こんにちは。
毎日をやりたいことだらけにする専門コーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
『周りの人を疑い始めたら止まらなくなります』、『疑ったり妬んだりせず人を信じられるようになりたいです』というお悩みの相談を度々受けます。
実際そのような状態になると態度や言葉に出てしまうでしょう。
そのことによって周りの評価は下がり、もちろん一番近くで見ている自分自身の自己評価も下がってしまいます。
その人らしさが発揮できず様々な不利益が生じているといえますね。
何より本人にとって辛い状態だと思います。
この記事では『猜疑心が強い原因とは〜無理なく人を信じられるようになる方法〜』をコーチング理論に基いて解説していきます。
猜疑心の原因とマインド(脳と心)の使い方を学ぶことで自然に人(自分も含め)を信じられるようになる方法をご紹介します。
1.猜疑心とは何か
そもそも猜疑心とは何でしょうか?
猜疑心
相手の行為などをうたがったりねたんだりする気持ち。
三省堂 大辞林 より
この猜疑心=『相手の行為などをうたがったりねたんだりする気持ち』というのは程度の差こそあれ、ほとんどの人が持っている感情、気持ちではないかと思います。
もちろん状況や周りの人たちとの関係性、そしてそれを本人がどのように認識するかに依存します。
また猜疑心がネガティブな感情であっても、感情を抱くことそのものは悪いことではありません。
感情が無くなってしまっては人間らしさを失ってしまいますし、そもそも脳機能の問題といえます。
感情にとらわれてしまうこと、執着によって思考や行動に弊害が出てしまうことが問題なのです。
よくあるケースでで『誰かが自分を陥れようとしているのではないか?』というものがあります。
実際にそうかもしれないし、その人の思い過ごしかもしれません。(現時点ではわかりません)
それによって、そのことしか考えられない、他のことが手につかないというのが”猜疑心に苛まれる”特徴です。
これはPCでいう無限ループに入ってしまってフリーズしている状態です。
考えても答えは出ないことに電力を取られていますよね。
すなわち前進できないのにエネルギーばかり取られて疲弊していくという辛い状況といえますね。
2.なぜ人を疑ってしまうのか
ではなぜ私たちは人を疑ってしまうのでしょうか?
- 自分の不利益を避けるため
- 自分の立場を守るため
- 自分の尊厳を守るため
- 自分の利益を守るため
- コミュニティでの関係性を守るため
立場や状況によりさまざまだと思います。
大きくまとめると『損失を避けたい』といえますよね。
2-1.猜疑心は誰にでもあるのか
猜疑心はどんな人にもあるのでしょうか?
疑ったり妬んでしまうネガティブな感情である以上、どんんな人も持っているといえます。(検証は不可だと思われますが)
もしかしたら人生で一度も人を疑ったことのない、妬んだことのない人もいるかもしれません。
ですが先に書いたように”明らかに自分が陥れられそうになっている”、そしてそのことで”自分が大きな損失が避けられない”という状況になれば(本人がそう認識すれば)猜疑心というプログラムが動き出すのではないかと私は考えています。
2-2.猜疑心を持つのはいけないことなのか
猜疑心を持つことに対して罪悪感のようなものを感じて悩まれている人がいます。
冒頭で書いたように『人を疑いたくはないと思っているのに疑ってしまう』、『疑ったり妬んだりせず人を信じられるようになりたい』と思われて葛藤を感じている人は多いです。
先述しましたが猜疑心は一つの感情ですから、自分の中に醜い存在を感じても悩んだり自分を責めたりする必要はありません。
またそれを抑圧したり、見て見ぬ振りをするのもよくないです。
ではどうするのかというとコントロールする、すなわち発火させない、発火したら無効化してしまえばいいわけです。
3.私が人を妬んでいた原因
あなたが今までで人を妬んだときはいつでしょうか?
実は私は自分が結構妬みが強い方なのではないかと認識しています。
今はかなりコントロールして、ポジティブな使い方が出来ていますが、コーチングに出会う前の自分は結構嫉妬深かったように思います。
その理由はシンプルで、『自分の視点、基準で相手をみて、そして比べていたから』です。
そして重要なのはその視点、基準が固定されたものだと無意識的に認識していたことです。
固定というのは自分がどんな風にもなれる、劇的に成長できるということが盲点になっている状態をさしています。
つまり『固定された自分の視点(基準)から相手(ライバル)をみて、負けたと思ったら「転べ!!」と思う』ということです。
客観的に見ると嫌なヤツですよね。w
ライバル視することが良いかどうかはさて置き、自分が固定されていると思うが故に相手が落ちるのを願う、もしくはそのように行動してしまうというのは問題ですよね。
コーチングではエフィカシーが低いといます。
でもこの状態(思考や振る舞い、性格)は自分、自分のゴールに真剣に向き合うことで科学的な方法で変えることができます。
3-1.妬みという感情はよくないのか
では妬みや嫉妬はよくないのかといえば、これも感情なので『あってもいい』という感じでしょうか。
一般的に妬みや嫉妬がよくないものとされているのはそれが相手に向かっているからです。
先ほどの『固定された自分の視点(基準)から相手(ライバル)をみて、負けたと思ったら「転べ!!」と思う』のがまさにそれですよね。
ここは重要なポイントなのですが、相手を見過ぎない、相手と比べないということです。
そして自分は正しい方法を学ぶことで自由に動けるということを知ることです。
3-2.妬みや嫉妬を自分を変えるエネルギーに変換する
ではどこを見るのか?
それは理想の自分です。
コーチングでは”ゴール側の自分”といいます。
目指すのはライバルに勝つことではなく理想の自分であり続けることです。
すなわち、どんな自分にもなれるという大前提のもと、妬みや嫉妬心を自分を大胆に変えるエネルギーに変換すればいいのです。
例えばあなたとライバル(と認識している人)がいるとします。
最近ライバルの成長が著しく、その差が広がっていっているようであなたは焦っています。
以前はお互いを高め合っていたライバルだったはずが強烈に嫉妬していることに気が付きます。
相手の失敗や失速を期待してしまっている自分に嫌悪感を覚えています。
ドラマのストーリーにもありそうなシチュエーションですが、解決方法はシンプルです。
相手(ライバル)を見ずにゴール側の自分を見ます。
そしてそれに相応しい自分、ライバル視さえしていない圧倒的な自分として振る舞うことです。
ライバルの急激な成長で焦る気持ちは分かりますし、誰にでもあります。
ですが、ライバルがスランプに陥ったからといってあなたが成長するわけではありません。
そういうときは『自分は結局どうなりたいのか?』と自問自答してみることです。
コーチングで言えば、『ゴールを意識する』ということですね。
ライバルと競っているとついつい熱くなってゴールを見失いがちになります。
その熱がポジティブに働くこともありますが、ライバルへの執着はよくありません。
意識するのはライバルではなく”圧倒的なゴール側の自分”です。
ゴール設定に関しては『ゴール設定の方法〜劇的な変化を体感するコーチングの基本〜』をご覧ください。
3-3.どんな感情を抱いてもいい理由
そもそも私たちは誰に対して、どんな感情を抱いてもいいのです。
誰かを思いっきり好きになってもいいし、大嫌いになってもいいわけです。
ただ、ネガティブな感情を抱いている時というのはクリエイティブなことができません。
当然、生産性も下がってしまいます。
もちろん猜疑心に苛まれている状態というのは何より本人にとってマイナスなことばかりなわけです。
もしあなたがそのような状態になれば自分の貴重な人生時間を使って何も生み出さない猜疑心というプログラムを自分のエネルギーを使って走らせているわけです。
ですから感情は大切ですが、それを何のためにどこに向かって使っているのかを意識することが重要です。
意識するのは相手ではなく、自分がどうしたいのか?どうなりたいのか?ということですね。
4.猜疑心の強い人の3つの特徴
猜疑心の強い人にはいくつか特徴があります。
そしてこの特徴もその仕組みを学ぶことで自発的に変えることができます。
4-1.自分のことしか見れていない(視点が低い)
猜疑心の強い人は自分の損得が最優先になっている傾向があります。
このように書くと厳しい指摘のように思えますが、その理由もシンプルです。
それは極端に『損失を避けたい』と思っているからです。
端的に言うと”失う恐怖にとらわれている”ということです。
なぜそのように思う、考えるようになったのかは様々なケースがあると思いますが、過去の裏切りやネガティブな記憶が関係している可能性が高いです。
本人にとって強烈な過去の喪失体験から損失を避けるようなプログラムが走っていて、その結果視点が低い、つまり自分のことが最優先になっている傾向があるということです。
(あくまで傾向です)
4-2.妄想が一人歩きする傾向がある
猜疑心の強い人はネガティブな思考が暴走しがちです。
人を疑ったり、妬んだりというのは誰にでもあるものだと思います。
問題なのはそれが一人歩きして暴走してしまうことです。
『そんなわけないか・・・w』と終了することができればいいのですが、妄想が一人歩きしてコントロールが効かなくなってしまうと結果的に自己イメージを下げてしまうのです。
その原因は色々あると思いますが、過去の辛い体験を避けるための過度のシミュレーションであることが多いです。
これは何も強烈なトラウマ体験ということではありません。
本人にとって、当時とても辛く感じた体験記憶です。
『それは確率論的にあり得ないよね・・・』ということも損失を避けたい一心でシミュレーションしてしまっています。
4-3.話や状況を誤解してしまう
猜疑心の強い人は話や状況を誤解してしまうことが多いです。
それは先述した視点が低いことで部分的なこと、自分視点でしか物事を認識できないためです。
これも『損失は絶対に避けたい』というプログラムが走っているがゆえに自分本位になっているということです。
ですから自分勝手、わがままな性格というわけではなく、結果的にそうなっているということです。
また人は自分に相応しいものしか見ることができないという脳の特性を知っておく必要があります。
例えばネガティブな人はネガティブな部分が誇張されるフィルターが掛かっているということです。
そのフィルターが強力であるほど歪んで認識してしまうわけですから、話や状況を誤解、誤認してしまう可能性が高くなります。
これは卵が先か鶏が先かという話になりますが、人を疑いの目で見ているとそれが当たり前になってしまう、つまり疑う理由しか見えなくなるということです。
(逆に信じるべき部分は盲点に隠れます)
5.無理なく人を信じられるようになる方法
今現在、猜疑心が強く、人を信じられない人が無理なく人を信じられるようになるにはどのようにしたらいいのでしょうか?
それは『あらゆるゴールを意識する』そして『それらのゴールを尊重する』ということです。
5-1.自分の損得しか見えていないかも(リスク・世間体・不利益)
先述した自分の損得しか見えていない、もしくは損失を極端に恐れている人のゴールは何かな?と考えてみましょう。
答えは『現状維持というゴール設定がなされている』ということです。
自分に置き換えてみて、『いや私はそんなゴールなんて設定していない』と思われるかもしれませんが現状維持というのは実は自動で設定されるものなのです。
私たちの生体には恒常性維持機能(ホメオスタシス)が備わっています。
暑い時に汗をかき、気化熱により体温を下げたり、激しい運動時に心拍数を上げて血流量を増やすのも自動ですよね?
これらの無意識による身体を同じ状態に保つのは生体を生きながらえさせるために私たちの生体に備わっているホメオスタシスの機能です。
人間はこの機能が身体のみならず情報的なものにも機能しています。
よく言われるのが年収400万円くらいの平均的なサラリーマンが宝くじで高額当選するとあっという間に散財してしまってゼロ、もしくは破産してしまうというものです。
これはまさに年収400万円という現状が大きく揺らいでしまったためにホメオスタシスが『3億円持っている自分はおかしい』と反応、機能して元の状態に引き戻すというものです。
そしてその力が強力なので勢い余って元よりもひどい状態になりがちです。(リバウンドも同じ理屈です)
もう一つ重要なのは本人が意識的に望んでいるのかどうかよりも慣れ親しんでいることが優先されるということです。
先の高額当選も一攫千金を夢見て見事、当選したにも関わらず元のカツカツの状態に無意識は戻りたがっているということです。(慣れ親しんでいますからね)
不満だらけの日常と認識しながらなかなか行動できないのはまさにその現状に慣れ親しんでいるからですね。
もちろん『自分の損得しか見えていない、もしくは損失を極端に恐れている人』は言い換えると現状が変化することを恐れているといえます。
つまり先述した『現状維持というゴール設定がなされている』と認識してみてください。
そして同時に『でもこの現状って自分が心から望んだものなのか?』と自分自答してみて欲しいと思います。
おそらく違うと思います。
望まない現状をそうとは知らず必死に守っているって辛いですよね。
ホメオスタシスは機能なので慣れ親しんだ状態を維持しようとするわけですが、そこをどこにするのかは自分で意識的に設定する必要があります。
コーチングではこれをゴール設定といいます。
現状維持はただの機能で自分が心から望んでいるものではないということが分かれば、現状維持のために自分の損得を最優先する、もしくは損失を極端に恐れる必要なんてないということがわかります。
5-2.自分と他者のゴールを見よう〜成功か失敗だけじゃなく学びや成長も〜
自分のゴールを意識することも重要ですが他者やコミュニティのゴールを意識することも重要です。
例えば『あの人は自分を利用しようとしているのではないか?』と猜疑心が強くなってきたとします。
ここで多くの人は『この人っていい人なのだろうか?』もしくは『この人の本性は本質は?』という風に考えてしまいます。
それも必要なことかもしれませんがもっとシンプルにこの人のゴールは何?と考えればいいのです。
- 私とどんな関係性を築きたいと思っているのか?
- 私に何を望んでいるのか?
- 私とゴール(未来)の共有はできるのか?
- お互いにどんなメリット(学びや成長も含む)があるのか?(
などですね。
利害関係というと冷たく聞こえますがその人のゴールがあなたにとって意味のあることだと思えば共有すればいいのです。
例えばこの人と居ると自分らしく自然に振る舞えるというのは素晴らしいメリットですよね。
ゴールがあってその関係性が必要かどうかが決まります。
相手との関係性を深くするのか、そこで終わらせるのかはゴール次第です。
そしてその決定権は全てあなたにあるということです。
5-3.猜疑心は自分の人生を生きれているかのバロメーターになる
先に私もかつては猜疑心が強かったということをお伝えしましたが今はほとんど意識に上ってきません。
その理由はコーチングを使うことで自由に自分の人生を生きることが出来ているからです。
そもそも現状の外側にゴールを設定して現状そのものを変えていく訳ですから現状への執着という概念がありません。
つまり嫌な人、自分を利用しようとしてくる人とは関わらなければいいだけですし、気の進まないことを続ける必要もないということが分かっているからです。
何より毎日やりたいことだらけなのでそのような付き合いに時間を当てられないというのが本音です。
もちろん一足飛びにそのような考え方ができるようになったわけではありません。
ですが、
- 自分がどうなりたいのか?
- どんな人でありたいのか?
- どういう人たちと生きて行きたいのか?
を自問自答する(ゴールを意識する)ことで見えてきます。
すると、現状や現状の自分なんて思い通りに変えればいいということがわかりますし、そのほうが圧倒的に楽しいことに気がつきます。
どこに行ってもいいし、どんな自分になってもいいのです。
なぜなら心から望んでいない現状を目くじら立てて守る必要なんてないからです。
これに気がつくと過去にあなたに理不尽なことをした人も現状を守るために短絡的な行動を取ってしまった”現状にとらわれている不自由な人”ということがわかります。
私もこの仕組みが見えて他者の理不尽な行動を感情的にならず理解し、また自分の過去の身勝手な振る舞いを反省しました。
猜疑心は感情なので自然に感じるものです。
ですが、それに支配されそうになったら『しっかり自分のゴールを意識する』ということを実践してみてください。
ゴール、すなわちどうなりたいのか?、理想的な自分の振る舞いや役割、関係性などが見えると猜疑心はスコトーマ(盲点)に隠れます。
まとめ
猜疑心が強い原因とは〜無理なく人を信じられるようになる方法〜
- 猜疑心はネガティブな感情だが、感情を抱くことそのものは悪いことではない
- ”猜疑心に苛まれる”とはPCのフリーズ(無限ループ)
- 人を疑う原因は損失を避けたいから
- 妬みや嫉妬が良くないのは自分を上げようとせずに相手を下げようとするから
- 目指すのはライバルに勝つことではなく理想の自分であり続けること
- 『自分は結局どうなりたいのか?』と自問自答してみる
- ネガティブな感情を抱いている時というのはクリエイティブなことができない
- 猜疑心の強い人は自分の損得が最優先になっている傾向
- 猜疑心の強い人はネガティブな思考が暴走しがち
- ネガティブ思考の一人歩きは過去の辛い体験を避けるための過度のシミュレーション
- 猜疑心の強い人は自分視点が強いため話や状況を誤解してしまう
- ネガティブな人はネガティブな部分が誇張されるフィルターが掛かっている
- 納得できていない現状にも現状維持のゴール設定がなされている
- 現状を意識に上げ、猜疑心に苛まれながら守るような価値はないと知る
- 猜疑心が強くなった相手のゴールを観る
- ゴールがあってその関係性が必要かどうかが決まる
- やりたいことがある人は他人よりも自分のゴール(未来)を観ている
- 心から望んでいない現状を目くじら立てて守る必要なんてない
参考になれば幸いです。
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