こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
『将来の夢はなんですか?』
最後に聞かれたのはいつだったろうかと、先日真剣に考えてみました。
おそらく24歳の時のような気がするのです。(10年前です)
私の感覚では25歳を過ぎて就職している人に将来の夢は何か?なんて普通の人は聞かない気がするのです。
終身雇用制が終わったとはいえ、日本は転職(というより仕事を辞めること)に対してネガティブな印象を多くの人が持っているのではないでしょうか?
今回の記事は『30歳以上の人が夢を持つべき理由』についてお伝えします。
現状の自分に100%満足している人以外は夢を持つべきです。
それも単なる憧れレベルではなく、本気で達成したいと思っている夢です。
コーチングではゴールと言います。
何歳であってもゴールを持つことのメリットと大切さについてお伝えしていきます。
1.将来の夢に年齢は関係ない
『将来の夢は・・・』の将来とはいつのことをさしているのでしょうか?
【将来】
[名](スル)
1 《将 (まさ) に来 (きた) らんとする時の意》これから先。未来。前途。副詞的にも用いる。「―の日本」「―を期待する」「―のある若者」「―医者になりたい」
2 引き連れてくること。特に、外国など他の土地から持ってくること。「中国から―した書物」
3 ある状態や結果を招くこと。招来。「物価の値上がりを―する」
[アクセント]1はショーライ、2・3はショーライ。
[用法]将来・[用法]未来――「将来(未来)への夢」「明るい将来(未来)」のように、現在よりあとのことについていう場合には共通して用いられる。◇「私は将来、弁護士になりたい」に「未来」は使わない。また、「二〇〇年後の未来を空想する」に「将来」は使いにくい。10年後ぐらいならば「将来」と言うほうが普通。「未来」は「将来」よりも非現実的な遠い先という感じが強い。◇「近い将来」とは言うが、「近い未来」とはあまり言わない。「近未来」は新造語。◇類似の語に「今後」がある。「今後」は先のことを言うより、「今後の課題」「今後気をつけます」のように「今から」という意である。「今後しっかり勉強して大学に入りたい」の「今後」は大学に入ることでなく、勉強することにかかっている。
デジタル大辞泉より
要するに『将来とは現実的な数年から数十年後。』と言えそうですね。
私は30代でも50代でも『将来の夢』を持つべきだと思います。
その理由はなんでしょうか?
それは最高に楽しいからです。
逆に言うと『将来の夢』がないと楽しくないし、やる気が起きないし、働く気だって減衰していくのです。
その理由は私たちの生きている現代の日本が働かなくても生きていける珍しい国だからです。(恵まれているが故の悩みのようなものです)
働かなくては生きていけない時代や国であったりすれば、当たり前ですが生きることに手を抜いたりはしません。
命がけですから、常にではないにしても全力で取り組むことを強いられるわけです。
そこには生きている実感が伴います。(辛いのも事実でしょうが)
意識に上ることは少ないかもしれませんが、自分の力で生き抜いているという自負心(のようなもの)が感じられるわけです。
生命力と言ってもいいと思います。
この生きている実感が持てないと、一言でいうと苦しくなります。
生きることについて悩むようになるのです。
この生命力、生きている実感を感じるため、引き出すために必要なのが『将来の夢』=ゴールということです。
生き抜くことが困難な時代であれば自分で設定する必要なんてありません。
ですが現代の日本で生きている実感を持って生きるためには自分でゴールを設定する必要があります。(どんな年齢の人でも)
本来は何歳であっても、将来に夢を持つのに年齢など関係ないはずです。
ですが私たちは、なぜか安定志向になりがちです。
その理由は生体に備わった”ある機能”のためです。
2.私たちの生体が落ち着こうとする理由
私たちの身体には恒常性維持機能(ホメオスタシス)という働きがあります。
このホメオスタシスは私たちの生命維持に欠かすことのできないものです。
例えば私たちの平熱は約36度です。
しかし激しい運動をすると身体が発熱し体温は上昇します。
ですが発汗などの作用により体温上昇は最少限に抑えられます。
それは生体のパフォーマンスを維持するためです。(生存確率をキープするためです)
もちろん私たちが意識してやっているのではなく、無意識に行われています。
これがホメオスタシスの働きです。
私たちの脳は高度に発達したために身体だけでなく、抽象空間(思考)にもホメオスタシスが作用しています。
重要なのはホメオスタシスは良い悪いに関係なく変化を嫌うということです
例えば年収400万円のサラリーマンの人が宝くじで2億円手に入れたとします。
そして数年後に自己破産したというような話はよく聞くのではないでしょうか?
これは意識では望ましいと思っていても無意識には到底受け入れることのできないものです。
毎月のクレジットカードの支払いにも苦労していたのに状況が一変します。
急激な運動で体温を下げる必要が生じたのと同じ理由で、自分に相応しくない大金が転がりこんできたために急いで元の年収400万円のお財布事情に戻ろうとしたために勢い余って自己破産まで行ってしまったということです。
体温を下げるための発汗で体温が奪われすぎて風邪をひいてしまったようなものです。
3.将来の夢が見えない人の特徴
プロコーチとして活動していると『やりたいことが見つからないんです。』という悩みを相談されることがよくあります。
このような悩みの原因は大きく分けて2つあります。
- 一つ目はやりたいことが見つかっても、その瞬間に自分で潰してなかったことにしている。
- 二つ目は想像やイメージしただけで完結して終わってしまっている。
一つ目の人の特徴はやってみたいことはあるんだけど、何かの原因で見て見ぬ振りが当たり前になっている状態といえます。
例えば自己評価が低く、自分のコミュニケーション能力に自信のない人はやってみたいスポーツがあってもそのコミュニティにどう入って行って行ったらいいかが分からないために『やりたいことがない。』と言っている、思っているケースが多いです。
● はじめの一歩が踏み出せないと感じている人は、
『初めの一歩が踏み出せない人に送る!セルフイメージを書き換える方法』
をご覧ください。
二つ目の人の特徴は一切行動することなく想像しただけで自己完結してしまっています。
それで満足しているのであれば何も問題ないのですが、やりたいことを見つけたいのであれば行動は必須です。
やりたいことが見つかったから行動するのではなく、やりたいことに出会うためにも行動する必要があるのです。
例えば趣味を見つけたいと思っている人が釣りに誘われたとします。
ですがその人はどんなに誘われても釣りに行こうとしません。
なのに『自分には趣味がないので早く見つけたい・・・』と言っていたりします。(こういう人結構多いです)
その人は自分の現在の価値観で物事を判断しています。
現在の価値観というのはその人の過去の記憶で出来ています。
ですから未経験のものは判断できません。(というか見ることも出来ません)
本質である面白みやゲーム性は実際に体験してみないとわからないのです。
新しいことは自分の頭の中にないことです。
自分の価値観を広げることなく新しいものを取り入れようとしているから、何も引っかからないのです。
4.ゴール(夢)のない人はいない
私の周りにも夢や目標などの言葉にアレルギーでもあるのではないかと思うくらい嫌う人がいます。
かつての私は完全に彼らと同じ考え方をしていました。(一言でいうと無気力でした)
ですから共感もできますし、本人がそれでいいのでしたら全く問題ありません。
もっといいますとゴール設定も必要ではありません。(すべて自由です)
ゴール設定などと難しいことは考えずに今を如何に楽しく生きるかを考えたいという意見はもっともだと思います。
ただ現状の自分に違和感があって苦しいと感じている人には『ゴール設定が必要ですよ。』とお伝えしています。
理由は簡単で、現状で苦しんでいるのになかなか抜け出せないという人は”現状維持というゴール設定”が勝手にされているからです。
先述したホメオスタシスによるものです。
ホメオスタシスの現状へ留まろうとする力はすごいです。
少し理不尽に感じますよね。(頼んでもいないのに)
ただホメオスタシスが悪いわけではありません。
自分でゴール設定した後であれば、その望ましい現状をキープしてくれる頼もしい味方になります。
ですから私たちは現状を定期的に疑ってみる必要があります。
理由はもちろんホメオスタシスが勝手に現状維持をしているだけの現状なのに心地いいと思わされている可能性が高いからです。
ゴール設定の必要性を感じた人は『ゴール設定を正しくすることで劇的な変化を体感する方法』を参考にしてみてください。
5.30歳以上で夢を語るのが当たり前の世界
私は学生時代には『あなたの夢はなんですか?』という質問をよく受けましたし、そのような会話を耳にすることもよくありました。
しかし30歳を過ぎると極端に少なくなりますし、そのような話をしていると反対に珍しいモノでも見るような目で見られることもあります。
その大きな理由の一つに会社との関係性があるといえます。
あくまで一般的にですが、30歳前後で中堅社員として会社の中での期待や責任も大きくなり、求められる仕事の質も変化してきます。
当然組織全体(もしくは社会)で共有している空気で私たちも多くの場合、疑うことなく受け入れることになります。
よほどのことがなければ転職や起業といった選択肢は意識に上がらなくなります。(一般的なサラリーマンの場合です)
繰り返しになりますが、現状に満足しているのであればそのままでいいのです。
ですが、2年前の私のように『自分のいるべき場所はここではないのではないか?』という強烈な違和感を感じている人は”『将来の夢』=ゴール設定”をしてみるべきではないかという提案です。
ちなみにゴール設定=現状をぶっ壊すというイメージの人もいるかと思いますが、そうとも言えないのです。
6.ゴールはいくつあってもいいし常に変化するもの
趣味のゴールができたからといって生活を変える必要が出てくるとは限りません。
週末の活動だけで達成されるゴールであれば転職の必要なんてありませんよね?(週末起業などもあります)
私がコーチとして活動していてゴール設定をお勧めしているのは、ゴールを追いかける人生が素晴らしいからだけではありません。(それはそれで事実なのですが)
それよりも、
- 漠然とした不安
- 閉塞感
- 慢性的な疲労感
- 生き苦しさ
などの原因は間違いなくその人が繰り返している現状に原因があります。
ではその原因だけを除去すればいいのではないかと思うかもしれませんが、自分が現状の中に居ると決して見つけることができないのです。
必ず俯瞰して現状の外から観る必要があります。
現状の外側に出る、つまり現状に自分を疑う最も有効な方法がゴール設定ということです。
まとめ
私はどんな年齢の人も”将来の夢”を持つべきだと思っています。(もちろん強制という意味ではありません)
先述した通り多くの人が生きにくさを感じている現状であるにもかかわらず、強力な現状維持というゴール設定がされているためです。
もちろん年齢は関係ありません。
そして、はじめから人生を変えるようなゴールである必要はありません。
現状の外に出て、現状の外から俯瞰できればそれでいいのです。(必要であれば更新していきますので)
また『将来の夢が見つからない・・・』と悩む必要もありません。
現状から抜け出し、ある程度行動していく中で自然に見えてくるからです。
少なくとも、現状からでは見ることができません。
2年前の私のように、現状に違和感を感じて苦しんでいるようでしたら現状を飛び出してみることをお勧めします。