです。
もちろん行動することも極めて重要です。
足りないことを手に入れ、マインドで先取りしているゴール側のあなたとして振る舞えばいいです。
ポイントは徹底的に意識に上げることです。
5.コーチングのゴール設定が圧倒的な理由
私がコーチになった理由の一つにゴール設定がとにかく圧倒的に素晴らしかったからというものがあります。
どういうことかといいますと、現状の自分を前提としないということです。(それまでの目標設定と対局でした)
このゴール設定の凄いところは、現状の自分を前提としないから『とことん自由』ということです。
私自身は親との関係は良好ですし、当然感謝もしています。
ですが、思春期に入って、また社会に出てから”受け継ぎたくなかったもの”があったことは事実です。(実際はそのように認識して(思い込んで)いただけなのですが)
具体的には『大勢の前ではしゃげない』ということがありました。(今は当然書き換えていますが)
私の家は幼少期の私に対しても、落ち着いていることが良いとしている家でした。
礼儀や躾に厳しかったように思います。
そして”男は寡黙な方がいい”という強い思い込みを家族が共有していたので、私も当然刷り込まれて行ったのです。
自分で言うのも何ですが、そこそこにいい子だったため、ガッツリ刷り込まれてしまったのです。笑
どのような場面で困ったかといいますと、思いっきり楽しむ場面でも常にリミッターが働いている感じなのです。
そのため周りからは『ノリが悪い』とか『いつもテンション変わらないよね・・・』などと冷めた人扱いでした。
さらに音楽活動(特にライブ)で自分をさらけ出す、自己を解放すると行ったことがすんなり出来ている人を強烈に羨ましがっていました。
もちろん『それを乗り越えて理想の自分に近づくのでは?』と思われるかもしれませんが、実際は自己流では難しいのではないかと私自身は感じています。
ですが、科学的な裏付けのあるコーチングでこの現状の自分、すなわち自我、内部表現を書き換えられるということは、とてつもない自由を手に入れたことだと私は感じました。
実際に私は生き方まで変えてコーチの道に入り、クライアントさんを自由な人生に導く仕事をしているわけです。(もちろん完全Want toで)
『自分は〇〇だから・・・』とか、『自分の性格やキャラじゃないし・・・』といったことで悩んだり、立ち止まったりする必要はないのです。(コンプレックスなどもです)
その前提ごと書き換えることができますから。
その基準となるのはもちろんあなたのゴールなわけです。
今の自分、現状の自分前提ではなく、あなたが本気で夢中になれるゴール前提で自由に人生を設計できるということですね。
6.自分の可能性は100%信じて、自分の常識は100%疑う
私はクライアントさんに対して、『自分の可能性は信じるのは当然ですが、自分の常識は常に疑いましょうね』と言っています。
初めて聞かれた時はキョトンとした顔をされることもあるのですが、これは重要なことです。
なぜなら自分の可能性というのは未来の話です。
一方、自分の常識というのは過去の記憶によって作られたものです。
繰り返しになりますが、私たちの無意識の選択の7割は他者(主に親)からの刷り込みによります。
もちろん、それが全て悪いわけではありませんが、先述したように私たちは盲目的に受け入れていることがたくさんあるので、自分の常識は一度意識に上げて精査して見る必要があるということです。
理由はもちろん親の常識、価値観を前提とした人生を歩んでしまうリスクが非常に高いといえるからです。
つまり自分の人生とはいえないということですね。
7.内部表現の書き換えをセルフコーチングで使う方法
まとめ
内部表現の書き換えから考えるコーチングが圧倒的に効果がある理由
- 自我とは実体のない点のようなもの
- 他者との関係性によって浮かび上がってくるネットワーク
- 内部表現とは私たちの『脳と心』が認識している空間(物理も情報も)全て
- 内部表現を書き換えるとは現状(ホメオスタシスのフィードバック)を書き換えること
- コーチングでは現状の外側にゴールを設定することが大前提
- 私たちの無意識の行動の70%以上は親のコピー
- 内部表現の書き換えとは行動と思考に制約を加え、コントロールすること
- ゴール設定とは、ゴールを基準に徹底して重要性を並び替えるということ
- 具体的な書き換え方法はゴール側から現状の自分を意識して観る
- 現状の自分前提ではなく、あなたが本気で夢中になれるゴール前提で自由に人生を設計する
- 自分の常識というのは過去の記憶によって作られたもの
参考にして頂けたら幸いです。
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