こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
『自分を変えたいのですが、何から始めたらいいですか?』という質問は頻繁にもらいます。
私の答えはいつも『セルフトークを徹底的にコントロールしていきましょう!』です。
セルフトークはなりたい自分になる上でもっとも重要な概念の一つです。(どんなゴールにおいてもです)
自分に対してどんな言葉をかけているかによって、それにふさわしいセルフイメージが作られ、セルフイメージによって行動や振る舞い、自分の限界や活躍するステージまで決まってしまいます。
セルフトークとは”心の声”のことです。
この”セルフトーク=心の声”を適切にコントロールすることで今の自分を変えたり、理想の未来の自分を作ることができます。
イメージしてみて下さい。あなたの中になんでも肯定的に捉え応援してくれる理想の上司がいるのか、もしくはネガティブで否定的なことしか言わないパワハラ上司がいるのかを。
前者と後者ではまったく違いますよね?
最近では他者へ暴言やハラスメントはすぐさま問題になります。(もちろんいいことです)
ですが、自分に対してはパワハラ上司なみの酷い言葉を無意識で使ってしまっている人は結構多いのです。
この記事では『セルフトークとは何か 〜マネジメントから例文まで実践的な使い方〜』を解説して行きます。
1.セルフトークとは
セルフトークとは内省的な心の声のことです。
意識に上るものもありますが、ほとんどは無意識に発していて意識には上がりません。
私たちは1日に4万〜6万回ものセルフトークをしています。
セルフトークを正しくマネジメントすることで理想の自分になったり、仕事の生産性を上げたり、周りの人間関係の改善が面白いように出来るようになります。(それほど言葉の力は大きいのです)
意識に上らないと言いましたが自分がどのようなセルフトークをしているのか気になりますよね?
実は確認する方法があります。
それは『あっ、今、素の自分が出たかも・・・』と思う瞬間があると思います。
例えば思いがけないところを褒められたときなどです。
あなたはどんな反応、対応をするでしょうか?
素直に『あっ、ありがとうございます!!』と言って喜べてポジティブになれる人でしたら普段もポジティブなセルフトークをしていると思っていいでしょう。
反対に『いえいえ、そんなことないですよ・・・』と言って素直に喜べないようでしたらネガティブなセルフトークの習慣、癖がついているかもしれません。
『たったその程度のことで・・・』と思われるかもしれませんが、セルフトークは私たちのセルフイメージを形成しています。
ですから普段どんな言葉を使っているかはとても重要です。
詳しくは後述していますが、今のあなたがどんなセルフトークを使っているのかは、それまでの癖や習慣、あなたに影響を与えた人たちから受け継いだ反応です。
ですから今ネガティブな状態でも全く問題ありません。
2.セルフトークが今のあなたを作っている
セルフトークを考える上で同時に理解しておきたいのがセルフイメージです。
先に紹介しましたが、私たちは1日に4〜6万回のセルフトークをしています。
つまり4〜6万回も自分に語りかけているといえるのです。
- やはり自分は〇〇なタイプだ
- 私はせっかちだ
- 私は追い込まれたら燃えるタイプだ
- 肝心なところでいつも失敗してしまうんだよね・・・
などです。
これらのセルフトークが積み重なって私たちはセルフイメージを形成します。
性格、自己評価、自尊心、自己肯定感などにも多大な影響を及ぼすのがセルフトークです。
例えば何か失敗したときなどはセルフトークが意識に上がりやすいといえます。
- しまった、またやってしまった・・・
- なんてバカなんだ!こんなところで・・・
- 何がいけなかったのだろう・・・自分らしくないぞ!急いで挽回しなきゃ!!
こんな感じで意識に上がりますよね?
感情が動くと私たちはついつい言葉を発してしまいます。
もしあなたが自己評価や自己イメージの高い人ならセルフトークもポジティブなはずです。
自己評価も自己イメージも高いのにネガティブなセルフトークを繰り返している人はいません。
セルフトークがあなたのセルフイメージを作っているのです。
つまりセルフトークがあなた自身を作っているといえるのです。
この後、詳しく解説しますが何気ない心の声が私たちの人生にも大きな影響を与え続けてます。
3.今のセルフイメージはどこから来たのか?
セルフイメージがセルフトークから作られるということは理解していただけたと思います。
では元々のセルフイメージはどこから来たのでしょうか?(来たというより”作られた”ですね)
それは私たちが幼少期の頃から影響を与え続けた大人、つまり親や学校の先生などから影響を受けて形成されます。
例えば、私の場合は母親のネガティブな言葉や振る舞いに大いに影響を受けて来ました。
残念ながらセルフイメージが高いとはいえない人でした。
コーチになった今では昔の自分はよく思い出せないのですが、断片的なエピソーディックな記憶の中にもネガティブな反応をする自分がいるので、実際そうだったのだろうと思います。
例外はあるかもしれませんがポジティブな人に囲まれて育った人は基本的にポジティブになります。
それはセルフイメージが高い環境にいると同調してセルフイメージが高いのが当たり前になるからです。(環境って大事ですよね)
さらにいえば、ポジティブな人がいる環境ではポジティブな言葉が飛び交っています。(これがセルフトークになります)
また、その逆も然りです。
これらの言葉に出さない同調という情報のやり取り以外にも、『あなたって〇〇よね・・・』という会話があると思います。
これは他者の言葉ですのでセルフトークではないです。
しかし私たちは他者からの言葉を自分の中で何度もリピートしてしまうものです。
これが強力なセルフトークになります。
もちろん、これ自体は悪いことではありません。
例えば『あなたのそういうところ、本当にすごいと思うわ!!』と憧れている人から言われたらすごく嬉しくなりますよね?
そして意識しなくても心の中で何度も詳細にリピートしてしまいます。
たった一度の成功体験でも繰り返すことで強化できるので成長したり、理想に近付くことができます。
いわゆる、部下を褒めて伸ばすタイプの上司はこれをうまく活用しているのです。
しかしネガティブな場合も同様にリピートして、その情動や体験記憶を強化してしまうのです。
こうなると非常に厄介です。
リピートを簡単に切るスイッチはないからです。
逆に意識すればするほど鮮明にしたり、強化してしまうことさえあります。
これをコントロールするのがセルフトークのマネジメントです。
4.理想の自分になるためのセルフトークマネジメント
ここでは理想の自分になるための方法をお伝えします。
理想の自分になるというと、いきなり理想的な自分をイメージをして、その通りに行動しようとする人がいますがそれではなかなか上手くいきません。
なぜなら無意識レベルに落とし込まれている自分を蔑ろにして意識的に修正したとしても、あまりに微力で無意味なことだからです。
ダイエットで考えてみましょう。
何かのきっかけで『絶対痩せるぞ!』と決意したとします。
熱が冷めないうちに走ったり、筋トレを始めたり、食事制限をしたりと行動に移します。
でも、おそらくその情熱は3日と持ちません。(三日坊主ですね)
その理由は”今の自分基準で”『あと〇〇Kg、がんばって痩せよう!』とアプローチしているからです。
正しくは『ヤバい、どんだけ太ってるんだ!早く適正体重(目標体重)に戻らないと!!』という具合に”未来基準”で考えるべきです。(基準がどちらにあるかが重要です)
理想の自分のことをコーチングでは”ゴール側の自分”といいます。
先ずはどのような自分で在りたいのか?というゴール設定をして科学的な方法に基づいたアプローチを取ることが重要です。
ゴール設定に関してはこちら↓
【完全解説】ゴール設定の方法|脳科学的に正しい設定方法と実践
そしてこのゴールの自分に基づいてセルフトークのマネジメントをしていきます。
ですから、正しく設定された基準がないとセルフトークの修正は行えません。
詳しくは後述しますが現状のセルフトークをゴールの自分に照らし合わせていき、必要であれば修正していきます。
5.意識に上げることから始まる
セルフトークのコントロール、つまりマネジメントする上で重要なのは意識にあげることです。
当たり前ですが意識に上らなければコントロールできないからです。
スポーツでも楽器演奏でもフォームを改善するときは鏡を見たり、動画撮影したり、思いっきりゆっくり動いたりして無意識で行っていた動作を意識に上げるところから始めますよね。
では、セルフトークを意識に上げるためにはどのようにやるのかというと”感情が動いた時”に『今自分はなんて言ったっけ?』と一瞬立ち止まるのがコツです。(自分の感情の動きを観る訓練ですね)
例えば、生産性が低く自分や周りの人の良くないところばかり注目してしまう人は、
- 良くないところ
- ネガティブな部分
- 上手くいかなかったところ
- 出来ないこと
を観る癖がついているのです。
そこでのセルフトークは、
- なにやってんだ!
- 全然ダメじゃないか!
- また失敗して怒られるなぁ
- やっぱり自分には向いてないかも・・・
と、やはりネガティブです。
ここでのポイントはセルフトークとセルフイメージは大きく関係していて、さらに見えているもの、注目するポイントもネガティブな要素が多くなるということです。
セルフトークがネガティブだと見える世界もネガティブな要素がデフォルメされているということですね。
ただ、逆にいえばセルフトークをポジティブな言葉に変えていくと見える世界も変えることができるということです。
観えているものがネガティブだと自分や他者に対してもポジティブな言葉をかけることが難しくなります。
これでは自分はもちろん周りの人の生産性が上がるはずがありませんよね。
そこでオススメしたいのが良いところを観る(意識に上げる)ということです。
自分の良かったところ、周りの人の良いところを意識して積極的に観るということです。
これは極めて重要なことです。
ですが何か失敗した時というのは改善点を見つけるために悪かったところを観ようとしてしまいます。
確かに原因を見つけて速やかに修正することは必要なことですが、見つかったらすぐに良いところを観るようにするべきです。
良いところを観る癖がついている人は当たり前のように可能性を観ることができます。
これはすなわち未来を観ているということです。
ですが悪いところ、失敗したところを観る癖の人は原因や理由を観ています。
これは過去を観ている(探している)ということです。
もちろん原因を見つけて、修正することは必要で重要なことなのですがそれは一度で良いのです。
そして何のためかと言えば未来に向かうために必要だからです。
ですから意識するのは未来(ゴール)なのです。
ですが、多くの人は過去を観て原因が分かって、安心して終わりなのです。
修正を前提としていないのです。
その理由は今の失敗を意識しているからです。
今の失敗の原因は過去にありますから当然といえば当然ですね。
良いところをしっかり意識に上げて、それに対して声かけをするということです。
心の中で思うのもいいですが、慣れてきたら周りの人のいいところを声に出して伝えて上げましょう。
たった一度でもあなたの言葉がその人の中でポジティブな言葉のリピート再生されるのですから。
もちろんご自身に対してもです。
6.理想の自分を作るセルフトーク〜実践編〜
セルフトークのマネジメントをする上で先ずゴール設定する必要があるということは先にお伝えしました。
ここでのゴール設定とはコーチングのゴールのように現状の自分には達成方法が分からないような大きなものでなくても大丈夫です。(あればベターですが)
重要なのは”在り方”です。
どのような自分で在りたいのか?ということです。
例えば直ぐに感情的になって周りの人に対して当たってしまう人が自分を変えたいと思ったとします。
自分のビジネスを立ち上げて周りの人たちのパフォーマンスが発揮できるような言葉をかけることが当たり前にできている自分をイメージしてもいいでしょう。
そして現状でセルフトークが意識に上がってくるたびにゴール側の自分で判断します。
自分にふさわしいと思たらより良い言い回しにアップデートしてもいいですし、ふさわしくないと思ったら『自分らしくない!』と直ぐに言い直してください。
そのようにしてイメージを現状の自分に少しずつ落とし込んで行く作業になります。
過去の刷り込みによる現状の自分を自分で設定した理想の自分が使う自分らしい言葉で満たして行くイメージでしょうか。
または理想の自分の着ぐるみを切るといったイメージでもいいでしょう。
会う人、場を共有する人によって出てくるセルフトークが違うと思います。
例えば恐縮してしまうような相手の前ではついつい以前の自分の癖が出てしまい、自分を下げるようなセルフトークをしてしまうことがあります。
『いえいえ、私なんてまだまだです・・・』のようにです。
そんな時は『ゴール側の自分がったら・・・』という視点で早急に修正してください。
『ありがとうございます!(当然です!!)』くらいでしょうか。
謙遜は表面的な言葉だけで大丈夫です。
私はコーチングスクール在籍時は『ありがとうございます!さらに加速します!!』が口癖でした。
今思っても最高の環境だったなぁと思います。
他者から見ると違和感だらけのように見えるかもしれませんがマインドを育てる上では最高です。
全ての可能性とチャンスを認め合うコーチが作る場はすごいなぁと当時は感じていました。
ご家族でコーチングに取り組まれる場合は是非お試しください。
子育てに圧倒的な成果が出ることは間違いありません。
7.セルフトークに関する動画
まとめ
セルフトーク=心の声のコントロールというのはかなり地味な作業です。(書いていて思いました)
ですが、その重要性と理由は先に述べた通りです。
1日に4万〜6万回といっても全てをコントロールする必要があるわけではありません。
自分の憧れの人、尊敬している人から『君は最高だよ!』と言われたら勝手にその言葉を声の質感も含めてヘビーローテションしてしまいます。
不思議なことですが言葉だけで本当に最高になってしまうのです。
優秀なコーチがやっている書き換えもまさにコレです。
そして重要なのが自分でも出来るということです。
地味な練習というのは武道、スポーツ、表現に置いて重要ですがマインドにおいても極めて重要です。
言葉の力を信じて、理想の自分をイメージしながら使って頂けたらと思います。
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