こんにちは。
プロフェッショナルコーチの中原宏幸( @coach_nakahara)です!
『もうこんな自分は嫌だ!!』
『今度こそ絶対に変わる!!』
このように口では言っていても全く行動が伴わない人っていますよね?(もし現在のあなたがそうであっても大丈夫です)
例えばスマートな人からすると、肥満で痩せたいと言っているのにダイエットできない人って意思が弱いのかなあと思ってしまいますよね?
でも実は意思の強さは関係ありません。
マインド(脳と心)の仕組みを理解することで痩せることは可能なのです。
今回の記事では『変わりたいと思っているのに行動しない人の心理と行動するためのワーク』を解説していきます。
”元・行動しない人”の私にはよくわかるのですが、行動できない自分を当然目の当たりにするので本人も結構辛いです。(真剣に悩まれている人も多いです)
無理なく行動できるマインドの使い方をマスターしていただきたいと思います。
1.行動しない人の心理
『自分を変えたい、改善したいのに・・・、行動したいと思っているけど出来ないんです・・・』
このように悩んでいる人は多いです。(私もそうでした)
そして変われない自分を一番身近に見ていて辛いということも知っています。
ですが敢えて言います。
あなたの無意識は変わりたいなんて思っていないんです。
本当に心から何かをやりたいと思ったら、周りから止められてもやっているでしょう。
どんなに現状、現状の自分に文句を言っていても、泣きたいくらい嫌な自分なのに実は心地よく思ってしまっているのです。
さらにいうと悩んでいる自分も大好きなのです。(どうか怒らないでください)
これはその人が変わっているということではなく、私たちに備わっている機能なんです。
実は私たちのマインド(脳と心)は安定している状態が大好きです。
私たちの脳は安定した状態に落ち着き、その状態をキープしようとする働きがあるということです。
この機能を恒常性維持機能(ホメオスタシス)といいます。
例えば新しい職場に入って、初めのうちは違和感を感じたり、納得できないことだらけだったにもかかわらず、半年もするとすっかり馴染んでしまっていることって多くの人が経験されていることではないかと思います。
しかも独特の連帯感さえ生まれていたりしますよね?(コンフォートゾーン)
これは私たちが適応したということなのですが、別の言い方をしますと不安定な状態から安定的な状態になったといえるわけです。
このように一度安定してしまうとそこで場所や人間関係にコンフォートゾーンが形成されます。
コンフォートゾーンとは私たちが心地よく感じる空間や落ち着ける関係性という意味です。
また自分に対しては『自分は〇〇だ』というセルフイメージが出来上がってしまいます。
もちろん適切なコンフォートゾーンやセルフイメージができることは素晴らしいことです。
適切な状態をより長く維持するように働く機能なわけですから。
しかしこの機能は私たちが適切と思っていようがいまいが一度安定してしまうと、その状態をキープしてしまうということです。
それは肥満や喫煙、などネガティブな習慣にも当然作用しているということです。
このネガティブな安定状態を止めようとしても多くの場合は失敗してしまいます。
意識の深くまで浸透したホメオスタシスの力はとても強いのです。
また一時的に成功したダイエットがリバウンドでさらに元の体重より増えてしまったというのもホメオスタシスの働きによるものです。
ですから行動できない、行動が続かない、行動しないというのは意志の強さとは関係ありません。
2.ノウハウでは人は変わらない
よくノウハウやテクニックばかり知りたがる人がいます。
このブログでも、コーチングスキルを知りたいというメールをいただきますが、多くの場合もっと効果のある方法を知りたいといったものです。(真面目に取り組んでもらうと人生が変わってしまうような方法ばかりなのですが・・・笑)
『このワークをこれだけやってみたのですが・・・アドバイスを下さい。』という内容は少ないです。
もちろんどうせ取り組むなら最も効果のある方法をやりたいという気持ちはわかるのですが、できるだけ楽をして・・・というのは微妙なのです。(楽そのものが悪いわけではありません)
というのも楽というのは、できるだけ現状のままで・・・ということだからです。
詳しくは後述しますが、変わりたいというのは現状の自分を変えたいということです。
ですから、極論をいうと現状の範囲内のことをやっていたのでは変われる可能性は低いのです。
第三者から見て『あの人変わったね・・・』というくらい、人が変わることができるのは現状のコンフォートゾーンからゴール側のコンフォートゾーンに移った時だけだからです。
どんなダイエット方法を試したところでコンフォートゾーンを変えない限り戻ってしまうでしょう。(リバウンドですね)
ダイエットでしたら私は『空腹が快感になったら勝手に痩せますよ!』とアドバイスしています。
つまりコンフォートゾーンを『空腹時は幸せだよ!』というふうに書き換えるということです。
考えてみれば当たり前で、誰からも魅力的なスタイルの人が『満腹の時って本当に幸せ!』って思っているはずないですからね。
ダイエットに成功した人は体験していると思いますが、空腹感て結構気持ちいいものです。
頭はスッキリしていますし、クリエイティブになれます。(活力のある状態といえます)
対して満腹状態は食欲を満たした快感しかありません。(頭もぼーっとしませんか?)
このようにノウハウやスキルは実際に試してみて自分の体感で感じて味わう必要があります。
そのためには行動が欠かせません。
ですからノウハウやスキルを手に入れた後、しっかり行動して体感に落とし込むことが重要になってきます。
3.行動しない人は”現状の自分”大好きさん
先に述べた通り、意識では納得していなくても行動しない人は”現状の自分大好きさん”です。
ですが、納得していない、現状に耐えられない、という状況は変えていかなくてはいけません。
先ずはじめにやることは”現状の自分大好き”から”変わってゆく自分大好き”に書き換えることです。
何でもかんでも安定する必要はないということを体感に落とす必要があります。
身近なワークからやっていきます。
- いつもと違う道から帰ってみる
- 寄り道しない人は知らない店に入ってみる
- ズボンを履くとき反対の足から通してみる
- コンビニの店員さんに話しかけてみる
- 普段読まないジャンルの本を読んでみる
これは何をしているのかというと、現状のあなたがやらないことを意図的にやることで現状を揺るがせています。
この後のコンフォートゾーンを移行する訓練でもありますし、変わったことをすることを当たり前にするワークといえます。
4.現状にとらわれないための時間を超えた目標設定
行動しない人は現状に居心地のよさを感じているからです。(不満だらけに思っていても)
ここでは行動して現状を離れた後の着地点であるゴール設定について解説します。
ゴール設定とはコーチングの最も基本であり、最も重要な事柄です。
コーチングでいうゴールとは『自分自身の未来の理想的な姿』です。
自分自身はもちろん、環境、見える景色、人間関係など、ご自身と関係性も含めて理想的な状態がゴールと言えます。
コーチングで最も重要で、最も難しいのがゴール設定です。
ゴール設定を目標設定と同じものと捉えていらっしゃる人がいますが、根本的に異なるものです。
4-1.コーチングのゴール設定
コーチングのゴール設定には2つの制約があります。
想像しただけでワクワクしてしまうくらい大好きなこと
現状の自分からは達成方法が分からないくらい大きなもの
です。1.は当たり前ですが自分が大好きなことでないとゴールになりません。
『代々、医者の家系で自分も小さい頃から家族に期待されているから医者になる!』というのはゴールではありません。
それがどんなに社会的地位のある職業でもです。
2 .は医者の例えに関係しています。
私たちはどんな人でも洗脳されています。主に身近な大人やテレビなどです。
洗脳というと若干オーバーに聞こえますが、価値観を刷り込まれているということです。
私たちの無意識の選択の7割は親のコピーだと言われています。
ですから自分で選択したつもりになっていても、誰かの価値観を自分の価値観だと思っていることがほとんどなのです。
もし仮に誰かの受け売りのゴールが達成されたとしたらどうでしょうか?
社会的地位もあって順風満帆に見えるのに何か満たされないと感じている人は多いです。
その原因はゴールが自分のものではないことです。(他人のゴールを叶えてしまったから満たされないのです)
自分の本当にやりたいゴールを見つけるためには今の自分の価値観で判断していたのでは見つかりません。
ですから、現状の外側へゴールを設定して現状を飛び出してみる必要があるのです。(現状とは自分にとって重要なものに囲まれた場所のことです)
ゴール設定に関して詳しくは『ゴール設定を正しくすることで劇的な変化を体感する方法』をご覧ください。
ゴール設定の素晴らしいところは時間を超えているということです。
現状の自分、ゴール側の自分というふうに考えることで理想的な未来の自分の視点から現状を俯瞰することができるということです。(それが大きな魅力の一つなのですが)
すると、現状で湧き上がってきた情動に勝つことができます。
正確には勝つというより、俯瞰によって情動がしぼんでいくイメージです。
たわいもない例えですが、深夜にどうしてもカップラーメンが食べたくなった時、完璧なスタイルの自分から俯瞰できれば、そんなジャンクフード食べるなんて自分らしくない・・・という感じに情動を冷静に対処できますよね。
5.行動してすぐやめてしまう人は”本当の楽しい”を知らない
行動はできるんだけど、続かないという悩みも多いですね。
この場合、その人の”楽しい”という感覚がずれている可能性があります。
”楽しい=楽”と思っている人が多いように感じます。(辛いわけでもないのです)
ゴールを追いかけることは最高に楽しいけど、楽なことではないというのが本当のところです。
楽というのは惰性で済んでしまうこと、つまり現状の中のことを指します。
つまり現状の中でそこそこ楽しむというもので、最高に楽しいゴールを追いかけるということとは本質的に違います。
もちろんどちらを選ぶかはその人次第ということになりますが・・・
私個人的にはどちらも知っているのが一番楽しいと思っています。
とくに現状のコンフォートゾーンを出たばかりの時は強烈な違和感を感じますし、辛いと感じます。(もちろん人によりますが)
この違和感やしんどさに耐えて(慣れて)ゴール側に行くか、現状に戻るかが臨場感の強さの勝負ということです。
ですから先ずは知識として自分の現状を超えるようなゴールを追いかけるのはしんどいということを知っておいて、さらに実際行動して体感してみることです。
私の経験でいいますと学生時代に運動部でしごかれたとか、ブラック企業で奴隷のように働かされていた体感は結構使えます。
『どうでもいい会社でどうでもいい仕事をあんなにやっていたんだから、大好きなゴールのためならこんなの楽勝!!』といった具合です。(あくまでしんどさに慣れるまで、最初のうちはということです)
6.行動しない人を卒業するためのワーク
行動しない人というのは現状を変えたくない人だということはお伝えした通りです。
逆に言えば、現状を変えたいと思えば行動できてしまうということです。
そのためには現状ではないところにゴールを設定して、そこの臨場感を高めることです。(すごくシンプルです)
つまり『自分がいるべきところはここじゃない!』、『こんな状況なんてありえない!!』そして『あんな風になるべきだ!!』と思えるようになればいいということです。
詳しく詰めていくと少し大掛かりな作業になってしまうので最後に紹介しますが、ここではどのように現状から理想的なゴールへ臨場感を動かすのかを解説していきます。
ダイエットの例で見ていきましょう。
あなたが憧れているモデル、俳優、ミュージシャンなど、あの人のようになりたいと思う人がいて、その人の体型を目指してダイエットを決意したとします。
ですが3日も経てば、”あの時の決意は何処へやら・・・”という状況ではないかと思います。
その理由は幾つかあると思いますが、一言でいうと”ゴール側の臨場感が足らなかった”ということです。
モデルに憧れている場合、ただその人のスタイル(結果)を見ただけで、なぜそのモデルはそのスタイルをキープできているのかということを見ていないのです。
例えばですが、
- 自分は世界で活躍するトップモデルだというセルフイメージがある
(実際にそうであるかは関係ありません) - 体型だけでなく内側のケアも楽しんで出来ている
- 心を整えるためにヨーガなどを毎日欠かさず実践している
- オーガニックな食べ物の知識もかなり勉強している
などなど、これらを当たり前のこととして実行しているはずです。
つまり人々を魅了するスタイルはこれらのセルフイメージの結果ということです。
ゴール側のセルフイメージがあるから現状とのギャップが生まれ、それがモチベーションとなるのです。
では私たちがモデルのようなスタイルを手に入れるためにはどうするかというと、このセルフイメージの可能な部分を取り入れていけばいいでしょう。
つまり、ゴール側のセルフイメージ(モチベーション)を作るということです。(理想的なスタイルという結果だけでは全然臨場感が足りないということです)
- 職場の人たち、友だちにいつも羨ましがられるような体型でいる
- 内面から伝わるような美しさと自信を持っている
- ダイエットの相談やアドバイスをしている
- 周りの友達が綺麗になって嬉しい
このようなゴール側のセルフイメージを意識することで理想の自分の臨場感を上げているということです。
また同時に現状の自分の臨場感を下げて、行動するモチベーションが生まれているということです。
できるだけ毎日、最低朝晩は意識的に感じれるようにして下さい。
スマホのロック画面などにセルフイメージを書いた画像を設定しておくのはオススメです。
夜中に急に何か食べたくなった時、ゴール側のセルフイメージに則って判断して下さいね。
さらにゴール側のセルフイメージ、コンフォートゾーンのリアルに感じたい人はアファメーションに挑戦してみてください。
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まとめ
『変わりたいと思っているのに行動しない人の心理と行動するためのワーク』
- 行動できないあなたの無意識は変わりたいなんて思っていない
- 本当に心から何かをやりたいと思ったら、周りから止められてもやっている
- 私たちの脳は安定した状態に落ち着き、その状態をキープしようとする働きがある(ホメオスタシス)
- 適切なコンフォートゾーンやセルフイメージができることは素晴らしいこと
- 現状の範囲内のことをやっていたのでは変われる可能性は低い
- 理想的な未来の自分の視点から現状を俯瞰する
- 楽というのは惰性で済んでしまうこと、つまり現状の中のこと
- ゴール側のセルフイメージがあるから現状とのギャップが生まれる
- ゴール側のセルフイメージ(モチベーション)を作る
行動して現状を変える第一歩は着地点、すなわちゴール設定です。
体感を意識しながら楽しんでやっていただけたら幸いです。