この記事を読んでいるあなたは『何とかして今の自分を変えたい・・・』と思っているのではと思います。
動機はさまざまあると思います。
今の自分に納得できないからかもしれませんし、さらに最高な自分になりたいからかもしれません。
私はプロコーチになる前、どうにかして自分を変えようといろんな方法を学び試してきました。
ですが、全くと言っていいほど結果が出ませんでした。
一時的に変化は起こるものの、気が付くと(油断すると)状態に戻ってしまっていました。
その理由は一般的に知られている方法論が”今の自分に対しての働きかけ”だからです。
この記事では『今の自分を変える方法〜今すぐできる習慣と行動が未来を作る』を科学的なコーチングで解説していきます。
先に結論を言いますと、『今の自分を変えるためには未来の自分に働きかけること』です。
あなたが未来の自分をイメージできて、ビジョンが見えて、そこに向かって行動を積み重ねることで今の自分が変化していきます。
そのシンプルな仕組みと今日から使える実践的な方法をご紹介します。
今の自分を変えるのは不可能?
今の自分を変えるというのは実は不可能です。
と、いうのも”今の自分”というのは一瞬にして過去の自分になってしまうからです。(言葉遊びではなくです)
もちろん”今の自分”と言った時、多くの人がイメージするのは”何もしなければこの先ずっと続くであろう代り映えのしない自分”というニュアンスだと思います。
努力家や真面目な人は”今の自分”を変えようと新しいことを始めたり、悪い(と思っている)習慣を断とうと頑張った経験があると思います。
ですが三日坊主という言葉どおり、習慣化させることが出来ず、多くの人が短期間で諦めてしまいます。
彼らが行ったのはまさに”今の自分”に対する働きかけです。
目標を立てて行動に移せたことは素晴らしいのですが、この方法論で自分を変えるというのは難しいです。
今の自分を変えるのためには未来の自分を作る
では”今の自分を変える正しい方法”とはどのようなものでしょうか。
設計図があって製品ができる
ところであなたは今、この記事をどんな端末で読んでいますか?
私はアップル製品が好きなのでこの記事をMacBookで書きました。
世の中には数え切れないくらいの製品がありますが、共通していることがあります。
それは設計図が先にあって、製品が作られたということです。
もちろん設計図が実際に引かれたかどうかはともかく、アイディアが製作者(発案者)の頭の中に出来て、それが物理的に作られたということです。
未来のイメージがあってそれに今の自分が追従する
実は私たちが”今の自分を変えたい”、つまり新しい自分になりたいと思った時もこれと全く同じです。
先に設計図があって(作って)、製品が作られたように、新しい自分が脳の中にイメージされて、それが今の自分に降りてくるイメージですね。
先述した通り、『今の自分を変えるためには未来の自分に働きかけること』が必要になります。
そのためには先ずは『今の自分をどう変えたいのか』つまり、どんな自分になりたいのかという『未来の自分』を設定、設計する必要があります。
理想の未来の自分をリアリティ高くイメージ出来てくると徐々に今の自分に違和感を感じるようになります。
これは基準が未来の自分に移行したため、つまり設計図を基準に今の自分を観れているという状態です。
すると、『あれ、おかしいな・・・』『これはあり得ないよね』と思うことが増えてきます。
こうなると半自動的に今の自分を変えて行けます。
なぜなら本人としては自分らしくない状態を自分にふさわしい状態に戻しているだけだからです。
ここに頑張るとか努力という概念は存在していません。
今の自分と”理想的な未来の自分”がかけ離れているのは良いこと
今の自分を変えようと思った時に現状の自分と理想の自分があまりに違うことで理想を下げてしまう人がいます。
つまり現状ベースで考え直してしまう人が多いということですね。
これはもったいないですし、考え方が完全に間違っています。
詳しくは後述していますが、今の自分というのは何の意図もなく無意識に受け入れた親のコピーである可能性が高いわけです。
ここを基準に未来を選択すると親のコピーの延長線上に未来が広がるということです。
これではたとえゴールが達成されても心が満たされることはないでしょう。(親は喜ぶかもしれませんが)
自分は変わったと思っても違和感を持ち続けることになります。
私は親の価値観の中で頑張っていた期間が長かったので何度も体感していますが達成できても空虚なのです。
今の自分を変えたいと思ったらとにかく現状にとらわれないことが重要です。
そのためにはゴール基準、未来基準で先に設計図を用意する必要がありますね。
なりたい自分はどんな人?〜ゴール側の自分〜
あなたの”理想的な未来の自分”はどんな人でしょうか?
実は自分を変えるにあたって、もっとも重要なのがこのゴール設定です。
コーチングではあり方のゴールといいます。
ドライブや旅行でいえばカーナビの目的地設定ですね。
『理想の自分なんていくらでも思いつくよ』という人から全然イメージが浮かばないという人までいると思います。
まだ全然イメージできない人も具体的な方法を後述していますのでご安心ください。
ゴール設定でもっとも重要なことは自己責任で設定するということです。
例えば今まで自分が出会った人の良いところを詰め合わせたような”あり方のゴール”もやろうと思えば設定できてしまいます。
ですが、それではうまくいかない可能性が非常に高いと思います。
なぜなら本気でそれをあなたの人生時間と情熱をかけて追いかけることができるのか?という問題があるからです。
もちろん他者からの影響を全く受けないでイメージすることは不可能です。
すでに自分の中にイメージがあって絶対こんな自分になりたいと思えてれば素晴らしいことです。
また『自分はどんな人間でありたいのか?』と自問自答してみるのも有効です。
その際は他のゴールに照らし合わせて考えることをおすすめします。
例えば仕事のゴールで『信頼できる仲間と自分たちの得意なことで社会に機能を果たし最高の満足感を感じている』というイメージがあるとします。
- そこでの自分はどんな人間なのか?
- 周りの人にどんな言葉をかけているのか?
- ビジネスの相手にどんな態度で接しているだろうか?
- 家族に対してはどうだろうか?
- 今の自分とどう違うのだろうか?
など掘り下げていくと理想の未来の自分が見えてきます。
ポイントは今の自分とかけ離れている方が良いということです。
ゴール設定に関しては『ゴール設定の方法〜劇的な変化を体感するコーチングの基本〜』を参考にしてみて下さい。
すでに自分はすごいという事実を認める
私はプロコーチをしていて感じるのは”今の自分を変えたい”と思っている人は自己評価が低い傾向にあるということです。
自分に対してネガティブなイメージを持っている人が多いと感じます。
先日した通り、”今の自分を変える”というのは今の自分を基準に変えていくことではありません。
未来のイメージ(設計図)を作って、そこを基準にして今の自分を作り変えていくわけです。
つまり今の自分や過去の自分は全く関係ないということになります。
今の自分や過去どうだったかということに縛られてはいけません。
今この瞬間の自分の評価は全く重要ではない。
なぜなら今の自分の基準も含めてどんな自分になるのかを過去に囚われず未来に設計しようとしているからです。
現状の外のゴールに向かって行っている人、つまり今の自分を変えようとしている人は今がどうであるかに関わらずリスペクトすべきということです。
実際、新しい自分になるというのは映画などのストーリーでも目にしますよね。
現状(旧世界)が崩壊して、冒険への誘いがあって新しい世界へ旅立つわけです。
観ている側からすると最初はよちよち歩き状態でイライラすることもありますが、その決断と踏み出した一歩をリスペクトせずにはいられません。
当然あなた自身も偉大なゴール側の自分への道を歩み始めたすごい人ですよ。(自分ではそう思えなくても”みなす”ことが重要です)
今の自分の人生は誰が決めた人生?
私がコーチングを学んでプロコーチになってよかったと思うことの一つは過去から自由になれたことです。
強烈なトラウマがあったとか、生きることが辛かったというわけではないのですが新しいことを始める上でいつも”不自由さ”を感じていました。
マインド(脳と心)の仕組み、使い方が理解できるとそれが過去に私が受け取って採用した情報によるものだと理解できました。
現状はあなたが選んだものばかりではない
過去の記事で『現状はあなたの過去のゴールの結果です。』ということをよくお伝えしています。
理論的には全くその通りなのですが、実際は少し異なります。
本来ゴール(理想の未来)というのは先述した通り自己責任において設定するものです。
しかし実際はというと、無意識に受け入れてしまっている価値観や信念などが無数に入り込んでいるのです。
例えば、コーヒーが好きな家庭で育った人は当たり前ですが高い確率でコーヒー好きになるでしょう。
一方コーヒーやカフェインに対して悪いイメージを持っている親を持つ人は、コーヒーに対して良い印象は持っていないケースが多いです。
この場合、コーヒーに対しての価値観は私たちは自分で選択したとは言えません。
もちろん新しい概念や信念に触れるたびに精査するわけにもいきませんから当然といえば当然です。
つまり、はっきり言ってしまえば親のコピーなのです。
カフェインのメリットとデメリットの説明を受けて、この先コーヒーを飲むかどうかを決めた人は殆どいませんよね。
実はこのようなことは結構あります。
- 犬派か猫派?
- お酒の量、飲み方
- 普段のテンション
- 朝はパン派ご飯派?
など、無意識の選択は殆ど親のコピーと言われています。
もちろん、どっちでもいいのでは?
と思うものも沢山あります。
自分の採用している信念を知る
実際、私たちが朝食に何を食べようがどうでもいいことです。
ただゴールに関係するものではそうも言っていられません。
私の例で説明しますと、10代の頃に初めてライブをすることになりました。
恥ずかしながら当時の私はライブで演奏すれば観客が勝手に盛り上がってくれると思っていたのです。(プロのライブのように)
しかし実際はヴォーカルの人が一生懸命盛り上げていました。(当時はギターでした)
ヴォーカルの人には本当に感謝しました。
そこで思ったのが、『自分がもしもヴォーカルで観客を煽って盛り上げなければいけなかったらライブ中止していたかも、、、』ということでした。
なぜなら私はギターを弾くことは誰にも負けないくらい好きでしたが、人前で自分が中心になって盛り上がるなど考えられなかったからです。
その理由はもちろん私の親が人前に出て騒ぐようは人ではなかったからです。
完全に親のセルフイメージを受け継いでいたのです。
男は余計なことは言わず、寡黙な方がいいという価値観を幼少期から刷り込まれていました。
もちろん寡黙で落ち着いていることは魅力的だと思います。
ですが、私のように信念がゴールと逆行してしまっては、何気なく採用している信念が自分の未来を邪魔をし続けることになります。
一般的に誤解されている、または認知されていないことですがゴール基準に自分を変えていくことが極めて重要です。
そうではないと過去に縛られて生きることになるからです。
もちろん全ての過去から自由になれという話ではなく、部分的にで十分です。
普段は大人しい人が大好きなことだと急にスイッチが入って人が変わるというのはよくあります。
ミュージシャンなどに多いように思いますが、これはゴールにふさわしいモードに瞬間的に入っているということですね。
今の自分を基準に未来を選択するのではなく、どんな未来を選択したいかを先に決めます。
その上でどんな自分がふさわしいのか、どんな自分であるべきなのかという”あり方”が決まります。
未来の自分を演じる|未来を基準に今の自分を変える具体的な方法
今の自分を科学的に変える手順は
- 理想的な未来のゴール設定(設計図)
- アファメーションで未来の臨場感を高める
- 未来の自分の台本を元に現状で演じる
です。
理想的な未来のゴール設定(設計図)
先述した通り、ゴール設定とはカーナビの目的地設定でした。
今の自分をどんな自分に変えたいのかについて、現状を無視して設定、設計していきます。
旅行の計画を立てるのが楽しいように理想の自分も楽しみながら設定して行きましょう。
この機会に徹底的に未来の自分に向き合ってみるのもいいかもしれません。
お仕事、趣味、家族関係、パートナー、ビジネス、ファイナンス・・・
これらのゴールを設定、掘り下げていくことであなたの理想とする”あり方”が決まってきます。
ゴール設定について体系的に学びたい場合は『コーチング理論とは?〜使える理論の習得〜』を参考にしてみて下さい。
また、今の自分のここを変えたいという部分的なアプローチも有効です。
その際のポイントは『〇〇を変えてどうしたいのか?』という未来を設定することです。
ただ〇〇になりたいというだけでは人間は変われません。
〇〇出ないとダメな理由、つまり必要性がゴールの臨場感を担保します。
あらゆるゴール達成、自己実現に共通していることですが私たちが変わるためには人生時間と情熱を使って自分の力で行動する必要があります。
しかし現状に不満を言いながら私たちの無意識は変化することを極端に嫌います。
これは私たちの生体に備わった恒常性維持機能ですがこの機能を上手く活用する必要があります。
それがゴール設定であり、変化する必要性というわけです。
このゴールのためならこんな習慣なんて簡単に手放せるという状態が自分を変えるために欠かせません。
参考記事
アファメーションで未来の臨場感を高める
ゴール設定ができたら理想的な未来の臨場感を高めていく必要があります。
プロコーチが行うコーチングセッションではクライアントさんを深い変性意識に入れることで強烈な臨場感を感じながらゴール側の世界を体験することができます。
仕組みとしては起きながらみる夢のようなイメージなのですが決定的に違うことがあります。
それは夢は覚めればすぐに現実に戻ってしまいますが、深い変性意識はその効果が持続するということです。
つまり理想の自分の臨場感を維持しながら現状で振る舞えるということです。
これは未来の理想的な自分の設計図をもとに今、現実化させることができるということです。
これを一人でセルコーチングとして行う場合、アファメーションが有効です。
アファメーションとはある法則、ルールに基づいた言葉を用いて自分自身に語りかけることです。
例えば『私は自分の大好きな仕事で世の中に自分しかできない機能を果たしていることに最高の喜びを感じています』というアファメーションがあります。
このアファメーションを唱え、味わい、ビジュアライズ(脳内で映像化)することでゴール側の理想的な自分を臨場感高く感じることができます。
さすがにコーチングセッションの臨場感に一足飛びに達することはできませんが繰り返し行うことでどんどん臨場感高く感じることが可能です。
アファメーションに関しては『アファメーション記事一覧』をご覧ください。
未来の自分の台本を元に理想の1日を設計する
さて、ここから本格的な実践に入っていきます。
ゴール設定はできている前提ですのでもし不安な方は、『ゴール設定の方法〜劇的な変化を体感するコーチングの基本〜』をご覧ください。
まず、朝起きてから寝るまでゴールのあなたが過ごしている理想の一日を設計してください。
これは現状のあなたではなく、当然ゴール側のあなたの一日ということです。
よくあるミスとしては起業して大好きなことを仕事にしてバリバリ働いている、というゴールの人が、『昼ごろ起きて、、、』などとやってしまいがちです。
もちろん昼まで寝てもいいですが、それは寝不足の現状の意見が思いっきり反映されていますよね?ということです。
特別な1日ではなくゴールのあなたの日常です。
1日のスケジュールというよりは台本といった方がいいかもしれません。
スケジュール+それをやっている時の感情なども設計してみてください。
実際のタスクはもちろん、
- それに対してどんな姿勢で取り組んでいるのか?
- どんな信念を持ってその仕事をしているのか?
- 仲間や家族にとってどんな存在なのか?
- どんな存在でありたいのか?
など、いろんな視点で(抽象度で)イメージして台本を作り、実践してみてください。
未来の当たり前を先取りしてみる
例えば現状はサラリーマンで自宅で朝食を食べているが、ゴール側では起業していて、全国を飛び回っているので高級ホテルで食べているというケースがあったとします。
これを先取りしましょう。
イメージも重要なのですが行動する、つまり五感をフル活用してゴールを感じるというのはとても有効です。
これには幾つかの注意点があります。
例えば高級ホテルの朝食バイキングを食べて現状の朝食と比べただけでは不十分です。
- どんなことを思いながら支払いをしていますか?
- 何のためにこのような朝食を選んでいるのですか?
などを細かく見ていきます。
支払いの時、『高い食事だった・・・』と思ったらアウトですよ!
『リラックスできる最高の時間と健康的で美味しい朝食を食べることができたので大満足!』と思って支払っているところも先取りしてください。
また『経済的に成功しているから、高級なものを食べているのではなく、心と体の最高のコンディションと仕事の質を上げるために必要はリラックスタイムのために必要な食事。』という具合にマインドを先取りしてください。(あくまで例としてですが)
物理的な体験はもちろんその意味や必要性についても意識して体験することで理想の未来を臨場感高く感じ、今の自分を書き換えていくことに直結して行きます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ゴール側の日常の先取りと言ってもやってみると意外と注意することも多く、やりがいはあると思います。
少し大変だ、面倒だと思われるかもしれませんが、最高に楽しいゴールのはずですから先取りも最高に楽しいですよね。
- ポイントは壮大なゴールを設定し、ふさわしい自分をリアリティ高く感じる。
- そしてその過程と少しずつの成長を楽しむことです。
- 今の自分を変えるのではなく、先ずは未来を設定・設計する
- 今の自分と理想の自分がかけ離れているのは素晴らしいこと
- 今の自分はすでにすごいという事実を認める
- 今のあなたは過去のゴールと他者からの刷り込みの結果
- 今の自分を変えるには未来の設計図を現状に落とし込む
- 台本(設計図)を元に現状で振る舞い変化を楽しむ
参考になれば幸いです。
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