こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
『ありのままの自分でいいのよ!』
『あなたらしく自然体でいればいいわ。』
『誰かのまねをする必要なんて無い。』
このような言葉を掛けられたことはありませんか?
私は幼少期にこのようなことを言われていた記憶があります。(何かが上手くいかなくて慰められた場面でした)
また世界的にヒットしたディズニーアニメーションでも主題歌でこのようなフレーズが繰り返し歌われていました。もちろん一歩踏み出すときに自分を認める(信じる)ことはとても重要なことです。
しかしプロコーチの立場から見ると、『どんな自分でもあなたなのよ。無理しないで。』という言葉には注意が必要だと感じています。それは私のコーチとしての活動の中で、『どんな人でも、望む自分になることが出来る。』と確信しているからです。
現状の自分に納得できていないにもかかわらず、『そのままでいいか』『無理はよくないよね』と今の状態を認めようというのはその人の人生にとってかなりマイナスだと考えるからです。
今回の記事では『なりたい自分になる方法と「ありのままの自分」って結局どういうことなのか?』について解説していきます。ぼんやりとした『ありのままの自分』というイメージをコーチング理論を使って定義していき、なりたい自分になる方法を解説していきます。
1.ありのままの自分という曖昧さ
普段、私たちは”ありのまま”とはどういう意味で使っているでしょうか?
あり‐の‐まま【有りの×儘】
- 実際にあるとおり。偽りのない姿。ありてい。「―の話」「―を見せる」
出典:デジタル大辞泉
と、あります。
この場合、”ありのままの自分”とは『実際にあるとおりの自分の偽りのない姿』ということになります。私のやっているコーチング的にいいますと、『現状の自分』ですね。
現状の自分とは物理的なあなたそのものですし、あなたの考え方、信念、生き方、周りの人たちとの関係性などあなたに関する現時点での全情報を指します。
少し無理しているのかなと感じる人に対して、周りが『ありのままの○○さんでいいと思うよ!』というアドバイスはよく聞かれるのではないかと思います。私も同じような言葉を掛けてもらったことがありますし、過去に掛けたこともあります。
ですが”伝えたかったこと”としては『もう少しリラックスしたら?』とか『気軽に行こうよ!』ということではないでしょうか?なぜならその方がその人らしさを発揮してパフォーマンスも上がると思えるからです。
決して『あなたの能力以上のことをしなくてもいいですよ。』ということではありませんよね?
もちろん、言葉通り受けとっている人は殆どいないと思いますが”ありのままの自分”ってなんだ?・・・と考えていくとよくわからなくなり、結局モヤモヤしたままになっていませんか?
なのでここでは、”ありのままの自分”=”現状の自分”と定義していきます。
ありのままの自分=現状の自分とは、
- 今の自分、現状の自分の自然な姿・振る舞い
- 現状の自分とは過去のゴール設定の結果
- 現状の自分は固定されたものではなく、常に移り変わっている
- 現状の自分は未来にゴールを設定することで科学的に変えることができる
ということです。
順番に解説していきます。
2.”自分はどんな人か?”を確認する方法
あなたの思う(認識している)現状の自分は過去の記憶から来ています。
では、質問です!
あなたはどんな人ですか?
- 気が短い
- 集中力が人一倍ある、一点集中型だ
- 人に相談をされやすい
- 正義感が強い
- 努力家
- 勉強熱心
などなど、いろいろ出てきますよね?
自分でも納得している部分もあるでしょうし、他人から言われて初めて『あっ、そうなんだ!』と思うところもあると思います。自分で認識している”自分像”は過去に経験した記憶であったり、過去に他人から『○○さんてXXXだよね!』という言葉を受け入れたことによって作られています。
自分に影響力の大きかった両親、家族、学校の先生、友人などの言葉やエピソーディックな記憶によって『自分は〇〇だ』という情報を受け取ります。(悪く言えば刷り込まれます)
それらが降り積もって自己イメージが形成されます。
もし『あなたはどんな人ですか?』という質問に答えようとして『え〜〜〜と・・・』と考えるとき、過去のエピソードなんかを思い返しますよね?
それは過去の記憶やエピソードがあなたのセルフイメージを作り上げているからです。セルフイメージとは文字通り自己イメージ、”あなたが認識しているあなた”ということです。
私たちは特別に意識しない限りどんな時であってもセルフイメージの通りに振る舞おうとします。
つまり、
過去の記憶、エピソード
↓
セルフイメージ
↓
現状のあなた
ということです。
3.”ありのまま”は過去から出来ている
ということは、今あなたが認識している『ありのままの自分』というのは過去によって作られています。正確には過去に受け取った情報をあなたが受け入れて『自分は〇〇だ』という今のあなたが出来上がっています。
ここで重要なことは、ありのままの自分を受け入れるというのはいいことですし、ある意味では必要なことかもしれません。
ですが、もし現状の自分が好きになれない、もしくは新しい自分になりたいというのであれば現状の自分は関係ありません。(というより気にしてはいけません)現状の自分は過去の記憶で出来ているのですから、過去に思い出したくないエピソードや記憶がある人は受け入れがたいこともあるでしょう。
ですから『ありのままの自分』なんて所詮過去の自分、それに大満足なのであれば受け入れればいいし、とても納得できないのであれば拒否すればいいのです。
先述しましたが、今の自分は固定されたものではなく、移り変わっている存在で積極的に変えて行けますからね。
4.納得できない自分をどう考えるのか
『そうはいっても、自分を好きになりたい気持ちはあるのに出来ないから辛いんだ!』と思われている人もいると思います。
先に結論をいいますと、無理に”今の自分”を好きになるのではなく、魅力的な愛すべき自分になればいいのです。(現状は固定されていませんから)
この記事のテーマの『なりたい自分』であり、その自分が当たり前、つまり『ありのままの自分』と認識すればいいわけです。
そのためには未来に働きかける必要があります。(ゴール設定です)
イメージ的には未来の理想的な自分(ゴール側の自分)を設定・設計してその通り振る舞っていく感じです。
ゴール設定というと『〇〇を達成する』『〇〇を手に入れる』のようなイメージが強いですが『自分は〇〇だ』という”あり方”も含みます。
ここであなたの『心からなりたい自分』を詳しく、大胆に設定すればいいわけです。
ゴール設定に関しては『ゴール設定の方法〜劇的な変化を体感するコーチングの基本〜』を参考にしてみてください。
クライアントさんが自分でも気づいていない理想的な未来に行くサポートするのがコーチです。
例えば、控えめで異性になかなか話しかけることが出来ずにいる人が積極的にコミュニケーションを取って恋人が出来たなんていうことは当たり前におこるわけです。(おこせます)
どうやって出来たのかといえば、その人のセルフイメージを書き換えただけです。
ありのままの自分を受け入れることが出来なくて苦しんでいる人は多いですが、考えてみれば当たり前です。好きでもない、好きになれない自分を受け入れろと言われていることと同じだからです。
自分ではなくて、気に入らない他人を好きになれと言われたら『ふざけんじゃない!!』となりますよね?
ですが、理想の自分だったらどうですか?もしくは理想に近づこうとしている自分だったらどうですか?
受け入れることが出来るし、好きになることだって出来ますよね?
大事なことなのでもう一度言いますね。『現状の自分=ありのままの自分』は固定されていません。自由に変えることができます。
5.なりたい自分は作ることが出来る
ここまでで、ありのままの自分は過去の記憶で出来た現状の自分ということをお伝えしてきました。そして現状の自分はいまいち納得できない、好きになれないというのであればセルフイメージを書き換えてしまえばいいということでした。
書き換えるというと、
- 違う自分になるのではないか?
- 不自然なことになるのではないか?
- 無理がかかるのではないか?
と思われるかもしれませんが、心配いりません。
例えば、セルフコーチングの重要なスキルの一つに”セルフトークのコントロール”というものがあります。
セルフトークとは心の声のことで、ほとんどが無意識に発しています。その数はなんと1日に6万回ともいわれています。
ちなみにセルフトークは先に紹介したセルフイメージを作っています。1日の6万回ものセルフトークを自分に語りかけることによってセルフイメージが形成されているのです。
自分に自信がない、自分のことが好きではないという人は100%ネガティブなセルフトークを繰り返しています。
少しおさらいをしておきましょう。
過去の記憶、エピソード、周りの人の声や評価を受け入れる
↓
『自分は〇〇なんだなぁ・・・』というセルフトーク(1日に6万回の心の声)
↓
”自分は〇〇な人間だ!”というセルフイメージが出来上がる
ということでした。
もし、あなたが現状の自分に納得できていないということでしたら、過去に周りから理不尽な評価、不本意な評価を受け入れてしまったということです。
その結果、不本意な自分が出来上がってしまったのです。
では、なりたい自分になるにはどうすればいいかというと、なりたい自分・理想の自分のセルフイメージに相応しいセルフトークに書き換えて行けばいいのです。
これは先に書いた『ゴール側の自分』に相応しいセルフトークということですね。
具体的は方法はというと、1日6万回の無意識下で繰り返されているセルフトークを意識に上げることです。
無意識にやっていることはなかなかコントロールできませんが、意識に上げることでコントロール可能です。
例えば、大事な場面でいつも失敗する人が失敗した時のセルフトーク(心の声)はどうなっているかというと、『また失敗した・・・、自分はここぞという時にいつも結果を残せないんだよな・・・』と発していることでしょう。
そしてさらに『自分は大事な場面で結果を残せない人』というセルフイメージを強化してしまうのです。
多くの人がやってしまうのは失敗そのものを無くそうとします。間違いではないですが、もっと先にすることは、『自分はどんな場面でも実力を発揮できる人だ!』というセルフイメージを作ることです。
このセルフイメージが出来ていれば、ミスをすることはあっても場面や緊張で極端に失敗率が上がるということは無くなります。
このセルフイメージを書き換えるためにすることがセルフトークのコントロールです。
いつも通り大事な場面でミスした自分に『こんなとこでミスをするなんて、自分らしくない。次は絶対成功させるぞ!』という具合にです。
ものすごく簡単ですよね。簡単すぎて効果を疑っていますか?
ですが、この効果は抜群です。
なぜなら現状のあなたのセルフイメージもこのように形成されていったからです。そして日々強化されています。過去の周囲の言葉(ネガティブなものもポジティブなものも)を1度や2度で受け入れたわけではないですよね?
繰り返すことでセルフイメージが形成されていったのです。
例えば、あなたの頭の中に”可能性と成功のみを信じてポジティブな言葉をかけてくれる理想の上司”と”不平不満や出来なかった所の指摘しかしてこないパワハラ上司”がいるとしたらどうでしょうか?
どちらに発言権を与えるかであなたのパフォーマンスは全く変わってくると思いませんか?
もちろん素晴らしいパフォーマンスを発揮している人、チーム、組織は前者に発言権を与え、後者は黙らせています。
今度はあなたが望む自分、なりたい自分になるためのセルフトークを繰り返し語りかければいいのです。
普段は気にも留めなかったような些細なことでも良いことであれば『いいぞ!自分らしい!!』と大袈裟なくらい喜び、認めるべきです。実際、すごい人は無意識レベルでやっているのです。
ネガティブなことであれば『自分らしくないな、今度はもっとXXXしよう!』という具合にできるだけ意識に上げ、丁寧に修正していきます。
2週間も徹底すれば自然に(無意識に)ポジティブなセルフトークを言っている自分に気がつくと思います。
セルフイメージに落とし込めるまで続けて行ってみてください。
セルフトークのコントロールに関しては『セルフトークとは何か 〜マネジメントから例文まで実践的な使い方〜』を参考にしてみてください。
6.今どんな自分でも科学的に自分を信じる方法【動画解説】
まとめ
今回は『なりたい自分になる方法とありのままの自分』をコーチング理論で解説してきました。
自分を認められないというのは辛いものです。その人に『ありのままの自分を認めてあげて』というのは酷ですし、もっと追い詰めてしまうでしょう。
結論は『ありのままの自分なんて認める必要はなくて、それより科学的な方法で最短でなりたい自分になってしまおう』ということです。それは過去に自分に対して影響力のあった人から刷り込まれた自分のままでいる必要は全くないからです。
今、あなたが認識している”ありのままの自分=現状の自分”は過去のものでできています。それに不満があれば、あなたのなりたい自分を未来に作ればいいのです。(ゴール側の自分です)
その具体的な方法として、ゴール側の自分に相応しいセルフトークのコントロールをお伝えしました。
科学的に効果の証明された確実な方法です。
焦らずに小さな変化を楽しみながら実践してみて下さい。
参考になれば幸いです。
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